2015年05月31日

イクメン

 保育所で開かれた「イクメン」の集いの話です。乳幼児と父親が参加し、絵本を読んだり、おもちゃで遊んだりする。子ども乗せ自転車や抱っこひもで、わが子と帰っていく「イクメン」たちの後ろ姿はほほ笑ましく、たくましく見えます。
 率先して育児に関わる父親を指す「イクメン」という言葉が徐々に浸透しています。集いの参加者にも、子育てを母親任せにしないという意識が共通しています。
 だが、住んでいる地域に〝父親の居場所〟や子育ての相談先がないと感じる父親は3~4割もいる(ベネッセ次世代育成研究所「第2回乳幼児の父親についての調査」)。子育てを〝孤育て〟にしない地域の取り組みが望まれています。  

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2015年05月30日

母の歩み

 「おかあさん」――何とほっとする響きでしょうか。「おかあさん」の「か」とは、「太陽の身体」を意味する「日身」という言葉から来たとの説があります。日本人は、母を“太陽さん”と呼んできたわけだ(『日本のこころの教育』境野勝悟著)
 「毎月」「毎日の「毎」という字には「母」があります。母の歩みは止まることがありません。  

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2015年05月29日

細かなことを着実に積み上げる

 職場の中で、製品やサービスなどの質の管理・改善を目的に行われる「QCサークル」の活動。その基本的な考えに「次工程はお客さま」があります。これは「自分が担当する工程の次の工程を、お客さまと思って仕事をする」との意味です。自分の工程での結果を、次の工程の品質向上に役立て、最終品質を高めていく考えです。
 ある国産自動車メーカーの工場を見学した話です。徹底して無駄を省き、より高い生産性を目指す取り組みに、あらためて感心しました。特に、注目したのは「不良品を後工程に流さない」とする作業工程でした。問題が生じた場合は、その場で対処し、後回しにしないシステムが構築されていました。細かなことを着実に積み上げる現場を目の当たりにして、世界に冠たる信頼のブランドを築いた理由が分かる気がしました。  

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2015年05月28日

コップの水

 同じ現実を見ても、悲観主義者には、挑戦から退く口実となり、楽観主義者には、挑戦の動機付けとなります。“コップの水”は、その例えとして用いられます。
 絵本にも、コップにまつわる似た話があります。『ちょっとだけ』(福音館書店)という絵本の主人公は、小さな女の子。ママは赤ん坊の世話で忙しく、彼女は何でも一人でします。パジャマに着替えたり、髪の毛を結んだり。いろいろやってみて、ちょっとだけうまくいく。そんな彼女が牛乳をこぼしながら、ちょっとだけコップに注ぐことができました。
 3歳の男の子がこの話を聞いて「うわぁすごいね」と喜びました。母親ははっとした。“私なら息子を怒っていたかもしれない。コップに入れられた牛乳には目を止めずに”(柳田邦男著『生きる力、絵本の力』岩波書店)  

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2015年05月27日

ゲーテとシラーの友情

 世界の文学史を彩る、ドイツ文学の巨人、ゲーテとシラーの友情。だが当初、両者の間には心の距離があったそうです。友情が芽生える契機となったのは、シラーが、ゲーテの誕生日に思い切って手紙を送ったこと、との考察があります。その内容がゲーテの胸を打ち、千通を超える書簡が交わされることになったとされています。
 「友情というものは、誠実で大胆なものです」(北通文訳)――シラーの戯曲『ドン・カルロス』に、そんな一節があります。真心で接し、しかし、おもねることなく、確信を持って信念を語る。そこから友情が花開くのです。  

