2017年10月31日

大きな力

 あすから年賀状の販売が始まります。もらう方からすれば、趣向を凝らした絵やデザインも楽しみの一つですね。さらに手書きの一筆があれば心もほっと温かくなるものです。
 文豪・島崎藤村は「好い手紙を人から貰った時ほどうれしいものはない」と記しています。「好い手紙」とは、難解な表現や学問上の文言などの“大きな言葉”ではなく、何げない“小さな言葉”をちりばめたもの。書き手の率直な心が表れているゆえに、この小さな言葉にこそ“大きな力”が宿ると言っています。  

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2017年10月30日

青年の特権

 薩摩藩と長州藩の「薩長同盟」締結から、本年で151年になります。この同盟は江戸幕府を倒し、明治維新へと続く、近・現代史の転換点の一つと位置づけられています。
 両藩は、「薩賊」「朝敵」と罵倒し合い、同盟締結の1年半前まで直接砲火を交えていました。犬猿の仲が手を結ぶ、極めて困難な交渉に臨んだのは、薩摩の西郷隆盛、長州の木戸孝允、仲介役の土佐・坂本龍馬ら、いずれも20代・30代の青年でした。
 締結の直前、龍馬は書簡につづっています。「何の志ざしもなき所ニ ぐず〳〵して日を送ハ、実ニ大馬鹿ものなり」(宮地佐一郎『龍馬の手紙』講談社学術文庫)。前例やしがらみにとらわれず、高い志のために決断し、連帯を広げることができるのは、いつの世も青年の特権でしょう。
  

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2017年10月29日

言葉は「生き物」

 言葉は「生き物」とよく言われます。「見れる」「出れる」などの「ら抜き言葉」を使う人が今や多数派になりました(平成27年度「国語に関する世論調査」)。
 話題を呼んだ新語や造語は次々と辞書に入ります。言葉は生活の中で育つのです。辞書は言葉の意味を表し尽くしたものではありません。言葉には、それぞれに時間の重みがあり、無限の物語があります。それが言葉の難しさと面白さなのです。  

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2017年10月28日

斬新な発想

 うるさいハエ。変幻自在の動きで、人間の手を素早くかわす。現代の技術では、その動きを再現する小さな装置を作ることはできないそうです。昆虫には人知を超えた能力があり、人間の参考になる特徴がたくさんあります(丸山宗利著『昆虫はすごい』光文社新書)
 昆虫をはじめ、自然界の生態から、人間は多くを学んでいます。その例の一つが新幹線500系の開発。野鳥のフクロウの翼がヒントになったそうです。開発者たちは時速350キロに挑むが、試験走行では、トンネル突入時に発生する破裂音に悩まされた。原因の一つが、車両の屋根上にあるパンタグラフでした。フクロウは鳥の中で最も静かに飛ぶが、それは、翼の羽の先に突き出た鋸歯状の羽毛のおかげ。その原理をパンタグラフに応用することで、騒音問題を解決したそうです(前間孝則著『新幹線を航空機に変えた男たち』さくら舎)
 科学技術に限らず、どんな仕事でも、限界を破るには斬新な発想が要ります。それは、既存の考え方の枠組みでなく、取るに足らない、あるいは全く関係ないと思っていた事物から得られることが多いもののようです。  

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2017年10月27日

常に動いている水は腐らない

 「水澄む」とは秋の季語です。秋になると空気の爽やかさを感じ、川や湖の水も清らかに映ります。紅葉映える「秋の川」は、この季節の楽しみですね。
 流れない川というものはありません。中国の古典『呂氏春秋』に「流水不腐」とあります。「常に動いている水は腐らない。同様に、人間も活動しなければ次第に身も心も衰えてしまう」との格言です。  

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2017年10月26日

「知る」とは

 理学博士の佐治晴夫氏が、高校教師の集いで「宇宙」について話しをしました。終了後、一人の教師が氏に言ったそうです。「きょう先生が話されたことは、全部知っています」と。“そうかもしれないが”と受け止めつつ、氏は答えました。自分が考える「知る」とは、単なる理解や知識ではない。大事なのは「宇宙のことを勉強して知ることによって、あなたの人生がどう変わったか」。もし何も変化がないなら、それは本当の意味で「知る」ということにならない、と(佐治晴夫・養老孟司共著『「わかる」ことは「かわる」こと』河出書房新社  

