2016年07月24日

くれ上手のもらい上手

 新潟県のことわざに、「くれ上手のもらい上手」があります。これは、しょうゆや味噌の物々交換や、急な雨には留守中のお隣の洗濯物も取り込むなど、心親しく助け合っていくという深意だそうです。
 「3・11東日本大震災」の直後、同県小千谷市が福島からの避難者を民泊で受け入れました。こうした心が今も根付いているのでしょう。
 6月に、同県長岡市内で群れをなす見事な花菖蒲が見られました。この花菖蒲は「江戸百景」にも数えられた東京・堀切の花菖蒲の株分けだそうです。戦中、東京からの疎開児童を受け入れ、守ってくれた当地の人々への恩返しに、と後年、贈られたものという。
 当時の児童は老齢となり、受け入れた大人たちは、もう存命ではないかもしれない。それでも、毎年咲く報恩の花々に、後世の私たちが学ぶことができます。花にもまた「気持ち」が宿っているのです。
 「人ごととは思えない!」と、人々に尽くすことは、自分の人生を真剣に生きる人にしかできない労作業ではないでしょうか。「自他共の幸福」こそ、よき社会をつくる根本の哲学ですね。

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