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2015年05月26日

庶民の中に「英雄」を見たのです

 明治から昭和にかけて活躍した、反骨の言論人・長谷川如是閑にかかると、秀吉もただの“猿面”となり、家康で思い出すのは「権現様は逃げるが勝ち」の一句だけ、となります。
 「アンチ・ヒロイズム断片」(『長谷川如是閑評論集』所収、岩波文庫)という文の中で、少年時代の自分にとって、英雄とは教科書等に出てくる豪傑ではなく、「煮たて隠元の爺さん」と呼ばれた煮豆売りだった、と書いています。
 じいさんは「煮たてーいんげん」と声を張り上げ、走る。正確に、同じ時刻に同じ場所を通る。煮豆はいつも湯気が立つほど熱く、絶妙な味。この煮豆づくりに、じいさんは研究を重ね、老境に達して納得の味を得たのです。
 如是閑は、懸命に、しかし誇りをもって生きる庶民の中に「英雄」を見たのです。  

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2015年05月25日

先駆けて量産

 続々と新車種が誕生するハイブリッド車。それを世界に先駆けて量産したのは日本のトヨタです。出発点は燃費向上率を何倍にするか。技術者は改善策を積み上げ、「1・5倍」と数字をはじく。しかし経営陣は”21世紀の課題に応えるには、2倍でなければだめだ”と。「無理です」「そうなったらこのプロジェクトは解散だ」「そこまでおっしゃるんでしたらやりましょう」(『ハイブリッドカーの時代』碇義朗著、光人社)
 トヨタのお家芸の「カイゼン(改善)」を超えた、全く新しい車をつくる「革命」への覚悟。これが幾多の難問を克服し、量産化を実現する”エンジン”だったといえます。すると、他社も次々にエコカーを開発。今や「2倍の燃費」の壁は破られ、技術革新が加速しています。
 道を開くことは、人の歩いた道を歩く以上の困難を引き受けることでもあるります。それでも人が挑戦する理由は、挑戦することそのものに「生の充実」があるからでしょう。「利益」への欲求だけで、人を驚かせるような新機軸は生まれないのです。  

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2015年05月24日

基本的に貧乏で、たまに贅沢

 コオロギの研究者の話です。生野菜だけをエサとする“贅沢コオロギ”から、飼料だけをエサとする“貧乏コオロギ”まで、5通りのエサの与え方をする。①常に贅沢②基本的に贅沢で、たまに貧乏③贅沢と貧乏が半々④基本的に貧乏で、たまに贅沢⑤常に貧乏――このうち、一番生命力が強いのはどれか。答えは④。飼育箱のふたを開けた途端、部屋中を跳びはねるほどだそうです。  

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2015年05月23日

「開」の字

 夏が近づくと、よく目にする漢字があります。山開き、海開き、川開き、プール開き……。「開」という文字は、事の始まりを表します。
 「開」の字は、「閂」のかかった門を、両手を添えて開く様からきているそうです。固く閉ざした心が、人の支えや励ましによって開かれ、幸福へと進み始める――人生にも、そういうことがあります。  

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2015年05月22日

家庭教育学総論

 成績が悪い。注意力も散漫。あの子はダメだ――ある小学生に、学校の担任がさじを投げた。“では、私に任せてください”と、20代の若き教育者が申し出ました。
 彼は先入観を捨て、児童とじっくり語り合いました。すると、実は記憶力に優れた子だと分かったそうです。成績悪化は、転校を繰り返す中で学習内容に空白ができたのが原因だったのです。「救い得る」と確信した青年は、毎晩2時間の個人教授を。やがて、児童は優等生になりました。
 この青年教育者は、若き日の創価学会・戸田城聖第2代会長です。この体験は、戸田会長が29歳で著した『家庭教育学総論』に綴られています。  

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2015年05月21日

感性のきらめき

 小学校の参観日の話です。低学年の理科の授業で、花の写真を見て感じたことを発表していました。ある児童が発言した。「大切なものを両手で包むように花びらたちは並びました。そして、浴びた太陽の光を真ん中に集めるように、まあるく膨らんで咲きました」と。
 理科の解答としてはピントがずれている。だが、そういう理屈を超えた感性のきらめきに、親たちのどよめきが起きたそうです。大人はすり減らしてしまった、純粋でいちずな子どもたちの心。そこに秘めた力は計り知れないエネルギーがあります。  