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2017年10月25日

オリーブ

 小豆島では、名産品のオリーブが収穫時期を迎えています。明るい緑色の実が、瀬戸内の風に心地よさそうに揺れている風景が目に浮かびます。
 最も古い栽培植物の一つとされるオリーブは、地中海の沿岸諸国が主な産地。古代ギリシャの時代から人々に愛され続け、その生活を潤してきた重要な植物です。また「平和」の象徴として、国連旗にも描かれているのもご存じの事でしょう。
 日本で試験栽培が始まったのは明治末期。いくつかの地域が選定されましたが、地中海沿岸と気候が似ていたこともあり、小豆島だけが栽培に成功しました。とはいえ台風や害虫の被害に悩まされるなど、普及への道は決して平坦ではなかったそうです。現在、島中に広がるオリーブは、まさに先人たちの努力の結実です。  

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2017年10月24日

自分に勝つこと

 日本人初のプロ車いすテニスプレーヤー・国枝慎吾選手。彼は抜群の車いす操作とともに、前向きな言葉で自身を鼓舞してきたことでも知られています。
 「僕にとってのゲームは自分との真っ向勝負であり、唯一の目的は自分に勝つことです」(『なぜあの時あきらめなかったのか』PHP新書、小松成美著)との言葉に、うなずく人は多い事でしょう。  

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2017年10月23日

ゲーミフィケーション

 「ゲーミフィケーション」という言葉をご存じでしょうか。私も知らなかったのですが、これは人がゲームに熱中する仕組みを、仕事や諸活動に応用する手法のことだそうです。
 ゲームのように「気軽に取り組める」「達成感を与える」ことを目指す。さらに利用者の“進歩”を目に見える形で提示。その中で、自発性や意欲が生まれるという。新しい試みにも見えますが、鍵になるのは、やはり「自身の成長の手応え」でしょう。  

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2017年10月22日

民衆の幸福のための学問

 青色発光ダイオードの開発でノーベル物理学賞を同時受賞した、日本人の3氏。中村修二氏の不屈の研究人生も話題だが、名城大学の赤崎勇終身教授の受賞は「中部地区の私立大学では初」の快挙ともなりました。同じく受賞者の天野浩氏も、かつて同大学の教授を務めました。
 同大学の創立は1926年。理工系の夜間学校として出発しました。創立者の田中壽一氏は、町工場で働く職工たちが専門知識を身に付け、能力を存分に発揮することで世の中の役に立ってほしい、との願いを設立に込めました。
 いわく「天地の理を窮め、もって之の天職を全うし、人の道を踏み、以て社会の文化と福祉の向上を図るために、学問をする」と(同大学のウェブサイトから)。この受賞で、創立者の信念が、88年の時を超えて花開いたといえましょう。
 同大学の網中政機元学長は創価教育の父・牧口初代会長と、創立者の田中氏には深く響き合うものがある、と述べています。国家主義の時代にあって、子どもの幸福のための教育を掲げた牧口会長。対して、庶民の幸福を追求したのが田中氏であった点に着目しています。
 青色発光ダイオードの光は、私たちの日々の生活を大きく変えました。それは「民衆の幸福のための学問」の輝きでもあるのです。  

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2017年10月21日

朝一番に

 「忙しい時ほど手帳の書き込みは減り、真っ白になりがちなんです」と言われ、ハッとしませんか。“時間活用術”について、エッセイストの金子由紀子さんの言葉です。
 忙しくなると用事が増えるので、当然、予定などの書き込みも増えていくように思えます。だが実際は、日々の忙しさに追われる中で、手帳を開いたり、見返す機会が少なくなり、結果として書き込みは減るという事です。
 手帳を開くことは、自分自身に立ち返る作業ともいえます。金子さんは、時間活用の秘訣として、手帳を活用した「行動の工程化」を勧めています。「やるべきこと」が多い場合は、まず全ての項目を1枚の紙に書き出す。次に、重要度を示す印を付け、手帳の「月」「週」「日」の欄に振り分ける。この作業の中で、頭も心もすっきりする。とりわけ、朝一番に手帳を開き、一日の行動予定を決めることが大切と語っています。  

