2018年08月16日

愛する家族を大切にする

 少年は、指で種子に触れると、たちどころに花を咲かせてしまうという不思議な力を持っていました。「花って、さいなんがおこるのをふせぐんだよ」と少年は言っていますが、父は兵器工場を営んでいたのです。
 そこで少年は、完成した武器に種を忍ばせ、つるを絡み付かせて使い物にならないようにしました。少年は花で戦争を止めました。その時、父は気付いたのです。“わが子を愛しつつ、孤児を生み出す大砲を作るのは矛盾している”と。父は花を育てる事業に転換し、街を潤したのです(モーリス・ドリュオン著、安東次男訳『みどりのゆび』岩波少年文庫)
 愛する家族を大切にするという気持ちと、他人の犠牲や不幸の上に自分の幸福を築かないという信念が融合するとき、平和の礎は強固となります。童話は優しい言葉遣いですが、深い哲学を訴えているのです。
  

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2018年08月15日

感謝の人に

 仏教説話を一つ。ある日、サッピという王が“変装”して城下へ。途中、靴直しの老人に質問しました。「世の中で一番楽なのは誰だろう」。老人は答えました。「王様ですよ。皆、言うことを聞くし、国民は何でも献上する。こんな楽な商売はない」と。
 王は一計を案じました。老人を酒に酔わせ、眠っている間に宮中へ運び、「この者を王とせよ」と。目覚めた老人は、立派なベッドや服に驚嘆。「役人がお待ちしています」と、言われるがまま玉座へ。無数の政務が押し寄せるが、さっぱり分からない。疲労で美食も喉を通らず、日に日に痩せ衰える。再び酒を飲まされ、城下に戻った老人。「王様になった夢を見たけど、すっかりまいった」と語りました。
 人の苦労は表面だけでは分からないにもかかわらず、恵まれた境遇の人を見ると、つい「うらやむ」感情が湧いてしまいます。だが、「うら」(心の意)が「病む」との語源通り、実はあまり健全なものではないのです。
 うらやむ心が出るのは、自身の中の「感謝」が薄れている時でもあります。感謝の人に愚痴や不満はありません。周囲への感謝を忘れず、自身の使命に生き抜いていきたいものです。
  

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2018年08月14日

生徒のための行動

 フランスの中等教育機関の教師だったジュール・ラニョーは、人生を教育にささげました。その授業は知識を与えるだけでなく、思索することを重視。生徒のための行動を惜しまなかった彼を、多くの若者が慕った。その一人が哲学者アランです。
 病弱だったラニョーは、42歳の若さで生涯を閉じます。彼の「忠実な弟子」と公言していたアランは、ラニョーの講義草稿を出版し、師を高らかに宣揚しました。作家アンドレ・モーロワは「アランはつねに偉大だが、師ラニョーについて語るとき、かれはつねにもまして偉大である」(佐貫健訳)と言っています。
  

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2018年08月13日

現代における希望

 被爆を経験していない人が、被爆者に代わり、その体験を語る。こうした「伝承者」と呼ばれる人々の活動が広島市で始まっています。
 被爆者の高齢化を受け、同市が2012年から養成事業を開始。3年間の研修で、被爆者と面談を繰り返し、半生を聞き取って原稿にする。被爆当時の経験を追体験する実地研修も行う。この事業には、20代の青年も参加しているそうです。
 悲惨な体験と向き合えば向き合うほど、“体験していない自分には、語る資格がないのでは”とためらう人もいます。しかし、その葛藤を越え、“それでも語らねば”と、被爆者の苦悩や願いに肉薄し、あえて語ることを選ぶ。そんな若者が増えていることは、“風化”が進む現代における希望でしょう。  

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2018年08月12日

青春の原点

 モンゴメリの名作『赤毛のアン』を初めて邦訳した村岡花子の生涯は、ドラマ化され、よく知られるようになりました。戦時中の厳しい言論統制、最愛の息子の死……。幾つもの苦難を乗り越え、終生、翻訳家として人々に元気を送り続けました。
 その胸には“青春の原点”がありました。女学校を卒業する時、恩師から送られた送別の言葉です。「今から何十年後かに、あなたがたが学校生活を思い出して、あの時代が一番幸せだった、一番楽しかった、と心底から感じるなら、私はこの学校の教育が失敗だったと言わなければなりません」(村岡恵理著『アンのゆりかご』)
 「一番幸せ」だったのなら、普通は「教育の成功」と考えたくなるところですね。どこまでも未来を見つめ、成長し続けてほしい、との恩師の慈愛の発露だったのだろうか。  

