2018年01月31日

待ち受け画面

 ある婦人の話です。携帯電話の待ち受け画面は、空のアイスクリームのカップを写した画像でした。不思議に思い、その理由を持ち主に聞きました。
 小学生だった息子が遠足に行く日の朝、彼女は体調を崩して寝込んでいました。それでも弁当を作り、送り出しました。お土産に、と息子は母の大好きなアイスクリームを買ったのです。だが、持ち帰った時には溶けきっていました。
 「おっちょこちょいな、わが子らしい」と述懐する婦人は泣き笑い。以来、そのカップを大事にとってあるという。婦人が宝のように大切にしているのは、息子の「優しい気持ち」でしょう。  

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2018年01月30日

まず自分が変わること

 親なら誰しも、わが子に「こうなってほしい」と願望を抱くものです。だが理想と現実の違いに焦り、目に見える〝変化〟を求めてばかりいると、期待に応えようと「自分らしさ」をのみ込んでしまう子どもも少なくないですね。
 民主音楽協会(民音)主催「親子のための手作り楽器の体験学習・音楽会」の講師を務める池田邦太郎氏は「子どもたちの素直な心を尊敬し、大人が彼らより『下に(アンダー)立った(スタンド)』時、初めてその心が『understand』=理解できる」と語っています。
 英語で「education」は「教育」と訳されるが、福沢諭吉はこの訳に異を唱えました。『文明教育論』で「学校は(中略)天資の発達を妨げずしてよくこれを発育するための具」とあり、「教育」ではなく「発育」と訳すべきであるとしています。
 すなわち、価値観を上から押しつけるのでなく、相手に本来そなわっている可能性を見いだそう、引き出そうと真摯に努力する――その姿勢を敏感に感じて子どもは伸びていきます。
 人を教育しようと思うなら、まず自分を教育する。相手に変わってほしいなら、まず自分が変わることだろう。  

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2018年01月29日

ディープ・ラーニング

 ディープ・ラーニング(深層学習)という技術によって、人工知能(AI)は著しい発展を遂げています。
 これによって自動運転の車や、会話のできるロボットなどが登場し、日常生活にも変化が起こりつつあります。2045年にはAIの知能が人間を超える、との予測もありますが、AIと人間の関係を問う視点を持ち続けたいものです。
 AIはモーツァルトになれますか――音楽学者の岡田暁生さんは最近よくそんな質問をされるといいます。岡田さんは“モーツァルト風の曲が作れるか”という意味なら「イエス」、“モーツァルト並みの曲が書けるか”なら「ノー」と答えるそうです。
 どんな大作曲家の曲にも、独特のパターンがあるから、AIは、パターンなどデータの集積と組み合わせによって“モーツァルトらしい曲”に仕上げることはできます。だが、パターンそのものを生み出し、人々の心を打つ名曲を作ることは、偉大な作曲家、つまり人間にしかできない、と岡田さんは強調しています。  

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2018年01月28日

赤色は戦う魂の表れ

 戦国武将・真田一族の魅力の一つに、小よく大を制する巧みな知略が挙げられます。また大坂の陣で真田幸村(信繁)の軍勢が身に着けた、赤い甲冑も鮮烈ですね。
 戦場で最も目立つ赤色は戦う魂の表れ。「戦と言うのは、臆すれば、敵に攻め込まれ、自分自身も命を落とすことになる。敵に勝ち、自らも生き残るためには、攻めて攻め抜くことを心がけねばならぬ」(三池純正著『真田幸村と大坂の陣』第三文明社)。
 この命懸けの覚悟が、真田の名を歴史に刻印したのです。  

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2018年01月27日

フロストフラワー

 川の水面に咲く“花”を見たことがありますか?
 厳寒の地では、空気中の水蒸気が凍りつき、川に張った氷の上に霜が広がる。それはまさに花々のように美しく、「フロストフラワー(霜の花)」と呼ばれています。一度見てみたいものですね!!  

