2018年05月31日

アンテナを張る思いやりでしょう

 人に何かを教える時、言葉の選び方で、相手の理解は全く違ってきます。
 元陸上選手の為末大さんは、子どもたちにハードルの跳び方を教える時、「ハードルの上にふすまがあるから破ってごらん」と言うそうです。坂東玉三郎さんは舞を教える時、腕をどの角度でどうすると言うより、「空から舞ってくる雪を両手ですくうように」とか「扇子で受けるように」と教えるそうです。すると、すぐに分かってもらえるという(『伊東豊雄 子ども建築塾』LIXIL出版)
 何かを人に伝えたい時、自分の頭の中だけで、どんなに隙のない、正確な言葉を考え、話しても、理解されなければ意味がありません。大事なのは、相手の立場に立ち、相手がどう感じているかにアンテナを張る思いやりでしょう。  

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2018年05月30日

何歳になっても学び直しができる

 73歳で大学に合格し、現在、学生生活を送るタレントの萩本欽一さん。英単語の覚え方がユニークだそうです。
 それは、一つの単語を語呂合わせで“物語”にするというものです。例えば「unfortunately(=残念ながら)」であれば、「餡が、4カ所から、チューチューと吸われてなくなった。残念ながら」という具合だそうです。ユーモアに富んだ工夫が、いかにも“欽ちゃん”らしいですね。
 円周率の4万桁暗唱の元ギネス記録保持者・友寄英哲さんも、円周率の数字の羅列を、10桁ずつに分けて語呂合わせで覚えたそうです。その“物語”は、荒唐無稽な方が、よりインパクトがあって記憶に残りやすいそうと語っています。
 脳には、私たちの想像をはるかに超える能力が秘められています。東北大学加齢医学研究所の瀧靖之教授によれば、脳には可塑性(変形しやすい性質)があり、何歳になっても学び直しができる。発達のピークを過ぎても、努力をすれば身に付けたい能力を獲得できるという。
 年齢を重ねるほど、「自分にはできない」「この歳だから無理」と決め付けてしまいがちです。この“決め付け”が成長を妨げる最大の敵だ。自分らしく、若々しい挑戦の心で、充実と喜びの人生を開きたいものです。  

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2018年05月29日

坂道

 東京・目黒区には坂が多いそうです。故・美空ひばりさんの自宅も坂道の途中にありました。
 現在は「美空ひばり記念館」として公開されているその場所に、本人の一詩が飾られています。「生れし時に/この道知らずとも/この道を歩み/幾年月ぞ/今日涙して/明日又/笑おうぞ」。
 昭和の歌姫が生を受けたのは、81年前の今日。52年の生涯に歩んだ道は、マスコミの心ない中傷や、病との格闘、最愛の母と弟の死など、苦難の風雨に打たれ続ける坂道でもあったのです。  

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2018年05月28日

自身を表現するのです

 「音楽は時代を映す鏡」といわれます。では、変化が激しい現代でヒット曲を生む秘訣は何か。若者に人気の楽曲を手掛ける音楽家が答えました。
 情報通信技術などの発達で、音楽を“聴く方法”“受け取る方法”は多様になりました。だが、曲作りの本質は変わらない。重要なのは人々の“歌いたい”という気持ちを引き出すこと。“聴く”だけでは受け身にすぎない。童謡と同じように、歌は「歌い継がれることで広まっていく」という(柴那典著『ヒットの崩壊』講談社現代新書)
 歌う時、人は自分の感情を託したり、人生の経験を重ねたりするものです。だから同じ歌でも、人ごとに深みや味わいは異なります。歌うという行為によって、その人は代わりのいない“主役”となり、自身を表現するのです。  

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2018年05月27日

2万7000本以上のワイヤが

 米サンフランシスコ市にあるゴールデン・ゲート・ブリッジは81年前のきょう開通しました。全長2737メートル、主塔の高さは227メートル。振動に耐えられるよう、固定するのではなく、ケーブルで橋桁をつり上げています。
 橋のたもとの広場にはケーブルの断面図が展示されているそうです。直径約92センチのケーブルの中には、2万7000本以上のワイヤがある。一本一本は細くとも、束ねることで巨大な橋を支えているのです。  