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2018年08月11日

山というのは幸せだ

 今も胸に残る言葉があります。「視界に入るものの中で一番高くそびえるのが、高層ビルではなく、山というのは幸せだ。山は人を謙虚にさせる」。山は言葉を発することはないが、見る人に何かを語り掛け、心を満たしてくれますね。
 石川啄木は詠んでいます。「ふるさとの山に向ひて/言ふことなし/ふるさとの山はありがたきかな」。郷里の岩手山を仰ぐ啄木の心には、畏敬や感謝とともに、その威容のように自己を築き上げる決意が込み上げたのではないでしょうか。
  

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2018年08月10日

花火

 『こども歳時記 母と子で読むにっぽんの四季』(第三文明社)。ここには折々の風物詩をテーマに、安井康二さんの愛らしい童画と、橋出たよりさんによる、子ども目線のエッセーが光る。「花火たいかい」では、「わくわくするのに/なんだかちょっとさびしいきもち」と、子どもの繊細な心がつづられます。
 童心のままに生き、絵を描いた画家・山下清の代表作の一つに、貼り絵「長岡の花火」があります。七つの大小の花火を見上げる群衆が、精緻に表現された傑作です。新潟・長岡の花火大会は、140年前にその起源があるそうですが、戦後は、戦争被害者の慰霊、恒久平和の思いを込めて打ち上げられてきました。そして2005年以来、中越地震からの復興を願う「フェニックス」(不死鳥)と名づけられた花火が、夜空を彩るようになっています。
 花火が好きだった山下画伯は言っています。「世界中の爆弾を花火に変えて打ち上げたら、世界から戦争が無くなるのにな」(映画「この空の花―長岡花火物語」)
 この夏、親子で花火を楽しむ機会があれば、平和への思いを一夜の大輪に寄せて、子どもの素直な心に語ってみてはどうでしょう。  

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2018年08月09日

ナガサキ、ヒロシマ

 ナガサキ、ヒロシマには、同じ名称の建物があります。「国立原爆死没者追悼平和祈念館」――ここでは亡くなった被爆者の名前・遺影を登録し、追悼しています。
 昨年3月、漫画家・中沢啓治氏が追加登録されました。彼は小学1年の時、学校付近で被爆。父やきょうだいを失ったのです。後年、自らの半生を基に『はだしのゲン』を描きました。
 炎が燃え広がる市街、ウジのわいた死体。言葉には言い表せない惨状でした。世間からは“残酷だ”などと批判が相次いだが、あえて描いたのです。「私たちのような体験をする世の中にしないでくれと願っている」(『「ヒロシマ」の空白 中沢家始末記』日本図書センター)。原爆への憤怒と平和への渇望を胸にペンを走らせたのです。  

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2018年08月08日

食生活

 冷たいものを飲み過ぎたり、出先でつい食べ過ぎたりと、食生活が乱れがちな時期ですね。世間ではグルメ番組の影響などもあり“あの店がいい”“これがおいしい”といった話題にも事欠きません。
 料理研究家の土井善晴さんは、最近は「食べる人」が主役になったと語っています。食べるだけの人は、おなかがすくと機嫌が悪くなる。“デパ地下”に行けば、つい食べきれないほど買い込んでしまう。健康面を考えると、「食べる人」ではなく「作る人」こそ主役になる必要があると指摘しています。
 料理を「作る人」は、たとえ1人暮らしでも、台所に立てば肉ばかりでなく、自然と野菜も加えようとするものです。料理を作る行為には、栄養バランスまで正しく「調整する機能」が本来的に含まれています。日頃の食事で「作る」を基本にすることが、自身や家族の幸せにもつながると、強調しています。  

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2018年08月07日

ワンオペ育児

 「ワンオペ育児」という言葉が広まりつつあるそうです。ワンオペとは、飲食店などで従業員が一人で全業務を行うこと(ワンオペレーション)。この過酷な労働と同じように、核家族では、一人で育児を行う若い母親が増えています。
 「夫の仕事が忙しくて頼れない」「たまに家にいても、非協力的」などの悩みを抱える人も少なくない。「疲れがたまり、追い詰められ、つい子どもに強くあたってしまい、さらに落ち込む」という人もあるそうです。共働きだと、状況はより過酷になるのは深刻ですね。  