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2018年01月26日

どう乗り切るか

 リーマン・ショック後も続く不安定な経済状況を、どう乗り切るか。日本有数の企業グループで、社内報の編集に携わる男性は、祈り、自分の立場でできることを考え、社長に提案したそうです。全国の工場に社長自ら足を運び、製造現場の従業員と、胸襟を開いて語り合う企画でした。
 快諾した社長は、「現場のことがよく分かる」と喜び、工場の従業員も、課題の解決へ一緒に頭を悩ましてくれることに大満足。社内報のこの企画が、経営トップと現場の距離を縮め、会社が一枚岩で苦境を乗り切る契機にもなったそうです。  

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2018年01月25日

幸福感が高かったそうです

 大震災を経験し、幸せの在り方を見直す機運が日本社会に広がっています。「絆」という言葉の“再発見”しかりですね。
 心理学でも「幸福とは何か」という研究テーマが近年、話題だそうです。こんな実験が紹介されていました。集団を三つに分け、それぞれ9週間、①感謝したこと②面倒だったこと③起こった出来事、を記録させる。最も満足度が高く、かつ健康状態も良いのは「感謝したこと」を記録する集団だった。また、「人に親切にしたこと」を記録するグループと、何もしないグループでは、前者の方が幸福感が高かったそうです(『幸せを科学する』大石繁宏著、新曜社)
 一方、幸福感の低い人には、他者と比較して自己評価を下す傾向が強いことも、同書では紹介されています。  

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2018年01月24日

旧・中島本町

 戦時中の広島を舞台にしたアニメ映画「この世界の片隅に」を観たことがありますか?
 「何でもつこうて、暮らし続けにゃならんのですけぇ」――主人公・すずの日常を描いた作品です。監督の片渕須直氏は、当時の天気、店の品ぞろえから、空襲警報の発令時刻に至るまで徹底して調査したそうです。
 映画では旧・中島本町の庶民の暮らしぶりも丁寧に描かれています。この繁華街では原爆で458人が犠牲になり、現在は広島平和記念公園の一部になっていることはあまり知られていません。  

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2018年01月23日

百花の魁

 東京は昨日、すごい大雪でした。厳しい寒さが続きますが、都内の公園では、梅のつぼみがほころび始めたそうです。どの花にも先駆けて咲くことから、梅は「百花の魁」とも呼ばれています。
 「明治六大教育家」の一人である新島襄は梅を愛したことでも知られています。彼が詠んだ漢詩に「真理は寒梅のごとし あえて風雪を侵して開く」と。風や雪に耐えて咲く梅のように、あえて逆境や苦難に挑み、乗り越えていく心を、彼は「敢為(かんい)の精神」と呼んだのです。  

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2018年01月22日

ありがとう

 マレーシア・ボルネオ島の先住民プナン族は、「ありがとう」を意味する言葉を持たないそうです。
 それは“互いに助け合うのは当然”と皆が思っているから、言う必要がないのだといわれています。ただ、多様な考えを持つ人々が触れ合う社会では、なかなかこうはいかない事でしょう。人々の心を潤す「ありがとう」は、やはり大切ですね。  

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2018年01月21日

日記をつけることを習慣

 「時代の飢餓感にボールをぶつける」。自身の創作活動を、そう表現したのは作詞家の阿久悠さんでした。作詞とは「時代のなかで変装している心を探す作業」と(『書き下ろし歌謡曲』岩波新書)
 「幸福」という言葉一つとっても、人々の考える意味は時代によって変わる、と阿久さんは言っています。おなかが満たされていること、欲しいものが手に入ること、友人や家族と楽しく過ごすこと――。それを知るために、阿久さんは後半生の二十数年間、日記をつけることを習慣にしていたそうです。
 書きとどめたのは主に日々のニュース。世界情勢、経済の動向や、天気、スポーツの結果など。毎日の記録で「昨日と違う今日の確認」をしたそうですと。ささいな出来事から時代の変化を洞察する。そうして人々が待ち望む言葉を世に送り続けたのです。  