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2018年05月26日

世界史を変えた1カ月

 ナチスが第2次大戦の勝利に最も近づいた危険な瞬間がありました。それはフランスなど4カ国に同時侵攻し、短期間で攻略した1940年の5月です。
 侵攻当日、命運を託されて英国首相に就任したチャーチル。議会では当時、戦うことを諦め、ナチスに妥協するのが得策、との意見が根強かったそうです。だが、彼が「決して降伏しない」と主張したことが、戦局の転機となったのです。
 「決意を固めて、それぞれの務めを遂行し、大英帝国と英連邦が一千年続くとしても、これこそもっとも輝かしいときだったと語り継がれるようにしようではないか」。彼が議会で演説した通り、この時期は後に“世界史を変えた1カ月”といわれました。(ポール・ジョンソン著、山岡洋一・高遠裕子訳『チャーチル』日経BP社)  

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2018年05月25日

詩集『炎える母』

 その青年は東京の信濃町駅で空襲警報を聞いたそうです。母の手を握り、火の海を走った。だが混乱の中で手が離れてしまう。次の瞬間、母は炎に包まれてしまいました。
 この日、昭和20年5月25日は、数度にわたる東京大空襲の中でも「山の手大空襲」と呼ばれています。悔恨と贖罪の念がその青年・宗左近氏を詩人に変えました。詩集『炎える母』を編んだのは空襲の22年後。詩は幾たびも「母よ」と繰り返されます。「母よ/いない/母がいない/走っている走っていた走っている/母がいない」「母よ呪ってください息子であるわたしを」
 あの戦争で親やきょうだいを救えず、自らを責めた子は無数にいただ事でしょう。愛するわが子を失い、天を仰ぎ慟哭した母も数えきれないほどいたはずです。戦争は二度と起こしてはいけません。  

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2018年05月24日

子どもの「顔」を見れば

 花粉症のピークも過ぎマスクも終わりと思いきや、近年、「だてマスク」が流行とのことです。これは表情を隠し、対人関係を避けたい心理からといわれています。この現象に、人間関係を築く力の低下を指摘する声もあるようです。
 ある講演で講師が、女の子が車にひかれ、その横を何人も通り過ぎる映像を流しました。〝私なら必ず助けると思う人は?〟と呼び掛けると、聴講者の大半が挙手したそうです。次に、アフリカでは疫病で多くの子が命を落としているのに、なぜ無関心でいられるのかと問い掛けました。
 『闘うための哲学書』(小川仁志・萱野稔人著、講談社現代新書)は、二つのケースで起こる感情の違いを考える鍵は、「顔」にあると論じています。もしアフリカの子どもの「顔」を見れば、助けたいという感情が起こるのでは、と。納得!!  

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2018年05月23日

フィトンチッド

 昔から「4月の風は光り、5月の風は薫る」といいます。確かに日の光が熱を持つにつれ、匂いもまた増していくような気がしますね。
 実際、樹木の成長が活発になる今の時期には、「フィトンチッド」と呼ばれる芳香を持った物質が、葉から多く放出されるそうです。これこそが香りの元。森や林でなくても、近所の公園など樹木の多い所なら、吹き抜ける風が運ぶ新緑の香りを楽しめるはずなのです。
 風は見えない。だがその存在を、香りや肌で感じることはできる。英国の詩人クリスティーナ・ロセッティは歌いました。「誰が風を見たでせう?/僕もあなたも見やしない、/けれど木の葉を顫はせて/風は通りぬけてゆく」(西条八十訳)
 心もまた、見えない。見えないが、言の葉のやり取りを通じて、その温かさを知りますね。  

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2018年05月22日

詩人ミルトン

 17世紀の英国の詩人ミルトンは43歳の時、両目の視力を失いました。共和派と王党派が対立する中、共和派を擁護していたミルトンは、王党派の論客から失明を嘲笑されました。さらに数カ月後、妻と1歳の長男が相次いで亡くなったのです。
 光を失っても詩人は静かに忍耐し続けました。「盲目であることは、盲目に堪えきれないほどにみじめなものではない」(宮西光雄訳『ミルトン英詩全訳集 上巻』)と。困難それ自体は不幸ではない。困難に屈し理想を捨てることが、彼にとっては不幸だったのです。
 ミルトンは生涯で多くのソネット(14行詩)を残していますが、代表的な作品は失明後、口述筆記によって生まれました。失明から15年後には大著『失楽園』が完成。苦境の中で詩人としての深みが増したといえましょう。  

