2011年11月30日

女性の特質

 先日終わったNHK大河ドラマ「江」。ドラマは徳川2代将軍・秀忠の妻である江の生涯を描いていました。江は信長の姪で、秀吉の義妹、家康の義娘と複雑な環境の中、戦国から江戸への移行期を、その中枢で生き抜いた希有な女性です。

 原作の著者・田渕久美子氏はドラマの副題「姫たちの戦国」に込めた思いをこう述べています。「愛しい人が、明日にも戦で死ぬかもしれない、そんなひりひりと切迫した時代、女たちはただひとえに争いのない日々を思い、恒久的な泰平を願っていたのではないだろうか」と。
 女性の特質の一つは「愛する」ことです。男が名誉や利害のために戦う一方、女性には愛する人々を守る“戦い”がありました。しかし、女性は戦乱を嘆き、平安を祈るだけの歴史の脇役ではないことを江の生涯を通して私たちに語り続けてくれました。

  

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2011年11月29日

作者の生き方や姿勢

「大造じいさんとガン」「片耳の大シカ」……童話作家の椋鳩十(むく はとじゅう、1905年1月22日 - 1987年12月27日)の物語です。

 これらは、確かな観察力と丁寧な取材で描き出した動物の生態や習性が綴られています。その描写には、子どもだけでなく、大人でさえも新鮮な発見があります。
 椋鳩十の作品が魅了され続ける理由は、それだけではありません。氏は息を引き取る直前まで、子どもたちの心に残る作品づくりに没頭しました。「まだ書くぞ。キラキラしたものを書きたい。まだ死ねん」と。
氏のモットーには、こうあります。「力いっぱい今を生きる」。“今”を懸命に生きるからこそ、“明日”が開ける。その作者の生き方や姿勢が、作品の底流に流れているからこそ、読み継がれるのでしょう。

大造じいさんとガン
http://www.chukai.ne.jp/~kurashin/daizojiisan1.html

片耳の大シカ
http://blog.izumishobo.co.jp/sakai/2006/05/post_160.html
椋鳩十記念館 
http://www.city.aira.lg.jp/bunkakanko/tourism/facilities/post.html  

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2011年11月28日

落葉の季節

 日に日に寒さが増し、各地で落葉の季節がやってきました。「木の葉が落ちてから、芽が出るのではない。下から芽が出る勢いにこらえきれず、木の葉は落ちるのだ」と、吉田兼好は『徒然草』に記しています。

 チェコの作家カレル・チャペックも、「木が秋に裸になるのは、枝々に、爆音とともに躍り出る春をつくっているからだ」と。そして、視線を地上でなく、根の伸びる地下へと向け、こう綴っています。「自然はワイシャツの袖をまくり上げて、下にむかって育っているのだ。両手に唾をつけて、いっしょうけんめい土を掘っているのだ」(小松太郎訳『園芸家12カ月』中公文庫)

 四季は巡ります。その地球の律動に思いを寄せ、人生を重ねてみれば、冬とは休息や“死”の時というより、芽を育み、根を伸ばし、次の成長へ出発する準備の時なのです。そう信じる人の心には、もう春の暖かさを感じられているのかも。  

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2011年11月27日

待つことも重要です

 世の中が便利になって、「待たないですむ社会」が来たら、人は「待てない」ようになったのでしょうか。

 エレベーター30秒、パソコンの起動1分、レジ3分、通勤電車の遅れ5分、メールの返信30分、病院の診察30分……「どのくらい待たされるとイライラしますか」と尋ねて、一番多かった回答です(シチズン意識調査)

