2018年01月21日

日記をつけることを習慣

 「時代の飢餓感にボールをぶつける」。自身の創作活動を、そう表現したのは作詞家の阿久悠さんでした。作詞とは「時代のなかで変装している心を探す作業」と(『書き下ろし歌謡曲』岩波新書)
 「幸福」という言葉一つとっても、人々の考える意味は時代によって変わる、と阿久さんは言っています。おなかが満たされていること、欲しいものが手に入ること、友人や家族と楽しく過ごすこと――。それを知るために、阿久さんは後半生の二十数年間、日記をつけることを習慣にしていたそうです。
 書きとどめたのは主に日々のニュース。世界情勢、経済の動向や、天気、スポーツの結果など。毎日の記録で「昨日と違う今日の確認」をしたそうですと。ささいな出来事から時代の変化を洞察する。そうして人々が待ち望む言葉を世に送り続けたのです。

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