2019年03月10日

言葉を失いました

 創価学会のメンバーで「訪問激励の達人」と呼ばれる、宮城の壮年の話です。①相手の顔を思い浮かべながら祈る②3日に1度は連絡を取る③仕事が休みの時は訪ねる。この3点を実践し続けるとの事です。
 「大きい声ではなく、ボソッと言った小さな声を聞き逃さない。それが本音だからです」「皆、頑張ろうと思っている。だから、本音を聞いて心を軽くしてあげたい。これが励ましと思う」と。
 8年前の東日本大震災――この壮年が言葉を失いました。声を掛けることすら難しい状況。足取りも重くなる。それでも題目を唱えながら、友のもとへ通い続けた。「相手の心の奥深くまで入って激励できるのか。できないのではないか」との葛藤が、いつもあったそうです。
 大切な家族を亡くして泣き伏す友がいました。最初は相手の肩を抱き、一緒に泣くことしかできなかったそうです。通い続けると、だんだん顔を上げるように。「必ず近くに生まれてくるよ」。こう確信をもって言えるには、しばらく時間が必要でした。
 「何カ月もかかるかもしれません。本音の話ができるようになるまで通い続けなければ」と壮年は語ります。。「思いやり」の英語「compassion」の語源は、「共に」(com)、「苦しむ」(pati)。相手の気持ちに思いをはせ、苦しむ心を置き去りにしない「同苦の人」でありたいものです。

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