2016年07月31日

特別警報

 気象庁の「特別警報」を知っていますか? 「警報」の基準を大きく超える現象に対して発表され、従来の警報が住民の迅速な避難につながらなかったことを改善するのが目的だそうです。
 対象となる事例は、東日本大震災での大津波や、観測史上最高の潮位を記録した伊勢湾台風での高潮、紀伊半島を襲った「平成23年台風第12号」の豪雨などを想定しています。
 この伊勢湾台風は、災害対策基本法成立のきっかけともなりました。この台風では、気圧の低下による海面の吸い上げ効果、湾の奥に向かって海水が増す吹き寄せ効果、暴風による高波で堤防が決壊。しかし、厳重な警戒を呼び掛ける情報は、停電と電話の不通で十分に伝わらず、ハザードマップの存在も住民は知りませんでした。報道は「被害」を知らせても、「防災」を促すものではなかった(中央防災会議「災害教訓の継承に関する専門調査会報告」)
 非常時の情報は、人命を守ってこそ意味を持ちます。的確な伝達へ、不断の取り組みを期待したいものです。一方、受け取る側も、予断や油断を排し、万全な行動を取りたいものですね。無事故は、注意と努力で「勝ち取る」ものと心得ましょう。  

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2016年07月30日

フランス料理

 フランス料理の名シェフ、三國清三さんが駐スイス日本大使館の料理長になったのは20歳の時でした。若さを心配する周囲に、推薦した総料理長は断言しました。「あいつなら大丈夫です。私が責任を持ちます」と。
 自分を心から信頼してくれる人がいると知れば、挑戦の炎は勢いを増します。人間としても大きくなれます。東日本大震災後、三國さんは“子どもたちが笑顔になるなら”と、被災地の小学校を訪れ、児童の昼食に、その腕を惜しみなく振るいました。  

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2016年07月29日

口にする

 「口にする」という表現は興味深いものです。食べ物を「口にする」ときは中へ入れる。言葉を「口にする」ときは外へ出す。入ったり、出たり……。
 口にした食べ物は、体内で栄養となります。しかし、傷んだ物だと病気になります。同じように、口から出ていく言葉も、善悪さまざま。人に勇気や希望を送りもすれば、傷つけもします。私たちは、地域、職場、学校、家庭などで、常に励ましの言葉を交わし合いたいものです。
 文豪ゲーテの箴言に「いったん口に出された言葉は、ふたたびわが身に戻ってくる」(岩崎英二郎訳)と。言葉は出ていくばかりではないようですね。  

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2016年07月28日

コインランドリー

 東日本大震災の時、被害を免れたコインランドリーに、夜明け前から洗濯物を手にした母たちが列をつくりました。その店舗を経営する女性は思いを巡らせました。“子どもたちは不安な日々に耐えている。目覚めた時、お母さんの姿が見えなかったら、どんなに心細いだろう”。「私が引き受けるから子どもの元に帰ってあげて」と、婦人は連日、洗濯機を回し続けました。
 この話を聞いて、震災の後、寄り添うことの大切さを実感しました。互いの心の距離を縮める一歩は「想像力」を働かせることでしょう。想像力は他者の幸せを願うほどに強くなります。  

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2016年07月27日

心のアンテナ

 「大人が1センチ変われば、子どもは1メートル変わる」といわれています。これは、子どもにとって最大の教育環境は大人自身ということである。との指摘です。
 小学校の教師が保護者の父親に聞いたそうです。「最近、お子さんが成長していると感じた時を教えてください」。ある父親は子育ては母親任せなのか、完全に困り果てた表情をしていました。別の父親は間髪を入れず、「先日、家族で、自転車で買い物に行った時のことです。小さい足を一生懸命に動かして自転車に乗る子どもの後ろ姿に、成長を感じました」と答えました。
 理由はさまざまあろうが、同じ屋根の下で生活していても、見えているようで見えていないことは少なくない。家族だから心は通じると安心していると、いつしか自己本位に陥り、周りが見えなくなってしまうこともあります。そうならないためには、やはり、“心のアンテナ”を張りめぐらし、心を通わせる努力を重ねるしかありません。  

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2016年07月26日

夏の甲子園

 夏の甲子園を目指す、高校野球の地方大会も佳境に入っています。一般紙のスポーツ欄に載る全国の結果一覧に、つい目が行きます。出身地や、かつて暮らした都道府県は、殊更、丹念に見てしまいますね。  