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2015年05月20日

復興

 精神科医の野田正彰氏が、震災で被災した方々を支える姿勢を、こう語っていました。「ただ疎開させればいい、ただ早く街を復興させていけばいい」ということばかりに気をとられるのではなく、「被災者の気力を中心に考えて、支援や復興を考えていかなければならない」と。
 被災地では、被災者が避難所を移るたびに、地域の人間関係と切り離され、共同体が壊れていく現実があります。それは「被災者の気力」を奪う大きな要因と なるのです。  

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2015年05月19日

できる備え

 学校や職場で経験する防災訓練。大事と知りつつも、〝面倒だな〟という気持ちがどこかにありませんか。
 だが、実際に重大な命の危険にあうと、危険 回避の行動がとれないのが普通といいます。事態を過小評価し、「自分だけは大丈夫」と思い込む。そこにとどまろうとしたり、ふだんよりも緩慢な動きになるそうです。
「9・11」テロ直後の超高層ビルでも、同様の状態が起きたそうです。しかしある会社では、警備責任者が抜き打 ちの避難訓練を頻繁に行い、だらだらと非常階段を下りる社員を叱り飛ばしていた。おかげで、テロにあった社員たちは「魔法をかけたよう」に迅速に避難し、 ほとんどが助かりました(A・リプリー著『生き残る判断 生き残れない行動』岡真知子訳、光文社)
 ここから学べる教訓が二つあります。一つは、心が強いストレス を受ける緊急事態に素早く動くには、日ごろから繰り返し、訓練する以外にないこと。もう一つは、確固とした考えと、それを断行する勇気を持つ人間が一人いれば、多くの人が救われるという事実です。
 できる備えは、「いつか」でなく「今」から、「誰か」でなく「自分」から始めたいものです。  

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2015年05月19日

できる備え

 学校や職場で経験する防災訓練。大事と知りつつも、〝面倒だな〟という気持ちがどこかにありませんか。
 だが、実際に重大な命の危険にあうと、危険 回避の行動がとれないのが普通といいます。事態を過小評価し、「自分だけは大丈夫」と思い込む。そこにとどまろうとしたり、ふだんよりも緩慢な動きになるそうです。
「9・11」テロ直後の超高層ビルでも、同様の状態が起きたそうです。しかしある会社では、警備責任者が抜き打 ちの避難訓練を頻繁に行い、だらだらと非常階段を下りる社員を叱り飛ばしていた。おかげで、テロにあった社員たちは「魔法をかけたよう」に迅速に避難し、 ほとんどが助かりました(A・リプリー著『生き残る判断 生き残れない行動』岡真知子訳、光文社)
 ここから学べる教訓が二つあります。一つは、心が強いストレス を受ける緊急事態に素早く動くには、日ごろから繰り返し、訓練する以外にないこと。もう一つは、確固とした考えと、それを断行する勇気を持つ人間が一人いれば、多くの人が救われるという事実です。
 できる備えは、「いつか」でなく「今」から、「誰か」でなく「自分」から始めたいものです。  

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2015年05月18日

ことばの日

 国際会議などの通訳者である長井鞠子さんが、世界を舞台に活躍した約半世紀を振り返って語っています。「言葉は残る」と(『伝える極意』集英社新書)。耳に聞こえただけではなく、聞く人の〝心〟に届いた言葉だけが、時を超えて生き続けるのですね。 
 語呂合わせから、今日、5月18日は「ことばの日」だそうです。
  