 待つことが重要な話です。はるか昔のインドにおいて、法華経会座でのことです。師・釈尊は待っていました、弟子・普賢菩薩の到着を。この時点で釈尊はすでに、法華経28品のうち27品を説き終えていました。
 法華経の説法も終わろうとするその時、普賢菩薩が、万億の伎楽(舞と音楽)を奏で、無数の諸天善神を率いて馳せ参じました。そして、末法の法華経の行者を守護することを真剣に誓ったそうです。
その姿、その言葉を釈尊は、先の上位の菩薩よりも手厚くほめ讃えたそうです。それは、弟子の到着を、師は信じ、待っていたからこそ、“大遅刻”を叱らなかったのです。そして、法華経の行者を守護する誓いに、その「真実の心根」を見たからです。
  

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2011年11月26日

声は力

 中国・周恩来総理の逸話。総理が搭乗した専用機が着陸の態勢に入ろうとした時のこと。空港が一斉に停電してしまった。動揺を隠せないパイロットに総理は言い放ったそうです。
 「私は何も心配していません。皆さんが困難な着陸を見事に成し遂げることを、私は断じて信じています!」。その声にパイロットたちの不安は吹き飛び、かすかな光を頼りに無事、飛行機は着陸したそうです。

 この逸話にもあるように、人は災害等に襲われると、目の前が真っ暗になり、さらに騒音や臭いなどで気が動転してしまいます。そんな時、人をパニックから救うのが“人間の声”です。
 緊急の現場で「誰かいますか」と叫ぶ。「大丈夫ですか」と励ます事が重要です。ゆえに日頃から声を掛け合う習慣を地域に広げていくことが大切ですね。


  

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2011年11月25日

田中正造

 あの原発事故以来、田中正造が注目されています。城山三郎著『辛酸』は、民衆の機微に触れる正造の戦いぶりを描いています。

 集会で気勢を上げる。弁士の雄弁に、聴衆は沸き立つ。が、家へ戻って一人になると、空しい気分に包まれがち。官憲の切り崩しも、そこが狙いでした。それゆえ田中正造は演説会が終わると、すぐ懇談会をもったそうです。
 足尾銅山の鉱毒で、栃木県谷中村は衰亡の危機にありました。正造は衆院議員の職をなげうち、村民の救済に生涯を捧げました。時は日露戦争のさなか、国家と財閥を向こうに回しての戦いです。村民一人一人に注ぐ優しさは、権力への怒りと、表裏一体と言えます。その闘志を支えたものは何であったのでしょう。

 晩年、正造は聖書に親しみました。それが、すべての苦難を自らの糧とする力となった、と。座右の銘は「辛酸佳境に入る。楽また其の中に在り」。名も無き村民を断じて守らんとした正造の、たぎらんばかりの情熱は、やはりたくましい宗教性を帯びています。

 同時代の米国詩人ホイットマンは、万人のなかに等しく“内なる光”を認めるには宗教的な感性が欠かせないと考えました。だから彼は、新世紀への理念を「宗教的民主主義」と名付けています。

 
  

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2011年11月24日

心の財

 あの東日本大震災のあとテレビのコマーシャルが自粛され、金子みすゞの詩が幾度となく流れました。

 その詩とは違いますが、こんな詩も。「散つてすがれたたんぽぽの、/瓦のすきに、だァまつて、/春のくるまでかくれてる、/つよいその根は眼にみえぬ。/見えぬけれどもあるんだよ」。「星とたんぽぽ」の一節です(『空のかあさま』JULA出版局)

 「心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。かんじんなことは、目に見えないんだよ」(内藤濯訳『星の王子さま』岩波書店)との、サン=テグジュペリの一文も思い出されます。
 
 仏法では“蔵の財、身の財よりも心の財”と説きます。つまり、最上の財は目には見えません。
  

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2011年11月23日

埋もれ木

 長い眠りから覚めた埋もれ木は、職人の手で新たな命を吹き込まれ、再び深い気品を保ちながら、趣のある輝きを放つ、漆器などに生まれ変わります。

 仙台市の埋もれ木細工職人の話によると、埋もれ木を使った作品は、刃物で削り、つや出しに漆を塗るが、その直前の「研ぎ」という磨き作業に作り手の腕が問われるそうです。人の目ならごまかせる程の磨き残しも、漆を塗れば、粗は歴然とわかってしまうそうです。