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2016年07月25日

リッチモンド警察署

 悪を罰するだけが、社会を良くする方法ではありません。カナダのリッチモンド警察署は、ある試みを続け、3年間で青少年犯罪率を41%減少させました。
 それは、違反に切符を切るだけでなく、「ゴミをゴミ箱に捨てる」「横断歩道を使う」といった、ささやかな善行にも切符を切る方法でした。その切符は、スケート場の入場券や景品などと引き換えられるようにしました(スティーブン・R・コヴィー、ブレック・イングランド著『第3の案』キングベアー出版)
 人の心は、善も悪も、その両方を内包しています。悪い面を厳しく指摘することも必要ですが、良い面に目を向け、たたえる中で、やる気を引き出す。人間も社会も、この積み重ねの中で“成長”するものでしょう。  

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2016年07月24日

くれ上手のもらい上手

 新潟県のことわざに、「くれ上手のもらい上手」があります。これは、しょうゆや味噌の物々交換や、急な雨には留守中のお隣の洗濯物も取り込むなど、心親しく助け合っていくという深意だそうです。
 「3・11東日本大震災」の直後、同県小千谷市が福島からの避難者を民泊で受け入れました。こうした心が今も根付いているのでしょう。
 6月に、同県長岡市内で群れをなす見事な花菖蒲が見られました。この花菖蒲は「江戸百景」にも数えられた東京・堀切の花菖蒲の株分けだそうです。戦中、東京からの疎開児童を受け入れ、守ってくれた当地の人々への恩返しに、と後年、贈られたものという。
 当時の児童は老齢となり、受け入れた大人たちは、もう存命ではないかもしれない。それでも、毎年咲く報恩の花々に、後世の私たちが学ぶことができます。花にもまた「気持ち」が宿っているのです。
 「人ごととは思えない!」と、人々に尽くすことは、自分の人生を真剣に生きる人にしかできない労作業ではないでしょうか。「自他共の幸福」こそ、よき社会をつくる根本の哲学ですね。  

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2016年07月23日

花火

 一段と高く上がった花火が大きく開くと、歓声が上がります。炎が柳のように降り始めた後、「ドーン」と空が割れるのではないかと思うほどのごう音が響きました。
 大きな花火では、花が開くのが先で音は後になります。これは、光速より音速がはるかに遅いためですが、それを不思議に思った子どもは「どうして?」と聞くかもしれない。その時に、後回しにせず、小さな疑問に真正面から向き合って、新鮮な好奇心を満たせる親でありたいものです。  

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2016年07月22日

夏山登山

 「夏山や湖水青く鳥啼き渡る」(正岡子規)。梅雨が明け、夏山登山のベストシーズンを迎えました。
 日本登山の歴史を開いた人物に、ウォルター・ウェストンがいます。今年、創立111周年を迎える日本山岳会の創設功労者で、数々の名峰を制覇したことでも知られています。
 「日本三大奇勝」の群馬・妙義山もその一つです。この登山に彼は、地元案内人の根本清蔵と互いの体をザイル(綱)で結ぶ、当時としては日本初の技法で挑もうとしました。しかし”自分が落ちれば一緒に落ちてしまう”と清蔵は二の足を踏みました。
 その時、ウェストンは言ったそうです。”岩場で足を踏ん張っているから清蔵を落とすことは絶対にない”。2人は、互いを信じ、未踏の道へ踏み出しました。後に、この登頂が日本近代登山の発祥といわれたのです(小林二三雄著『登山家W・ウェストンと清蔵』みやま文庫)  

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2016年07月21日

ボールを手作りした

 ミスタージャイアンツの長嶋茂雄さんが野球を始めたのは国民学校4年、終戦の年でした。物がない時代で、母親と一緒に、サトイモの皮やビー玉に布を巻いて、ボールをこしらえたという。かつて、テレビの対談番組で語っていました。
 ミスターほどの名選手なら、知られたエピソードは数多い。その中でも、母とボールを手作りした思い出話は、胸の中で大切にしてきた〝宝物〟を見せてくれたような気がして、心に残っています。  

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2016年07月20日

なぜ音楽は生まれたのか

 なぜ音楽は生まれたのか。バイオリンの巨匠ユーディー・メニューイン氏は、こう表現しています。「他人の心になんとかして触れたいというやむにやまれぬ欲求から生まれた」(別宮貞徳監訳)。
 彼は、ナチスの強制収容所の生存者をはじめ、病める人、生活に困窮する人への慈善演奏に力を入れました。あふれる人間愛が、氏の妙技の源だったのです。  

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2016年07月19日

対話

〝対話〟を重んじた教育思想家に、ブラジルのパウロ・フレイレがいます。彼は、為政者の意のままに抑圧され、貧しい環境に甘んじていた労働者への識字運動を指導しました。対話を通し、主体的に社会を見つめ、行動する姿勢の大切さを訴え続けました。
 「本当の意味での革命ならば、遅かれ早かれ、一般の人たちとの勇気ある対話を始めることになります。革命の正当性は、人々との対話にあるのであり、人気取りや、うそのうちにあるのではない」と(パウロ・フレイレ著、三砂ちづる訳『新訳・被抑圧者の教育学』亜紀書房)
  