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2018年05月21日

金沢城

 石川県にある金沢城は江戸初期に天守は焼失しましたが、加賀百万石を象徴する城跡です。2008年に国の史跡になりました。
 百万石と聞くと豊かな印象ですが、徳川宗家に次ぐ石高は“脅威”と映ったためか、藩主の前田家は折に触れ、幕府からの多大な賦役を負ったそうです。大工事となった江戸城の普請では、実に工事区域の6分の1を担当。この前田家で多くの苦労を重ねたのが、藩祖・利家から3代目の利常です。
 利常は家康にも警戒されたという覇気の持ち主。後に金沢城の補修や新たな家臣の採用を巡り、謀反の疑いをかけられました。誤解を解くため命を賭して江戸に出向く一方、国元の文化・芸術を振興し、農業を改革。将軍家との緊張関係の中、120万石の家領を保ち、「政治は一加賀」とたたえられたのです。
 中国・唐の太宗と臣下の問答等を記した為政書『貞観政要』に「創業は易く守成は難し」と。“創業と守成のどちらが難しいか”と太宗から問われた魏徴は、創業の辛苦を知る者がいなくなった時、守るには創業にも増した激闘が必要になる等としています。
 金沢城の窓や石垣には防御の工夫が凝らされ、「守成」の精神が光ります。事業を守り発展させるために、創業の心を継ぎつつ、それを上回る情熱で挑戦を重ねよ――そう教えているようです。
  

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2018年05月20日

人は味わいを感じる

 ある陶芸家が語っています。「完璧なものは奇麗です。でも魅力とは別」と。例えば機械で作った完璧な瀬戸物の器より、ろくろを回して焼き上げた手作りの器に、人は味わいを感じる。「作品に魂が宿ると、色や形のずれさえ魅力に変わるのです」と。納得!!  

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2018年05月19日

65歳で無一文

 10歳で農場を手伝い、ペンキ塗り、車掌、軍隊、販売員など職を転々。3度の大事故や離婚も経験した。起業した会社は相次ぎ破綻。モーテル経営は成功したが火事で全焼し、65歳で無一文になりました。
 この人は世界的な外食チェーンの創業者カーネル・サンダースです。“失敗は新たな挑戦への機会”と考えていた彼は、無一文になっても手製のフライドチキンで再びビジネスに挑んだのです。
 車で寝泊まりしながら営業をかけ、契約店を拡大。年間で地球20周分もの距離を走りました。その情熱が広がり、現在120カ国に店舗を展開したのです(中野明著『カーネル・サンダースの教え』朝日新聞出版) すごいですねー!!  

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2018年05月18日

ベルサイユのばら

 漫画『ベルサイユのばら』の作者・池田理代子さんは声楽家でもあります。かつて出演した演奏会で、ピアノを弾く10歳の少年と共演しました。公演後、池田さんに手を握られた少年は「誰?」と尋ねたそうです。少年は目が不自由だったのです。
 「さっき歌を歌ったおばちゃんよ」との返答に、少年は言ったそうです。「ああ、すごくきれいな声で、素晴らしい歌だった」。池田さんは、歌声に込めた音楽への純粋な心が、少年の心に響いた喜びを、自著『あきらめない人生』(海竜社)につづっています。
 この時の“少年”とは、今や世界で活躍する辻井伸行さんです。  

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2018年05月17日

「クレーマー」と「ブレーマー」

 非常識な苦情を振りかざす人を「クレーマー」と言います。一字違いですが、物事が思い通りにならないことを人のせいにする人は「ブレーマー」と呼ぶらしい。「非難、責め」を意味する英語「blame」に由来しています。怒りや苦痛を周囲にぶつけるため、問題は解決せず、人間関係は悪化の一途をたどります。しまいには誰もがその人から距離を置くようになってしまいます。
 悩みや苦しみから逃げずに、自分自身で受けとめることからしか、人生は開けないのです。  

