2012年11月03日

“機械の人間化”“人間の機械化”

 将棋の対局でコンピューターがプロ棋士を破ったり、上手に歌って踊る女性型ロボットが披露されたりと、“機械の人間化”が話題になっています。これは技術の進歩が、機械と人間の垣根を一段と低くしている事例です。
 とはいえ、機械に豊かな感情は持てません。「人間の心を持った機械」は、当分できそうにない事でしょう。しかし私たちは時に「機械のような心の人間」になっていないでしょうか?
 フランス文学者の渡辺一夫氏はこう指摘しています。社会の約束ごとや習慣は守った方が、無駄な労力を免れる。しかし、それらを金科玉条にして固執すると、人間は機械になってしまうと。「徳目や法律に捕われすぎますと、『善玉の鬼』や『法律の鬼』になり、人間に対して、冷酷になります」(『文学に興味を持つ若い友人へ』彌生書房)  

Posted by mc1460 at 11:13Comments(0)TrackBack(0)つぶやき