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2016年07月18日

体重の約60%

 人間の体内の水分量は、体重の約60%といわれています。驚いたことに、その水分は、1日に約2・5リットルも体から失われていくそうです。なんと、500ミリリットルのペットボトル5本分の水分が、汗や尿などによって体外へ排出されているのです。
 高温の環境で激しい運動をすると、1時間に2リットルの汗が出ることもあると、『数字で読み解くからだの不思議』(竹内修二監修、エディット編、講談社)で指摘しています。熱中症対策に水分補給が欠かせないのも納得できますね。
 だが、大量の水を飲んでも、全てを一時に吸収できるわけではないそうです。喉の渇きを覚える前に、こまめに飲むことが大事と、指摘しています。
 又、この本によると、人体は60兆個の細胞からできている。その中で、1日に3000億個の細胞が入れ替わっているという。なんと1秒に350万個の新しい細胞が、体内で作られている、と。人は皆、刻々と、みずみずしい姿に生まれ変わっているともいえますね。  

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2016年07月17日

関羽の修行時代

 はるか昔、中国の三国志演義の英傑・関羽の修行時代の逸話。
 既に剣豪の呼び声高かった関羽が、さらに強くなりたいと剣術の師・武龍の門を叩いた。だが、師は何ひとつ技を教えない。それどころか日々、食べ物や薪などを集めさせるばかり。数々の思いが胸に去来したが、関羽は淡々と眼前の日課を務めました。それが彼の人格を磨き、剣 の道をも極めることになったという話があります(小沢章友著『三国志英雄列伝』)  

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2016年07月16日

歴史を書くつもりで

 新聞記者の経歴を持つ作家の三好徹さんは、駆け出し記者のころ、こんなことを先輩に言われたそうです。「オーバーなことをいうと思うかもしれんがね、きみたちはじっさいに記事を書くようになったら、歴史を書くつもりで書けよ」(文藝春秋編『無名時代の私』文春文庫)
 火事や事故の記事を書いては、「これが歴史か?」と首をかしげたそうですが、しかし、経験を積むほどに、先輩の言葉の意味を実感したという。人間の営みの一つ一つは、活字になることで「歴史」になっていくということを。  

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2016年07月15日

尊厳を引き出す指導者とは

 米ハーバード大学のダナ・ヒックス博士が、尊厳を引き出す指導者について語っています。曰く、「組織であれ企業であれ、そこに生活する人々に、指導者が平等と尊厳の心で接するならば、人々は自発的な献身に目覚めて立つものです。その時、社会や組織は真の繁栄へと向かうのです」と。納得!  

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2016年07月14日

いいものに触れさせる

 昔、名のある呉服商は、若い弟子には、一流の反物しか触らせなかったという。〝一流〟を見続けて育った弟子は、二流をすぐに見分ける力が付く。だが、それを怠ると〝本物〟が分からなくなるからです。
 いい人材に育てるには、いいものに触れさせることである。これは時代を問わず、どんな分野にも通じる心得ですね。  

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2016年07月13日

「対話」に挑む夏に

 民音が招聘した「ロシア民族アンサンブル」公演で、出演したロシア女性の話です。最初に覚えた日本語は「愛」「夢」「赤ちゃん」だったと。
 その理由を、彼女は、はじけるような笑顔で語りました。「音楽と同様、世界共通の大切な〝言葉〟ですから」。音楽に生きる彼女は、言葉や文化に共通性が見いだせなくとも、人間は何かで必ず分かり合えることを、体験を通して知っていたのです。
 「対話」は単なる「会話」とは異なります。相手と語り合うことによって、前とは違う自分に変わってこそ、意味がある。真摯な気持ちで、価値創造の「対話」に挑む夏としたいものですね。  

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2016年07月12日

ネット依存

 青少年の「ネット依存」が社会問題になっています。インターネットを使ったゲームや仲間同士の交流に毎日長時間を費やし、睡眠不足など、生活に悪影響を及ぼす事例が増加。2013年発表のある調査では、全国で推計約52万人もの中高生がネット依存の傾向とされると発表されています。
 この問題に長年、取り組んでいる遠藤美季氏によると、ネット依存に陥らない人にはいくつかの共通項があると指摘しています。①自己肯定感・自己有用感が高い②自分の将来に明るい希望を抱いている③家族関係が良好、などを挙げています。納得!  

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