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2018年01月20日

人間教育

 雪晴れの日曜の朝、ジャージー姿の高校生たちが、歩道橋の階段に残る雪を掃いていました。「今日は学校?」と話し掛けると、「野球部の朝練です!」と元気な返事と白い息。「グラウンドが使えないと練習できないね」と言うと、彼らは胸を張って答えた。「これも練習です」と。
 上達に技術の習得は大事です。だが、それ以上に「人間教育」ともいうべき“心の修練”が大切だと彼らの言動に教えられました。
 有名な進学校の私立灘校で50年間、国語の教師を務めた橋本武さんも、同様の考え方を持っていました。教科書ではなく、1冊の小説を中学の3年間かけて学ぶというユニークな授業には、深い信念があった。「すぐ役立つことは、すぐ役立たなくなる」「何とか生徒の心に生涯残って、生きる糧となる授業がしたい」(『一生役立つ学ぶ力』日本実業出版社)  

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2018年01月19日

グリーンベルト運動

 アフリカで4000万本の植樹を推進した「グリーンベルト運動」。その創始者のワンガリ・マータイ博士は、人間の底力を引き出す“触発の闘士”だった。
 果敢に権力と戦い、草の根の対話に身を投じる博士の熱情に触れ、一人また一人、自然を守る“緑の勇者”に変わったのです。自らの運動を、彼女はこう振り返っています。「民衆のために何かしてあげたい」という気持ちではなく、「民衆とともに汗すること」に徹したからこそ、人々の力を引き出せたと(福岡伸一訳『モッタイナイで地球は緑になる』木楽舎)  

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2018年01月18日

積雪対策

 「積雪対策」にあるように、積雪時の事故は「屋根雪」に関する割合が高く、山形では7割以上だそうです。屋根やはしごから転落したり、屋根の雪が一気に落ちたりすれば、大けがにつながります。雪下ろしの際にはヘルメットを着用し、2人以上で行うなど細心の注意を払いたいものです。
 都心をはじめ雪に慣れない地域では、いっそうの注意が必要です。歩道に雪が積もると、車道との段差や側溝が見えにくい。バス停やタクシーの乗降場所も、雪が踏み固められ、滑りやすくなります。雪道を歩くポイントは、地面に垂直に足を踏み出し、重心をやや前へ。靴の裏全体を路面に付け、歩幅を狭くすることだそうです。
 何より“自分は大丈夫”という油断が事故の温床になります。普段から危機意識を高めることが事故を防ぐ最善の方法でしょう。  

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2018年01月17日

さあ、新しい仕事を始めよう

 82歳の生涯を閉じるまで活発に行動した文豪ゲーテの言葉です。「年をとるということ自体、新しい仕事をはじめることなのである。状況は一新し、行動することをすっかりやめてしまうか、あるいは、新しい役柄を意志と自覚をもって引き受けるか、どちらかである」(木原武一訳)
 すごいですね!! さあ、新しい仕事を始めよう! 日々、生まれ変わった息吹で行動しよう!  

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2018年01月16日

創業53年目

 「フラガール」で有名な福島県いわき市のレジャー施設「スパリゾートハワイアンズ」が15日、創業53年目を迎えました。東日本大震災では〝復興の象徴〟ともなった同施設。避難所への慰問から始まったフラガールの「全国キャラバン」の様子は映画にもなり、その姿に勇気をもらった人も多い事でしょう。
 ハワイアンズは、開業自体が「復興」を使命にしていました。かつて炭鉱で栄えたいわき市の常磐地区。エネルギーの主役が石油に移り徐々に活気を失う。この危機を救ったのが、前身の「常磐ハワイアンセンター」でした。
 炭鉱では迷惑な存在に過ぎなかった、地下から湧き出る温水を利用した施設です。炭鉱作業員らが従業員に、その娘たちがフラガールになり、失敗の予想を覆して、町の復興を引っ張っていったのです。  