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2015年05月17日

平和の種

 広島の爆心地から2・6㌔の民家で、そのピアノは被爆しました。間近で見ると、ガラス片の突き刺さった傷が至る所に残っている「被爆ピアノ」。修復を手掛けた矢川光則さんは、アメリカや日本の各地で、このピアノでの演奏会を開催し、「平和の種」をまき続けています。
 矢川さんは被爆2世。原爆の恐怖を特に意識しない人生でしたが、2005年に「被爆ピアノ」に出あい、平和の尊さを伝える活動を始めました。矢川さんには、三つの「人生のテーマ」があるという。①自分の夢を簡単に諦めない②きょうできることから始める③自分を信じて頑張ってみる。
 ピアノの演奏は、小さな行動かもしれない。だが、演奏会を続けることで、矢川さんは確かな手応えを感じると語っています。「〝平和の種〟をまく、自らの使命を果たし続けていきたい」と。  

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2015年05月16日

ジグソーパズル

 大相撲夏場所の熱戦が続いています。外国人勢の台頭が目覚ましい角界で、日本人力士の奮戦にも期待が集まります。元琴風の尾車親方は現役時代、2度の大けがを乗り越え、ついに大関を張った。引退後、転倒事故で一時、全身まひに。この時も、必死のリハビリで、奇跡の復活を果たした。その親方が、実感をつづっている。「『人生』というのは、とてつもなく大きな『ジグソーパズル』のようなもの」(『人生8勝7敗 最後に勝てばよい』潮出版社)
 ジグソーパズルは、さまざまな形のピースを、悩み悩み、はめ込み、絵柄を完成させていく。その過程は人生に似ています。目標や夢という〝絵柄〟を決め、行動を起こせば、苦労や挫折は付きもの。だが、決して失敗ではない。全てが〝絵柄〟を完成させるための、欠かせない〝ピース〟なのです。  

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2015年05月15日

本の輝き

 日本の公共図書館発祥の地は、宮城県の仙 台だといわれています。仙台藩出身の青柳文蔵が、若いころから収集した蔵書約1万冊と、運営資金1000両を同藩に献上し、「青柳文庫」が創設されたことがルーツです。
 創価学会の池田名誉会長は、若き日より、わが子のように大切にしてきた書籍7万冊を、創価 大学に寄贈しました。その膨大な蔵書は、関係者の強い要望で「池田文庫」と命名され、同大の図書館に設置されています。中には、戦中、防空壕に入れ、空襲から守った 本があります。さらに、恩師の個人教授「戸田大学」でのテキストとなった経済学、法学などの学術書も・・・・活字の力を信じる人にとって、本はただの紙ではありません。師ともなり、友ともなるのです。すなわち「いのち」そのものなのです。
 古来、西洋では、図書館を〝魂の治療所〟と呼びました。人との出会いが人生を変えるように、良書にも人生 を変える力があります。その両方を味方にすれば、より深い人生を生きられます。革、紙、そして電子書籍の時代へ――媒体は変わっても、本の輝きが色あせることはないのです。  

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2015年05月14日

5月の人々

 「5月の人々」――アルゼンチンでは革命の先駆者たちを讃え、こう呼びます。これは1810年5月。現在の首都であるブエノスアイレス市で民衆が立ち上がり、植民地支配の圧政から自治を宣言しました。国旗の中央に描かれる「5月の太陽」は、この時の勝利の輝きを表しています。
 同じ時期、スペインの画家ゴヤは「マドリッド、1808年5月3日」という傑作を完成させました。その日、侵略軍と戦った民衆の姿を描いたものです。突きつけられた銃剣に一歩も引かず、両腕を大きく広げた無名の男からは“私は何も恐れない”との魂が伝わってきます。  

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2015年05月13日

対話の訓練

 古代ローマでは、12歳から始まる中等教育で「対話の訓練」を重視したという。これは、自分とは違う意見があることを知ることで、異なる考えを持つ人に対しても説得する話し方を身につけることができるからだ。作家の塩野七生さんが『ローマ人の物語』で紹介しています。
 「自分と同じだから」大事にするのではなく、「違っているから」尊重する。それぞれの個性や、求める幸せの在り方を、ありのままに認めることが、生きやすい社会への第一歩であろう。  

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