2012年11月30日

オバアは喜劇の女王

 沖縄芝居の著名な役者・仲田幸子氏を取り上げたドキュメンタリー映画「オバアは喜劇の女王」があります。これは沖縄戦を生き抜き、貧乏のどん底から這い上がった彼女の舞台人生を追った作品です。
 戦後、「笑い」で沖縄の人々の心に希望を与え続け、この道60年を超える彼女ですが、笑いの陰で、激しい苦悩と戦っていた時期があります。相棒だった役者が他界するなどの暗い出来事に、生きることの辛さ、苦しさを味わった。ラジオの生放送を”ドタキャン”したエピソードも明かされています。そんな中、舞台一筋の彼女を支えた言葉があります。それは「サチコーの芝居を見るためには長生きしないといけない」と語ってくれた90代の老婦人の声でした。”おばあちゃんたちのためにも芝居を頑張ろう”と思えた。そして、79歳になった今も、舞台に立ち「笑い」を届け続けています。


仲田幸子 http://www.youtube.com/watch?v=F4U-R0zbjOI  

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2012年11月29日

外国映画の字幕

 日本の映画館では、外国映画は吹き替えよりも字幕のほうが一般的です。スクリーンの右や下に出てくる字幕の文字は、独特な字形をしています。デジタル時代の今でも往時と変わらないのは、手書き時代の書体が写植として登録されているからだそうです。人間的な手の温もりが今も息づいているのです。まさに文化継承の妙です。
 ところで、人が文字を読むスピードには限界があります。限られた字数で、いかに訳すか、翻訳者の腕の見せ所です。字幕翻訳の第一人者は、日本の字幕文化について、日本の識字率の高さとともに、「本物志向が強いこと」を理由に挙げています(戸田奈津子著『字幕の花園』集英社文庫)。私たちは映画館で、その国の言葉を耳で聞きながら、活字を目で追い、声と映像の両方から“本場の雰囲気”を味わうことができるのです。  

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2012年11月28日

ジャガイモ

 フランス料理で「パルマンティエ風」といえば、ジャガイモ添えの意です。さらに「パルマンティエ」は、18~19世紀に活躍した農学者の名前です。彼は、いささかユニークな方法で、フランスにジャガイモを普及させました。
 その方法とは、イモを植えた土地を、わざと柵で囲い、昼間はものものしい警備の兵に守らせました。そして、夜間は警備の手を抜いたのです。“うまいものにちがいない”と思った人々が自由に“持ち去る”ことができるように……。こうして、実際に食べた人から、その評判が広がっていきました(伊藤章治著『ジャガイモの世界史』中公新書)
 ジャガイモは、見た目の悪さから奇病の原因と噂されたりした。そんな偏見や迷信を打ち破り、世界各地に広まった原動力は、食べた人の実体験と、飢饉や戦争の際に民衆を飢えから救った“事実”にほかありません。  

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2012年11月27日

前例がない

 京都市内を流れる高瀬川沿いに、建築家の安藤忠雄氏が手掛けた商業施設があります。当初、川に背を向けて建物が並んでいる風景は、川が邪魔物扱いされているように映りました。“京都の街は水とのかかわりが深い。それを象徴する建物に”。氏のアイデアは、川の護岸を切り崩し、水面に手が届く高さに施設の最下層を造ることでした。
 行政側は「建築のために護岸を切り崩した前例はない」と否定しました。しかし安藤忠雄氏は、過去のデータをもとに水量を予測するなど説明を繰り返し、最終的には安全面でも太鼓判を押され、護岸の切り崩しが許可されました。完成から数年後、隣接する敷地には同じ考え方で増築も許可された(『建築家 安藤忠雄』)
 「前例がないから」。それを理由にあきらめるか。あるいは、知恵を振り絞り、解決への糸口を探し出すか。情熱の真価が、そのときにこそ問われます。  

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2012年11月26日

恩送り

 「情けは人の為ならず」との言葉があります。”情けをかけても、結局、相手のためにならない”という解釈は、もちろん間違いです。本来は”人のために尽くせば、巡り巡って自分によい報いがある”との意味なのです。
 今では死語になっていますが、日本には「恩送り」という言葉がかつてありました。これは、受けた恩を、さらに別の人に送る。そうして”恩の連鎖”を広げ、温かい社会をつくろうという考え方です。恩を受けた人に報いるのは人の道。加えて、励まされた人が、人を励ませる人に成長することが、真の「報恩の道」でしょう。  