 職人いわく、「手抜きを糊塗する技術を考慮した製造方法では、本物のもの作りの精神に磨きがかからない」。本物を作るうえで、寸分でもごまかしがあれば、「時」に耐えることはできない。と
 

埋もれ木 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9F%8B%E3%82%8C%E6%9C%A8
  

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2011年11月22日

お風呂が何よりの楽しみです

 寒さも本格的になってきました。こうした季節になると、疲れや冷えを癒やしてくれるお風呂が何よりの楽しみです。一方で、全国で年間推定1万人以上といわれる「入浴事故」が多発するのも、この時期です。

 心がける注意点として、脱衣場や浴室の寒さで血圧は上昇しますが、入湯後は反対に、体温の上昇と血管の拡張によって血圧は低下します。この急激な体温や血圧変化、さらには発汗による脱水症で起きる「熱中症」が、事故の引き金になるとも考えられています。

 未然に事故を防ぐためにも、体調の悪いときの入浴は避けたいものです。また、浴室の内側と外側の寒暖の差を小さくしたりする工夫も必要です。湯温は42度までとし、入浴の前後に水分を補給する、なども大切だそうです。

 このようなことは頭では分かっていても、「油断は心の隙間に訪れる」ともいいます。家族や周囲にも喚起を促し、“油断の隙間”を埋めていきたいものです。  

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2011年11月21日

対話の醍醐味

 長めの原稿を書くには事前にプロット(構成)が必要です。しかし、プロットに忠実な文章が案外つまらない場合があります。

 反対に、プロットを一度胸におさめて、思うままに書き出してみましょう。書いた文に引っ張られ、新しい考えが浮かんできます。書き進むうち事前に想像もしなかった文が出来上がる。手応えを感じるのはそんな時です。

 著述家の内田樹氏は、この感覚を、対話の醍醐味と同じものと説明しています。そして、対話のなかで「見知らぬ、しかし、懐かしいことば。そういうことばが口をついて出てくるとき、私たちは『自分はいまほんとうに言いたいことを言っている』という気分になります」(『先生はえらい』)と。すべるように筆が進んでいる時、人は「題材と対話している」訳です。

 すべるように筆が進すすめば醍醐味を味わえますね、私は短い文章でも中々、筆が進みません。  

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2011年11月20日

何を書き留めるか

 昭和35年、文豪・山本周五郎のもとに、読者から一通の便りが届きました。「誰もがまことの幸福を得なければならないのに、今はただ己の生きることに鎬をけずらなければならない」と、その便りには書いてありました。

 昭和30年代といえば、日本が高度経済成長のスタートラインに立ったころの時代。労使対決、保守・革新の政治対立が繰り返されていました。だが、多くの民衆は、労働運動や政治から見放され、生活苦に沈んでいた時代です。
 周五郎は、貧しい中でも、力強く生きる庶民を愛しました。先の便りに対しても、「政治にもかまって貰えない、道徳、法律にもかまって貰えない最も数の多い人達」のことを、書く場合に一番考えると返答しています(随筆「小説の効用」)

 吉田松陰の没後150年を記念して建設された、「至誠館」が山口県・萩市にあります。松陰の遺墨を中心とする展示品の中に、「福堂策」があります。これは吉田松陰が密航に失敗して投じられた野山獄で記された小論文です。

 彼は囚われの身となっても、落胆するどころか、野山獄を「福堂」に変えようと情熱を燃やしました。福堂とは、「智者は囹圄(牢獄)を以て福堂と為す」との中国の古言によるもので、罪人を、いたずらに苦しめる場ではなく、教育して更生させる施設という考えです。
 そして、獄中で「孟子」や「論語」を講義。時には、俳句の会などを催して、多くの囚人を改心させました。まさに、後世に輝く獄中教育の範といえましょう。
  