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2018年08月06日

73年前の今日、午前8時15分

 73年前の今日。午前8時15分、一発の原子爆弾がさく裂しました。3000度以上の熱線に肌は焼かれ、爆風で飛ばされたガラスの破片が体に刺さる。今も続く放射線障害。被爆者の“心の傷”は癒えません。
 15歳で被爆した日本画の巨匠・平山郁夫氏。後年も、8月6日が近づくとうなされたという。被爆から34年後、「平和記念式典」で心に浮かんだ情景を描きました。171センチ×364センチを赤い炎で埋め尽くした「広島生変図」。一枚の原爆絵は「広島は生きているんだぞと主張している」(『平和への祈り』毎日新聞社)と。  

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2018年08月05日

アウトプットする能力

 哲学者の萱野稔人氏は「知性の本質は、言葉をアウトプット(出力)することにある」と語っています。高校までの勉強は正確なインプット(入力)の能力が試されるが、大学や社会で求められる知性とは、アウトプットする能力。言葉を使って表現することで、自分の考えが明確になったり、物事を十分に理解していないことが分かったりする、と(木村俊介著『「調べる」論』NHK出版)
 自分の考えを言葉にするには、時に勇気が必要かもしれない。だが、そこに“新しい自分”との出会いや視野の広がりもあるのですね。  

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2018年08月04日

あなたは今、どこから来たの?

 東京・葛飾区の柴又が舞台の映画「男はつらいよ」。主人公「寅さん」の妹さくら役を演じた倍賞千恵子さんが、撮影中の出来事を振り返っています(『倍賞千恵子の現場』PHP新書)
 手前に寅さんとさくらのアップを捉え、背景に通行人が通り過ぎる場面。芝居が始まった途端、山田洋次監督がダメ出しをしました。そして、通行人役のもとに駆け寄り、問い掛けた。「あなたは今、どこから来たの? どこに帰る人なの?」と。
 子どもが待っているから帰宅を急ぐ。夕焼けに見とれつつ、ゆっくり歩く――。おのずと歩き方一つにも違いが出るはず、と。全ての役に、みずみずしい命を吹き込もうとした監督の姿勢が、国民に長く愛される人情喜劇を生んだのでしょう。
  

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2018年08月03日

ながら食事

 「いただきます」「ごちそうさまでした」――小学生の頃、給食の時間に皆で声をそろえたことが懐かしいですね。しかし独りの食事だと、何となく食べ始め、食事中もテレビや携帯電話を見ながら……ということが、つい多くなってしまいます。
 食の総合コンサルタントの小倉朋子さんは、この“ながら食事”に警鐘を鳴らしています。「なんとなく食べていると、お腹はいっぱいになっているのに、なぜか気持ちは『まだ食べたい』のです。お腹が満足しても心が『つまらない』のですね」と。
 満足な食事をするコツとして、小倉さんは「食べ始め」「食べ終わり」のあいさつを勧めています。自分でオン・オフのリズムをつくれば、心も食事に向き合うことができ、満足感も生まれやすいという(『私が最近弱っているのは毎日「なんとなく」食べているからかもしれない』文響社)納得!!  

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2018年08月02日

一通の手紙

 核兵器の歴史は〝一通の手紙〟から始まったといえると指摘されています。アインシュタインが署名し、米国大統領に原爆開発計画の推進を求めた、1939年8月2日付の書簡です。ナチスの脅威下での決断とはいえ、彼は後日、署名したことは「大きな誤り」と認めています。
 被爆体験は「どうしても言葉にならない」という。記録映画の中で、被爆者が言っています。あの地獄の苦しみは「体験したもんしか分からんですよ」と。けれども、だからこそ、その一分でも「分かろう」とする努力を怠ってはいけないのです。  