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2012年11月25日

 ためになる話が聞けて、時間通りに終わる――この二つがそろえば、「いい会合だった」と思えるもの、せっかくの“いい話”も、冗長になっては感動も半減してしまいます。
 大勢の人を相手に話す時は、時計を気にするべきでしょう。しかし、一対一で対話する時は話が別です。たとえ次の予定があるとしても、時計を見れば、「心ここにあらず」と相手は思ってしまうことでしょう。
 IPPNW(核戦争防止国際医師会議)の創設者で、心臓専門医であるB・ラウン博士には、患者と向き合う時に心がけてきたことがあるという。それは「時計を見ない」「電話をとらない」、そして「相手の話を途中でさえぎらない」。会っている時は、全身全霊で聴くという姿勢です。  

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2012年11月24日

みんなのため

 「昔な、秋田の国に、八郎って山男が住んでいたっけもの」――斎藤隆介・作の「八郎」の冒頭部分です。
 心優しい山男・八郎は、家一軒ほどの大男です。ある日、浜で幼い男の子が泣いていました。男の子は八郎に訴えました「海が荒れて村の田んぼが潮水をかぶってしまう」と。そう聞くと、八郎は山を動かし波をせき止めました。しかし、海は一段と荒れ狂い、田んぼに押し寄せてきました。ついに、八郎は体を張って、自ら海へ。波を押し返しながら叫びました。「分かったァ! おらがなして今までおっきくおっきくなりたかったか!」「こうしてみんなのためになりたかったなだ」と。  

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2012年11月23日

100歳の少年と12通の手紙

 映画「100歳の少年と12通の手紙」に、こんな言葉があります。余命いくばくもないと宣告を受けた少年が、ピザ店の女主人に励まされ、1日を10年と考えて過ごすこと、そして毎日、手紙を書くことを約束します。「100歳」の日の手紙に、少年は綴りました。“10歳や20歳のときには、どんな人でも人生を楽しめるけれど、100歳になったら頭をつかわなくちゃならない”と。
 しゃれた言い回しですが、確かに、人間は年齢や境遇がどうあれ、自分自身で希望をつくり出し、充実の生を生きる能力を持っています。

映画「100歳の少年と12通の手紙」http://100-12.com/  

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2012年11月22日

普通の若者たち

 吉田松陰は、体当たりで青年を触発する人でありました。松陰が開いた松下村塾では、塾生たちに「教授は能はざるも、君らと共に講究せん」と語り、長机の中に分け入って談論。ある時は食事を共にし、外に出て一緒に運動することもあったそうです。
 講義の内容も自由自在。全国を歩いた冒険譚、海外渡航に挑んだ武勇伝……。彼が語る赤裸々な体験に、皆が魅了されました。塾生の大半は、選りすぐりの秀才ではなく、近所に住む普通の若者たち。それが急速度に成長したのは、松陰が理屈で「教化」したからではない。自らの姿で「感化」したからであった(一坂太郎著『時代を拓いた師弟』第三文明社)  

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2012年11月21日

一歩一歩からたたき上げる

 「フジヤマのトビウオ」と呼ばれた古橋廣之進氏の言葉です。日本水泳界では平泳ぎやバタフライ、背泳ぎなど特殊種目は強いが、ひたすら速さを競う自由形は弱いと語っていました。特に、100と200メートルで競う特殊種目と比べ、自由形は50から1500メートルまであり、「距離が長くなればなるほどとにかくガンガン泳いで、とことんやらないとダメなんです」と強調していました。
 氏は選手時代、1日に3万メートル泳いだそうです。あの戦後の食糧難の時代にです。しかし劣悪な環境であったが、とことんやる精神が世界を席巻しました。
 鉄鋼王のカーネギーは言っています。「地位を向上したければ、じっと手をこまねいていないで、いっそうの努力に励むことだ。これは苦しいし、へとへとに働かねばならないが、長い目で見れば、必ず得る所がある」(『カーネギー名言集』神島康訳)と。
 カーネギーは若いころ電報の配達人をしていました。毎朝、だれよりも早く出勤。町名を全部暗記し、町の人の名前を必死に覚えたそうです。そういう一歩一歩からたたき上げた人物でありました。そして後に鉄鋼王となったのです。  