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2018年01月15日

逆転の発想

 わが社の製品の悪口を言ってくれたら100万円――大手アパレルメーカーが売り上げに伸び悩んでいた時、こうした広告を全国紙に出し、消費者から“クレーム”を募った事がありました。実に3万通近くの手紙が届いたが、そのおかげで製品の抜本的な見直しができ、品質が格段に向上したそうです(野地秩嘉著『一流たちの修業時代』光文社新書)
 あるITシステム企業では、「残業時間を減らした分、手当を出す」というユニークな方針を社内に打ち出しました。その結果、社員の仕事の能率が上がり、残業時間は半減。業績も大幅に伸ばすことができたという
 これは、通常の経営から見れば、「逆転の発想」といえるかもしれません。しかし共通するのは、消費者や従業員という「人間」を中心に据えた視点です。とことん「一人」の声に耳を傾ける。従業員の働きがいを真剣に模索する――そこから常識を覆す、斬新な発想が生まれたのです。  

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2018年01月14日

凱旋行進曲

 「凱旋行進曲」は、巨匠ヴェルディ作曲の歌劇「アイーダ」の劇中歌です。これは若き将軍が激戦を勝ち抜き、共戦の同志と共に凱旋する。勝利をかみしめる勇者の誇り、その雄姿に喝采を送る民衆の歓喜です。
 ヴェルディの時代、祖国イタリアは戦渦に翻弄され、圧政が人々を苦しめました。この時、自由を求める民衆運動に火を付けたのが、彼の歌劇。当局の検閲や悪意の中傷にも、「闇を恐れてはいけません」「絶え間なく真っ直ぐに前進することしかありません」と信念を貫いたのです(アルド・オーベルドルフェル編著、松本康子訳『ヴェルディ』カワイ出版)すごい!!  

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2018年01月13日

ブックロード

 世界遺産に登録された富岡製糸場。同時期に登録された遺産に「シルクロード 長安・天山回廊の交易路網」があります。これは絹の道(シルクロード)が通っていた中国、カザフスタン、キルギスの3国が共同で申請したもので、かつてない規模の世界遺産となりました。
 絹の道は長安からさらに東へ、奈良まで伸びていたとする見方もありますが、中日交流史を研究する王勇氏は、中国と日本をつないだ道を「ブックロード(本の道)」とする視点を提示しています。
 中国を起源にして、絹は東へ西へ広まったが、漢文の書籍は、専ら東へ伝播しました。漢訳の「妙法蓮華経」も、そうして日本に伝わったのです。また、進んだ大陸文化を求めて、遣隋使や遣唐使が海を渡りました。貴重な漢文書籍を手に入れるため、皇帝からの高価な下賜品を現地で全て換金して充てたこともあったという(『奈良・平安期の日中文化交流』農山漁村文化協会)  

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2018年01月12日

夢を実現

 実に12回目の挑戦で教員採用試験を突破し、現在、小学校の教壇に立つ婦人がいます。若くして体調を崩した彼女は、長いリハビリ生活を強いられ、思う存分、勉強ができなかったそうです。回復後、夢だった教師になろうと、創価大学通信教育部で学びました。
 大学は4年間で卒業したそうですが採用試験の壁は厚かった。途中、東日本大震災にも遭った。試練の渦中、彼女はいつも母校・創大の学生歌を口ずさんでは自身を奮い立たせた。そして、ついに合格を手にしたのです。
 夢実現までの道のりも時間も、共に最短ではなかったでしょう。だが、こう語る彼女は、間違いなく人生の勝者だった。「学生歌の歌詞にある『誰がために 人間の道学ぶかな』の精神を深めた、かけがえのない年月でした」と。  

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