2019年03月16日

これだけのものが買えるのか

 引っ越しシーズンですね。今は、キッチングッズや洗面道具、文具類……日用品や生活雑貨は「100円ショップ」に行けば、手軽に買いそろえることができます。100円とは思えない充実した品ぞろえです。
 「これ、なんぼ?」「100円でええ」「これは?」「それも100円でええ」――国内外で5000店以上を持つ最大手のチェーン店が、かつて移動販売での開店準備中、客にせかされ、とっさに答えたことから“100円均一の商売”が始まったそうです。
 当初は“安物買いの銭失い”と笑われました。奮起した創業者は、原価率を上げ、徹底して商品開発に力を入れました。流通コストも見直しました。やがて“あの店のものは品質がいい”と評判になっていきました。創業者は語っています。「一〇〇円で、これだけのものが買えるのか、と思ってもらわないとダメ」「恵まれない立場にいる方が、その状況から頑張れるからいい」と。(大下英治著『百円の男 ダイソー矢野博丈』さくら舎)
 環境に恵まれても、物事が成功するとは限りません。変革への動機は生まれにくい。むしろ制限された条件下で必死に考え抜く中で、斬新な知恵が湧くのです。

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