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2012年11月20日

トルストイ

 きょう11月20日は、ロシアの文豪トルストイの没後102年にあたります。今でこそ「文豪」として尊敬を集める彼ですが、晩年は、厳しい誹謗・中傷を受けていました。それというのは、彼の平和主義や博愛主義は、正しすぎるがゆえに、当時の専制政治や宗教権力にとって「危険物」「一大害物」とされ、彼自身も「国賊視」されていたからです。
 しかしトルストイは微動だにしませんでした。「悪口を言われたり、侮辱されたりしたら、喜ぶがよい。褒められたり、持ち上げられたりしたら、心配せよ」と(小沼文彦訳)喝破しています。  

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2012年11月19日

東日本国際大学の石井英朗学長の話

 福島県いわき市にある東日本国際大学の石井英朗学長の話です。昨年の3月12日、同大学から直線距離で30キロ余にある福島第1原発で爆発事故が起きました。約130人の留学生は異国で遭遇した大惨事に動揺しました。無理もありません。彼らの不安を取り除きたいと、学長は避難先の確保に奔走しました。だが、文化や生活習慣の違う外国人を一手に受け入れてくれるところは中々見つかりませんでした。
 しかし、学長の苦悩を知った創価大学が即座に受け入れを表明。14日早朝、福島県を出発したバスは14時間をかけ東京・八王子にある創価大学に到着しました。そこで待っていたのは、不安と疲労に打ちひしがれた彼らを、教職員らが総出で迎えたのです。その後、創価大学から母国で無事を祈る家族に連絡できるよう国際電話が提供されました。1本の電話が、海の向こうの家族をどれほど安心させたことでしょう。
 「英知を磨くは何のため 君よ それを忘るるな」とは、創価大学のブロンズ像に刻まれる創立者の文です。「何のため」――その答えは、ただ「民衆の幸福のため」です。人の痛みに同苦し、どうすれば、目の前の悩める人に手を差し伸べられるか。常に考え、心を砕き、行動で表す。これが、82年前の源流から流れ通う「創価の心」なのです。  

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2012年11月18日

やってみなはれ

 世界初の「青いバラ」が発売されています。バラには元来、青い色素を作る能力がありません。英語で「青いバラ」は「あり得ないもの」を意味し、“不可能の代名詞”とされてきました。しかし、長年研究を重ねたサントリーが、パンジーの遺伝子を組み込むことで開発に成功したのです。
 「やってみなはれ。やってみな、わかりまへんやろ」。これがサントリー創業者の口癖だったそうです。同社の鳥井信吾・代表取締役副社長は、この言葉について「まず、やってみる。やってみれば、初めて分かることがあるはず」「分かったことを経験にして、次のステップに進んで行く、ということ」と解説しています(『トップが語る現代経営』創価大学出版会)
 失敗を恐れず「挑戦の一歩」を踏み出す勇気。成功も挫折も糧に、次なる「前進の一歩」を重ねる勇気。この“やってみなはれ”精神が世界初の「青いバラ」発売の夢を花開かせました。

青いバラ http://www.suntory.co.jp/company/research/hightech/blue-rose/index.html  

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2012年11月17日

感受性や観察力

 初雪の便りが各地から続々と届く頃です。粉雪、泡雪、牡丹雪……雪にもいろいろありますが、その分け方は国や民族等で異なっています。例えば、北極海沿岸に住むイヌイットの雪の分け方は100種類ともいわれています。雪の世界に暮らす彼らは、その質などを詳細に見分けて伝え合っているのでしょう。
 
 音程には何種類あるのでしょうか? ピアノの鍵盤の数は88ですが、米イリノイ大学の実験によると、人が耳で明瞭に区別できる音の数は約1380もあったそうです。

 雪にしても音にしても、人間は物や事象の種類・区別を、それに対する感受性や観察力が強いほど、差異が細かく認識されるという(西村佳哲著『自分の仕事をつくる』ちくま文庫)  

