2018年02月17日

生涯一書生

 作家・吉川英治氏の信条は「生涯一書生」でした。世間が「大家」ともてはやそうと、謙虚さを失わなかった。さらに氏は言っています。「一生一書生である者には、『疲れ』とか『倦む』とかいったことはない。およそ、そうした類の言葉には絶縁である」と。(『吉川英治全集52』講談社)
 完結した生涯最後の作品は『私本太平記』。この新聞小説の連載開始の前年まで、週刊誌上で7年にわたり『新・平家物語』の筆を執り続けています。大衆の心に響くものを求め、最後まで書き続けた生涯でした。  

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2018年02月16日

合格

 スーパーで、真剣な表情でお菓子を選ぶ女性がいました。そこは「合格」「勝つ」などの言葉が入ったお菓子が並ぶ特設コーナーでした。何だって利用して、弱気の虫を追い出したい――入試本番のこの時期、同じ思いの人は多い事でしょう。  

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2018年02月15日

タイムマシン

 生命科学の分野で人間の変革能力が明らかにされつつある。ノーベル医学生理学賞の山中伸弥教授らが開発したiPS細胞も、その一つです。さまざまな組織や臓器に分化した細胞は、長い間、決して元の状態に戻ることはないとされてきました。
 だが、四つの遺伝子を入れることで、細胞が真っさらな初期状態にリセットされ、受精卵のようにあらゆる細胞に分かれていくiPS細胞に生まれ変わったのです。
 評論家の立花隆氏は「これはいわば、タイムマシンの発見と同じ」(『生命の未来を変えた男』文藝春秋)と語っています。究極の若返り法との期待も大きい。ただし、なぜ四つの遺伝子で細胞が初期化されるのかは今も謎。その複雑な働きの解明はこれからだです。  

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2018年02月14日

松の雪吊り

 北国の冬の風物詩「松の雪吊り」を見た事がありますか。雪吊りとは、雪の重みで木の枝が折れるのを防ぐ作業です。松の木よりも背の高い支柱を立て、頂点から円すい状に垂らした何十本もの縄で、枝をつっていきます。
 大雪のせいだろう。真っ白になった支柱と荒縄が、体を張って重みに耐えながら松を守るようです。松が春を迎えられるのは、厳しい冬の間、じっと支え続ける存在があるからなのです。  

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2018年02月13日

民衆のために

 仏教の創始者・釈尊は、マガダ語というインドの一地方の言葉で教えを説いたといわれています。経典に、ある弟子が、仏の言葉をヴェーダ語(サンスクリット語)に改めたいと申し出た話があります。同語は支配階級のバラモンの言葉です。釈尊の答えは”改めてはならない””自分の言葉によって仏の言葉を習うことを許します”でした(『南伝大蔵経4・律蔵4』)
 「但いなかことばにてあるべし」(御書1268ページ)――日本の日蓮大聖人も、民衆に寄り添い、民衆のために説くことを厳しく教えられました。京に上り、貴族の前で講義したことを自慢げに報告した弟子・三位房を「日蓮をいやしみてかけるか」(同ページ)とまで叱責されています。  

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2018年02月12日

ピクトグラム

 「♨」は何のマーク?と聞かれたら、ほとんどの日本人は「温泉」と答える事でしょう。だが、外国人に聞くと「温かい食べ物」などと返ってくるそうです。
 街中にあるトイレや非常口、車いすなどの案内用のマークを「ピクトグラム」といいます。日本では前回の東京五輪で生まれたものですが、経産省は2020年の五輪に向け、一部のピクトグラムを外国人にも分かりやすいものに変更するなど、検討を進めています。
 一方、同じ東京五輪を目指して進む国家的プロジェクトが自動翻訳技術です。AI(人工知能)の進化によって実用化は間近で、2020年には、これによる翻訳アプリが“おもてなし”の主役になるかもしれません。  

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2018年02月11日

積極的に公開

 戦争の悲劇の歴史を持つドイツ。同国では、ナチス関連の遺産を保存し、積極的に公開しています。学校教育でもユダヤ人迫害の歴史を伝えることに多くの時間をかけているそうです。
 メルフェルデン・ヴァルドルフ市にも、ナチスが建設した強制収容所がありました。そこから400メートルの至近に立つSGIのフランクフルト池田平和文化会館では、遺品「コップの破片」を展示。地元の中高生が歴史を学ぶ場としても活用されているそうです。
 ガス室、飢餓、発疹チフス――収容所では、日常に「死」があふれました。精神医学者フランクルは『夜と霧』で、自身の苛酷な体験を世界に伝えた。「わたしたちはためらわずに言うことができる。いい人は帰ってこなかった、と」(池田香代子訳、みすず書房)  