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2018年05月16日

助け合いの精神

 昨日、本土復帰から46年を迎えた沖縄。インフラ整備が進み、街の風景は大きく変わったが、一方で変わらないものもあります。
 県民を対象にした地元紙などの共同調査では、6割の人が「沖縄らしさが残っている」と回答。代表的な例として「伝統文化」「精神や助け合いの心」などを挙げていました。
 沖縄固有の食文化を支えてきたものの一つが「豚」。“鳴き声以外は全て食べる”といわれるほどです。その豚が、沖縄戦の戦禍によって島から消滅寸前になったことがあります。故郷の窮状を知り、動いたのがハワイに移住していたウチナーンチュ(沖縄人)でした。「沖縄に豚を送ろう」と募金活動を始め、約5万ドルを集めた。そして7人が約1カ月の命懸けの航海を経て、500頭以上の豚を沖縄に届けた。これが数年後には、10万頭以上に増えたといわれています。
 沖縄には「ユイマール(ユイ=結、マール=回る)」という助け合いの精神があります。“子どもは、親だけでなく親戚や地域など皆で育てる”“農作物の収穫は、皆が持ち回りで協力する”などの伝統が、今も生き生きと受け継がれています。  

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2018年05月15日

手にはスコップ

 51年前の5月、創価学会の池田先生は武蔵野の面影を残す創価大学の建設地に立っていました。手にはスコップが握られていた。この日、先生は未来を託す青年たちと共に、桜や梅など1万6000本の苗木の植樹に参加したのです。
 樹木の生育には時を要します。一瞬一瞬の成長は、見た目ではほぼ分からりません。だが、木は着実に育ち、年輪を刻んで大樹となっていきます。これは広布史も同じでしょう。はるかな未来を展望しつつ、一歩また一歩と前進する中に、偉大な歴史は築かれていくのです。  

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2018年05月14日

タカラハコ

 作家の出久根達郎さんが、『母を語る』(NHKサービスセンター)で亡き母を紹介しています。決して上手とは言えない片仮名で、「タカラハコ」と書かれた箱を遺品から見つけた。中には、出久根さんが就職先の東京から送った手紙の束が入っていたそうです。
 その内容は“これだけ手紙を出したのに、なぜ返事をよこさないのか”という不満ばかり。母は読み書きがほとんどできないと知りながらの恨み節。それでも母は、わが子の手紙を宝物として、大切に保管していたのです。  

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2018年05月13日

宇宙エレベーター

 竹林を見ると、その成長の勢いに驚く事でしょう。「天まで届きそうな」との表現がぴったりです。
 実は天まで届くエレベーターの開発が国内で進んでいるそうです。その名も宇宙エレベーター。実現すれば、宇宙へ人や荷物を運ぶことができます。「『竹取物語』のかぐや姫も竹のエレベーターで地球と月の間を昇降した」。開発検討会議では、そんなユーモアを交えた発表もあったそうです。
 SFファンの間では古くから夢物語として語られていました。だが27年前、開発条件に応えられる素材が発見され、議論が加速。完成目標は2050年といわれています。
 「胸中に成竹あり」との故事があります。竹の絵を描くには、まず胸中に竹の姿を思い描くこと――「人生も同じ」だと創価学会の池田先生はつづっています。「心に、未来のどんな絵を描くか。ありありと、目前に見えるがごとく、希望に満ちた絵を描かねばならぬ」。古今の大事業もまた、たとえ誰も信じずとも「できる!」と思った最初の一人から始まったのです。  

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2018年05月12日

リンゲルマン効果

 人数が増えるほど、1人あたりの発揮する力は小さくなる。「リンゲルマン効果」として知られるこの法則から、無縁でいられる組織はありません。
 「あの人がやってくれるだろう」という依存心を排し、集団の中で、おのおのが最大の力を発揮するために、何ができるか。スポーツ選手らのメンタルトレーニングを行う大儀見浩介氏は語っています。「やらされる」のではなく、自ら進んで「やりたい」と思うように一人一人を促すことだ、と(『勝つ人のメンタル』日本経済新聞出版社)。
 自分の動機と、全体の目的が合致する――そこに強い団結の力が生まれるということでしょう。納得!!  

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