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2012年11月16日

日記

 多忙な日々に追われるうち、「それなりに頑張っている」と思い込み、気づかぬうちに惰性に流されてしまうのが、凡夫の常です。それを打破するためには、工夫がいります。日記を書くことを習慣にすることは、その一つの有効な手段でしょう。
 日記を残した古今東西の偉人は多く見られます。大文豪トルストイも、その一人です。約100年前の日記には、こう書かれています。「現在を大切に生きれば、それだけ、永遠の人生、不動の人生を生きることができる」と。日記を通して、来し方を振り返り、現状を確認するのもよいものです。  

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2012年11月15日

厳しい年齢制限

 7年前、35歳で会社員の将棋アマチュア・瀬川晶司氏が、異例のプロ編入試験六番勝負で3勝をあげ、見事に夢を実現しました。
 プロになるには26歳まで、と厳しい年齢制限がある将棋界です。その重い扉を開いたカギは何であったか。それは夢をあきらめず27歳以降も努力を重ねた〝執念″と、プロとの公式戦で勝率7割以上を記録した〝実力″ではなかったでしょうか。
 61年ぶりのプロ編入試験が決まった時、彼は言い切ったそうです。「チャンスを生かせるかどうかは自分次第」と。現状に満足し、ささやかな幸福感で事足れりとする傾向が強い中にあって〝夢″をしっかり持ち、〝自分″に挑み続ける姿は、異例のプロ合格というニュースとともに心に残ります。

将棋・瀬川晶司 http://www.jinzai-bank.net/careerlab/info.cfm/tm/099/  

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2012年11月14日

大衆小説

 文豪・吉川英治は“大衆小説は、民衆の血液の中に入って、生きていくものでなければならない”を信念としました。だからこそ、書くにあたって「民衆の中に何が一番欠けているか」を常に考えていました。
 例えば『宮本武蔵』には二つのテーマがありました。それは「信念」と「希望」です。吉川英治は当時の社会を鑑み、そうした力が希薄になっていると感じたからです。一人一人の「信念」「希望」が目覚めることを願い筆を進めたと述懐しています(『草思堂随筆』)  

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2012年11月13日

2グラムで十分

 毎日の食生活は、私たちの健康に大きくかかわります。先進国では、がんの発生原因の30%は食べ物との調査発表があります(世界保健機関の調査)。この30%は喫煙に次いで多い数字です。心臓病や脳卒中、肥満。糖尿病なども、カロリーや脂肪、糖分、塩分の取り過ぎが大きな原因とされています。
 実際、どれくらい取りすぎなのか。塩分を例に挙げれば、日本人の摂取量は平均約12グラムとなっています。生命を維持するだけなら2グラムで十分。ただ、食を楽しむことも考慮し、政府目標は男性10グラム・女性8グラム未満となっているそうです。これなら、食塩のかわりにレモンで味付けしたり、めん類は汁を残すなど、ちょっとした工夫でクリアできる目標です。  

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2012年11月12日

相手の状況

 釈尊の弟子・舎利弗の失敗話です。ある時、鍛冶屋と洗濯屋が舎利弗に法を求めに来ました。本来なら、金属を連打する鍛冶屋には呼吸を整える修行を、清潔さを求める洗濯屋には命を清める修行を教えるべきでした。しかし、舎利弗は誤って、両者に逆の修行法を授けてしいました。二人は修行に励んでも手応えを得られず、仏法に不信を抱いてしまいました。
 舎利弗の過ちの原因は、二人の仕事の内容をしっかり聞いていなかった点にありました。多くの修行法に精通した舎利弗でも、相手の状況を踏まえなければ、的確な指導はできないのです。  

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2012年11月11日

時を超えた共感

 松尾芭蕉が奥州(東北)などを巡って著した『奥の細道』。この旅から今年で323年になります。旅を終えた芭蕉が晩年、唱導した作風は、「重み」に対して「軽み」と呼ばれるものだったそうです。
 出光美術館学芸員の別府節子氏は紹介しています。当時の江戸では、俳句の師に点付けを請い、その点数で勝敗を競う“点取り俳諧”が横行しました。その為に奇抜な言葉、作為的な趣向、観念的な表現……。芭蕉は、こうした句作を嫌い、日常生活の中に素材を探し、「平明な表現の中に高い境地を表す」作風を追究しました。
 目線を、どこに置くのか。限られた人にのみ通用する表現では、時を超えた共感は得られません。  

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