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2011年11月19日

自身の可能性を開くことができる

 農政学者の新渡戸稲造が札幌農学校で学んでいたころ、図書館にある本をすべて読破しようと決意し、手当たり次第に読んだそうです。このエピソードが『努力論』(斎藤兆史著)に紹介されています

 そこには新渡戸が大学入学の際に、専門の農政学に加え英文学を修め、日本と外国の思想の交流に役立ちたいと考えていたことに触れ、「高い目標」に向かって精進した故に、偉大な業績を残すことができたと著者は述べています。

 理想や目標を高く大きく掲げた分、自身の可能性を開くことができます。もちろん、現実とかけ離れた無謀な目標では空転しますが、自身の足元を見つめた上で向上・飛躍への挑戦目標を立てたましょう。目標が決まれば、何をなすべきか。おのずと道は見えてきます。  

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2011年11月17日

ドングリ

 栄養豊富でおいしいドングリは、野生の動物たちの大好物です。しかし、子孫を残す大事なタネを食べられては、ドングリの親木も、さぞ困るだろうと思いきや、さにあらず。ある動物の習性をうまく利用することで、ドングリは発芽する機会を広げます(鷲谷いづみ著『タネはどこからきたか?』山と渓谷社)

『タネはどこからきたか?』を読むと、リスやネズミ、ホシガラスなどは、冬に備えて餌のドングリを土中に貯蔵します。ところが、彼らはそれを、どこに埋めたのか忘れてしまう。うまく埋めてもらったドングリは、次の春には、首尾良く発芽するという寸法になるわけです。まさに、絶妙な共生関係といえます。

 ドングリはトゲや毒で武装する代わりに、実の中に、おいしい栄養をいっぱい蓄える。そうすることで動物に好まれ、命を継いでいくのだそうです。
  

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2011年11月16日

インフルエンザの季節がやってきました

 インフルエンザの季節がやってきました。健康第一ですので、今年も11月14日に予防接種のワクチンをうちました。
 しかし、予防接種は病状の重症化を防ぐためで、絶対にかからないというものではないので、手洗いとうがいを励行しています。

 江戸時代の学者・貝原益軒の『養生訓』には、健康を増進するために忘れてはならない一字が記されています。「畏」(い・おそれる)の字です。畏れるとは、自らの欲望をしっかり見詰め慎むことにも通じます。「畏敬」(いけい)という言葉があるように、「畏」には、わが身を大切にする心が秘められているように思います。

養生訓 http://www.geocities.jp/rikwhi/nyumon/az/youjoukun_zen.html
  

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2011年11月15日

ティッピング・ポイント

 「ティッピング・ポイント」という言葉があります。日本語に直すと、小さな変化の積み重ねにより、すべてが一気に変化する「劇的な瞬間」のことだそうです。

 数学者の藤原正彦氏が、小学6年生の算数の授業を依頼された折のこと。「ティッピング・ポイント」の実験をしました。氏は生徒に問いかけました。厚さ0・1ミリの新聞紙を半分に折る。その新聞紙を再び半分に折る。何回も続けると、どのくらいの高さになるか?(『この国のけじめ』)と。

 一瞬、たいした数字にはならないと思ってしまうのですが、実際に計算してみると、26回目で富士山の高さをはるかに超えてしまうそうです。なんと、42回目には、地球と月の距離を超えるたかさになるそうです。わずかな変化であったとしても、その連続は、やがて大きな結果へと結びつきます。納得!!

