2015年05月25日

先駆けて量産

 続々と新車種が誕生するハイブリッド車。それを世界に先駆けて量産したのは日本のトヨタです。出発点は燃費向上率を何倍にするか。技術者は改善策を積み上げ、「1・5倍」と数字をはじく。しかし経営陣は”21世紀の課題に応えるには、2倍でなければだめだ”と。「無理です」「そうなったらこのプロジェクトは解散だ」「そこまでおっしゃるんでしたらやりましょう」(『ハイブリッドカーの時代』碇義朗著、光人社)
 トヨタのお家芸の「カイゼン(改善)」を超えた、全く新しい車をつくる「革命」への覚悟。これが幾多の難問を克服し、量産化を実現する”エンジン”だったといえます。すると、他社も次々にエコカーを開発。今や「2倍の燃費」の壁は破られ、技術革新が加速しています。
 道を開くことは、人の歩いた道を歩く以上の困難を引き受けることでもあるります。それでも人が挑戦する理由は、挑戦することそのものに「生の充実」があるからでしょう。「利益」への欲求だけで、人を驚かせるような新機軸は生まれないのです。

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