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2018年02月10日

日頃からの

 駅のホームで手伝いを必要とする人がいる。「何かお困りですか?」と声を掛けようか躊躇するうちに機を逸してしまった。こんな経験はないでしょうか。
 善行をなすときには勇気が必要だが、こうした場合は勇気のあるなしよりも、むしろ“習慣になっているかどうか”で行動が違ってくるでしょう。
 ある文化人は、困っている人に自然に手を差し伸べることが「自分の人生の一部になる必要がある」と指摘しています。
 アメリカでは10代からホームレスへの炊き出しなどを重ねることで、ボランティア精神を身に付けるという地域があるそうです。やり方はさまざまあるにしても、自分の小さな世界にとどまることなく、同じ「人間として」行動する日頃からの訓練や教育が重要といえますね。  

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2018年02月09日

1分の1と100分の100

 1分の1と100分の100。算数では、どちらも同じ「1」ですが、人間の世界では大いに違うそうです。
 実はギター作りの話です。楽器製作者の椎野秀聰さんは、職人1人が全工程を手掛けることを「1分の1」。100人が各工程を担当することを「100分の100」と表現しています。職人1人が作るギターには、1人の経験や技術だけが込められます。一方で「100分の100」の魅力は、それぞれに特化した専門知識と技能を結集できることだという。各工程の担当者が力を注ぐほど、ギター「1本」が、違う「1本」になる。そして「分母の数が大きくなればなる程、面白みは増していく」と(『僕らが作ったギターの名器』文春新書)  

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2018年02月08日

気持ちのスイッチ

 力強く鍵盤をたたくと、脳から“やったるで効果”が出て、頭が良くなる――そんな理由で母にピアノを習わされた、とジャズシンガーの綾戸智恵さんが、かつて、ラジオ番組で自身の少女時代を語っていました。
 綾戸さんのお母さんの説が、医学的に正しいかは分かりません。ただ、ある楽曲のフレーズを聴くと、気持ちのスイッチが入ることがあります。そう言われると、うなずく人も多いのではないでしょうか。  

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2018年02月07日

愛情の表現

 俗に、関西人に「アホ」と言っても怒らないそうですが、「ばか」と言うと憤慨し、関東人はその逆だといわれています。暴言も、状況によっては愛情の表現にもなるのです。
 テレビやラジオなどでの活躍が長かった作家の向田邦子さんは、「ばか」という言葉がしゃくし定規で差別用語にされ、使えなくなるなら放送作家を辞めると言っていたそうです。向田さんの作品に出る「ばか」というせりふには情味があり、受け手への深い好意が底流にあったのです。  

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2018年02月06日

別名「幸福ホルモン」

 私には考えられない事ですが、すぐ目の前にいる同僚と、メールで“会話”する若者が増えているそうです。パソコンやスマートフォンが普及する現代社会。以前なら直接、言葉を交わしていた場面でも、メールやラインでのやりとりが多くなっていないか、自身に当てはめてください。
 こうした状況に警鐘を鳴らすのは、脳生理学者の有田秀穂氏です。メールだけのコミュニケーションでは、人を信頼し、人のために何かしたいとの気持ちが減退するという(『「脳の疲れ」がとれる生活術』PHP文庫)。鍵になるのが「オキシトシン」という神経物質だそうです。
 オキシトシンとは、別名「幸福ホルモン」といいます。他者への信頼感を強め、ストレスが消えて幸福感が増す作用があるそうです。さらに血圧の上昇を抑えて、心臓の機能を向上させ、長寿になるとの研究結果もあります。
 オキシトシンの分泌を促すのは、スキンシップや一家だんらんなどの親しい語らいだそうです。人の幸福を願ったり、親切を心掛けたりすることもいい。他者に関わる行動自体が、心と体を健やかにするのです。  

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2018年02月05日

ありのままの自分でこそ

 心理学者のアドラーは、「普通であることの勇気を持て」と訴えました。それは、子の存在そのものが親にとっての喜びであるように、特別なことをした時にだけ自分に価値があるのではなく、“ありのままの自分でこそ他者に貢献できる”と捉えれば、生きる勇気が生まれると(岸見一郎著『生きづらさからの脱却』筑摩選書) 納得!!  

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2018年02月04日

自分を新しくできる

 お茶の水女子大学名誉教授の外山滋比古氏は、朝昼夕の2時間ほど新聞を読むそうです。頭を働かせ、自らを高め続けることが目的だという。94歳の今もなお、執筆など精力的に活動してみえます。
 氏は中高年に向けて、新聞を活用した自学自習を勧めています。毎日、自宅に居ながら新しい情報が届く新聞を生かせば、いくつになっても自分を新しくできる、と(『新聞大学』扶桑社) 納得!!  