 
  

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2011年11月14日

障害者雇用

 障害者雇用に積極的に取り組む草分け的な企業があります。ホームページを訪問していただくと詳細がわかりますが、全従業員74人のうちなんと、55人(平成23年4月現在)を知的障害者が占めているそうです。途中離職も無く、長く働いている人がたくさんいました。

 誰もが仕事に誇りを持ち、輝いています。なぜ、こんなに仕事に熱心なのか。同社の会長は語っています。『“幸せ”を感じるために必要なのは、「人に褒められる」「人の役に立つ」、そして「人に必要とされる」こと』と。いずれも、「働く」ことで自ら得られる喜びでした。

http://www.rikagaku.co.jp/index.php

  

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2011年11月13日

世界遺産

 1980年に世界遺産に登録されたのが、ポーランドのワルシャワ歴史地区です。このワルシャワ歴史地区は第2次大戦中、ナチスにより廃虚とされました。それは戦闘によるものではなく、廃虚とすることで、市民の心を萎えさせ支配するために、王宮など人々に親しまれていた町のシンボルを計画的に破壊した結果だったそうです。
 しかし戦後、人々はワルシャワの風景画や古い図面などを見て、壁のひび一つまで忠実に町を再現し、蘇らせました(『ビジュアル・ワイド 世界遺産』小学館)。
 まさに、差別や戦争に対する精神の“闘い”です。ポーランドの人々の、「たとえ建物は破壊できても、われわれの精神までは破壊できまい! 心が屈しない限り、何度でも再建してみせる!」そんな思いが伝わってきそうです。
  

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2011年11月12日

絶えず変化します

 それにしても生命の奥深さには、あらためて驚きを覚えます。体の細胞の働き一つとっても驚異的です。皮膚や髪、骨や臓器などを構成する無数の細胞の多くは、一定の時間で再生しているが、例えば、血液では一日に約2000億個もの赤血球と血小板ができている(『iPS細胞』八代嘉美著)と。

 私たちの体内では、常にみずみずしい再生作業が繰り返されているそうです。古い細胞と新しい細胞が入れ替わって、肉体は絶えず新しくなっています。髪の毛や、ヒゲが伸びることで実感できます。
 そうした再生作業が休み無く繰り返されて、自身の姿を見ると、以前の自分と同じに見えても、実は新しい自分なのだそうです。生命のリズムとは変革のリズムです。肉体と同様に心も絶えず変化しています。
 今日何かで失敗しても、"明日も失敗したらどうしょう"と思うのではなく、新しい自分が、成功に導くと信じ前進しましょう。
  

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2011年11月11日

木は「宇宙の真理を悟った哲学者」

 東京大学などが、樹齢400年ほどの杉の樹木に含まれる炭素や酸素の成分を解析しました。その結果、私たちの地球は、17世紀から18世紀にかけて太陽活動の停滞で気温が下がり、雨が多かったことが明らかになったそうです。木は、壮大な地球と宇宙の律動を刻んでいたのですね。

 幸田露伴の次女で、作家であった幸田文さんも、木に魅せられた一人です。ある林を訪れた際に聞いた森林関係者の言葉を、自著『木』に記しています。「老樹と、中年壮年の木と、青年少年の木と、そして幼い木と、すべての階層がこの林では揃って元気なのです。将来の希望を托せる、こういう林が私たちには一番、いい気持に眺められる林なんです」と。

 木を「宇宙の真理を悟った哲学者」と呼んだ人がいます。それは、人間よりはるかな年月を生きる木に、古来から、私たちは畏敬の念を寄せて来た為でしょう。

  

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2011年11月10日

ぬくもりのある言葉

  言葉には、ぬくもりがなければ相手に真意は伝えられません。

 「共通語では言い換えのきかない微妙な情感を伝える方言がある」と言ったのは詩人の川崎洋さん。たとえば、津軽弁の「あずましい」。これは、津軽地方の人が、湯加減のほどよい風呂に、ゆったりと漬かった時などに思わず口に出る言葉です。なんともいえない心地よさ、ゆったり感、満足感などが結びついた形容です。ただ今の若者は使うでしょうか?疑問ですが・・・・

 方言には、地域特有の歴史が紡ぎ出したぬくもりがあります。こうした言葉の“滋味”は、発する人が積み重ねた人生によることでしょう。

 そして、決意の言葉もあります。あの阪神淡路大震災の時は「負けたらあかん!」。そして東日本大震災では「負げでたまっか!」と。
  

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