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2018年08月01日

戦後73年の今

 きょうから葉月です。終戦73年の8月が巡りきました。昭和20年は、当たり前ですが「戦前」の終わりであり「戦後」の始まりでもあります。
 戦後73年の歩みには光も影もありました。その光を見ず、返す刀で、戦前をことさらに美化する声が、次第に大きくなっている風潮があります。書店に並ぶ本の表紙を観察するだけで、その傾向はうかがえます。
 私が進行しています創価学会にとって昭和20年は、戸田第2代会長が出獄し、一人、組織の再建に歩み始めた年であります。平和と民衆の幸福を打ち立てる闘争は、池田第3代会長に引き継がれ、今日の世界的発展を見るに至っています。それを可能にした内発的な条件は、地涌の菩薩を呼び現した、三代の会長の「広宣流布の信心」にあります。
 一方、外的条件は、戦前の体制の解体がもたらした自由、とりわけ「信教の自由」です。学会の「精神の正史」である小説『人間革命』の第1巻は「真に力のある宗教は、信教の自由を欲し、力のない宗教は、権力と結託しようとする」と国家神道を批判し、連合国軍総司令部による民主化を「梵天、帝釈の御計らい」と記しています。
 社会の変化に応じて、広布の運動の在り方は変わるべきだ。一方で、師弟の精神、平和と自由の砦であり続ける誓いだけは変わってはならない。戦後73年の今、そう思います。  

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2018年07月31日

大人にとってはささやかな一言でも

 大人にとってはささやかな一言でも、感受性豊かな子どもの心には敏感に響きます。感謝や期待、共感や信頼の言葉――中でも“励ましの言葉”がどれほど大切か知って見えますか。
 ある学校で行われた実験です。生徒たちの作文の余白に先生が助言を書き込む。その後、作文の出来とは無関係に、全体を二つに分ける。一方の作文には“コメントを書きました”とだけ記した付箋を、もう一方には“あなたならもっと作文が上手になると思うのでコメントを書きました。期待しています”との付箋を貼ったそうです。
 結果は、再提出の数に表れました。前者の生徒からは4割だったが、後者の生徒からは8割にも。また後者は前者に比べ、書き直した箇所が2倍ほどあったという。短い言葉であっても、子どもたちの意欲を引き出せることが示されたのです。(アンジェラ・ダックワース著、神崎朗子訳『やり抜く力』ダイヤモンド社)  

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2018年07月31日

大人にとってはささやかな一言でも

 大人にとってはささやかな一言でも、感受性豊かな子どもの心には敏感に響きます。感謝や期待、共感や信頼の言葉――中でも“励ましの言葉”がどれほど大切か知って見えますか。
 ある学校で行われた実験です。生徒たちの作文の余白に先生が助言を書き込む。その後、作文の出来とは無関係に、全体を二つに分ける。一方の作文には“コメントを書きました”とだけ記した付箋を、もう一方には“あなたならもっと作文が上手になると思うのでコメントを書きました。期待しています”との付箋を貼ったそうです。
 結果は、再提出の数に表れました。前者の生徒からは4割だったが、後者の生徒からは8割にも。また後者は前者に比べ、書き直した箇所が2倍ほどあったという。短い言葉であっても、子どもたちの意欲を引き出せることが示されたのです。(アンジェラ・ダックワース著、神崎朗子訳『やり抜く力』ダイヤモンド社)  

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2018年07月30日

人類史を語る文化財

 音楽人類学者の西岡信雄氏は、楽器を“人類史を語る文化財”と述べています。古今東西の楽器には人類の知恵や技術が凝縮し、その時代、民族の美意識や音楽観を伝えてくれると(『楽器からのメッセージ』音楽之友社)
 世界の楽器や、その音色に接することは言語を超えた体験として多様性の尊重や、寛容の精神を磨くきっかけにもなります。この夏、異文化との触れ合いを通し、親子で「開かれた見識」「美しい心」を養うのもよい事でしょう。  

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2018年07月29日

言葉は出ていくばかりではないようです

 「口にする」という表現は興味深いですね。食べ物を「口にする」ときは中へ入れる。言葉を「口にする」ときは外へ出す。入ったり、出たり……と。
 口にした食べ物は、体内で栄養となります。しかし、傷んだ物だと病気になります。同じように、口から出ていく言葉も、善悪さまざまです。人に勇気や希望を送りもすれば、傷つけもします。私たちは、地域、職場、学校、家庭などで、常に励ましの言葉を交わし合いたいものですね。
 文豪ゲーテの箴言に「いったん口に出された言葉は、ふたたびわが身に戻ってくる」(岩崎英二郎訳)と。言葉は出ていくばかりではないようです。  

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