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2018年02月03日

予言の自己成就

 社会心理学に「予言の自己成就」という概念があります。これは、本来なら起こり得なかった状況が、人々が起こりそうだと考え、行動することによって、実際に起こってしまうことをいいます。
 この概念が示唆することの一つは、〝未来はこうなる〟との確信を、多くの人が強く持てば持つほど、その予想が実現する可能性が強まる、ということです。一人一人の「思いの強さ」と「行動」が、目の前の現実を変えていくのです。  

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2018年02月02日

イソップ寓話

 腹をすかせたキツネが、支柱から垂れ下がるブドウを見つけました。取ろうとしたが届かない。立ち去り際に独り言。「まだ熟れてない」――“できないことを何かのせいにしてごまかす人がいる”ことを表した寓話です(『イソップ寓話集』中務哲郎訳、岩波文庫)
 環境や状況のせい、他人のせい、タイミングのせい……人は、“できない理由”を外に求め、自己正当化してしまいがちです。しかし、そんな理由を並べているうちは、成長への軌道は開けません。  

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2018年02月01日

「現場」に発展の鍵

 英語の「spot」には「場所・現場」のほか、「見つける」等の意味があります。机上で終わらせず実際の場所に立てば、新しい発見があるものです。
 長崎のテーマパーク・ハウステンボスの澤田秀雄社長は、現場第一の人です。8年前、18年間の赤字が続く同社の再建を託されるも、冬季の集客率の低さに悩まされました。打開策を探そうと、園内をくまなく歩いて回ったそうです。
 日暮れが早く、花も咲きづらい。その中で思い付きました。「暗いなら明るく、花が咲かないなら“光の花”を」と。多数のLEDで、世界最大級のイルミネーションを考案。日が短い分、華やかな演出を長く観賞してもらえると発想を変えました。その結果、冬季に多くの客を呼び込むことに成功。創業から初めて経営が黒字に転じたのです。
 いかなる分野においても「現場」に発展の鍵があるのですね。  

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2018年01月31日

待ち受け画面

 ある婦人の話です。携帯電話の待ち受け画面は、空のアイスクリームのカップを写した画像でした。不思議に思い、その理由を持ち主に聞きました。
 小学生だった息子が遠足に行く日の朝、彼女は体調を崩して寝込んでいました。それでも弁当を作り、送り出しました。お土産に、と息子は母の大好きなアイスクリームを買ったのです。だが、持ち帰った時には溶けきっていました。
 「おっちょこちょいな、わが子らしい」と述懐する婦人は泣き笑い。以来、そのカップを大事にとってあるという。婦人が宝のように大切にしているのは、息子の「優しい気持ち」でしょう。  

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2018年01月30日

まず自分が変わること

 親なら誰しも、わが子に「こうなってほしい」と願望を抱くものです。だが理想と現実の違いに焦り、目に見える〝変化〟を求めてばかりいると、期待に応えようと「自分らしさ」をのみ込んでしまう子どもも少なくないですね。
 民主音楽協会(民音)主催「親子のための手作り楽器の体験学習・音楽会」の講師を務める池田邦太郎氏は「子どもたちの素直な心を尊敬し、大人が彼らより『下に(アンダー)立った(スタンド)』時、初めてその心が『understand』=理解できる」と語っています。
 英語で「education」は「教育」と訳されるが、福沢諭吉はこの訳に異を唱えました。『文明教育論』で「学校は(中略)天資の発達を妨げずしてよくこれを発育するための具」とあり、「教育」ではなく「発育」と訳すべきであるとしています。
 すなわち、価値観を上から押しつけるのでなく、相手に本来そなわっている可能性を見いだそう、引き出そうと真摯に努力する――その姿勢を敏感に感じて子どもは伸びていきます。
 人を教育しようと思うなら、まず自分を教育する。相手に変わってほしいなら、まず自分が変わることだろう。  

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2018年01月29日

ディープ・ラーニング

 ディープ・ラーニング(深層学習)という技術によって、人工知能(AI)は著しい発展を遂げています。
 これによって自動運転の車や、会話のできるロボットなどが登場し、日常生活にも変化が起こりつつあります。2045年にはAIの知能が人間を超える、との予測もありますが、AIと人間の関係を問う視点を持ち続けたいものです。
 AIはモーツァルトになれますか――音楽学者の岡田暁生さんは最近よくそんな質問をされるといいます。岡田さんは“モーツァルト風の曲が作れるか”という意味なら「イエス」、“モーツァルト並みの曲が書けるか”なら「ノー」と答えるそうです。
 どんな大作曲家の曲にも、独特のパターンがあるから、AIは、パターンなどデータの集積と組み合わせによって“モーツァルトらしい曲”に仕上げることはできます。だが、パターンそのものを生み出し、人々の心を打つ名曲を作ることは、偉大な作曲家、つまり人間にしかできない、と岡田さんは強調しています。  

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