2015年05月28日

コップの水

 同じ現実を見ても、悲観主義者には、挑戦から退く口実となり、楽観主義者には、挑戦の動機付けとなります。“コップの水”は、その例えとして用いられます。
 絵本にも、コップにまつわる似た話があります。『ちょっとだけ』(福音館書店)という絵本の主人公は、小さな女の子。ママは赤ん坊の世話で忙しく、彼女は何でも一人でします。パジャマに着替えたり、髪の毛を結んだり。いろいろやってみて、ちょっとだけうまくいく。そんな彼女が牛乳をこぼしながら、ちょっとだけコップに注ぐことができました。
 3歳の男の子がこの話を聞いて「うわぁすごいね」と喜びました。母親ははっとした。“私なら息子を怒っていたかもしれない。コップに入れられた牛乳には目を止めずに”(柳田邦男著『生きる力、絵本の力』岩波書店)

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