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2017年10月20日

一例でしょう

 牛に優しく接すれば、乳量は増える――そんな研究結果が英国での国際応用動物行動学会で発表されています。
 牛を待機場から搾乳場に移す際、「ほら」「おい」などと命令口調でせかすか、逆に、なでたり優しく声を掛けるか。2通りの態度で、1カ月間、約70頭に接し続けた。後者の態度を受けた牛は、乳量が増える傾向に。特に、若い牛への影響が大きく、後者の態度で1回接するたびに平均乳量が約600ミリリットル増え、前者では1回ごとに約400ミリリットル減ったそうです。
 命あるもの、気持ちは確かに通じていくという一例でしょう。  

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2017年10月19日

人生勝利のゴール

 箱根駅伝の生みの親は金栗四三氏です。箱根駅伝の最優秀選手に贈られる金栗杯といえば、耳にしたことがあるでしょう。金栗四三氏は日本のオリンピック選手第1号で、「日本のマラソン王」と呼ばれます。五輪マラソンでの失敗の経験を、日本のマラソン界発展の力に転換した氏。氏の人生を象徴する言葉が「体力、気力、努力」です。
 目標に向かって努力する人は美しい。私たちも人生勝利のゴールを目指し、「努力、努力」の歩みでありたいものです。  

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2017年10月18日

学歴は?

 「学歴は?」と問われれば、大抵の人は卒業した学校名を挙げる事でしょう。だが明治期に活躍した歴史地理学者・吉田東伍は自身の学歴を「図書館卒業です」と語り、胸を張ったそうです。
 彼が学校教育を受けたのは9歳から13歳まで。それ以降は家業を手伝いつつ、家や図書館の本を読むことに徹して学問を身に付けました。後年、大学で教壇に立つまでになった吉田は、全国の地名の由来を研究した地誌や能楽研究を大きく前進させる業績を残しました。  

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2017年10月17日

人間たる証し

 ノーベル物理学賞の中村修二教授は、大学では工学部に進みました。物理を学びたかった気持ちもあり、工学への関心は薄かったそうです。だが、興味深い大学の講義に心を動かされ、電子工学の道で、「もの作り」の醍醐味を体得していったそうです。
 その後、地方の化学薬品メーカーに入社し、開発課に配属。だが十分なスタッフや予算が付かない。ならば、と実験装置まで自らの手で作り、ついに青色発光ダイオードを開発しました。当時、苦労続きの氏を支えたのは、価値あるものを創造することが人間たる証しという信念だったそうです。  

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2017年10月16日

「加齢」と「老化」は、厳密には同義ではない

 年を取ると、人は衰える――そう捉えがちですが人間には、加齢とともに進化する能力もあるそうです。
 例えば、これまで蓄積してきた学習や経験を生かし、物事を総合的に判断し、問題解決に役立てる「結晶性知能」と呼ばれる能力。これは、高齢になっても劣化することなく伸びていくそうです。「加齢」と「老化」は、厳密には同義ではない。人は、何歳になっても成長し続けることができるのです。  

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2017年10月15日

新聞記事

 かつて、あるローカル新聞で注目を集めたコーナーがありました。“誰々が風呂場で転んで腰を打ち、何々病院に運ばれた”などの救急情報欄である(四方洋著『新聞のある町』清水弘文堂書房)。記事を読んだ知り合いが、“大変だろうから、家の手伝いに行こう”といった互助の風習もあったようです。
 新聞記事は、自分に関係し、受ける影響が大きいほど、読まれます。一方、人ごとと思われれば、関心さえ持たれません。  

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2017年10月14日

キンモクセイ

 キンモクセイの季節がやってきました。道ばたで、ふと感じる甘い香りが心地よいですね。キンモクセイは別名「九里香」とも呼ばれます。その名の通り、秋風に乗って香りは遠く広がっていくからでしょう。
 どんなに香りの良い花があっても、「花の香りは風に逆らっては進んで行かない」。釈尊はこう語っています。「しかし徳のある人々の香りは、風に逆らっても進んで行く。徳のある人はすべての方向に薫る」と(中村元訳『真理のことば 感興のことば』)。
 優れた人格の人は、嫉妬や非難の逆風が吹こうとも、豊かな人間性を伝えてゆくことができるということなのでしょう。  

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2017年10月13日

旅の足

 現在は、旅の足が汽車から電車に移り、急行、特急へと、速さも増していった時代です。「目的地まで乗っていられる時間が短いのに、なんで余計に運賃を払うんだ」と食ってかかった客がいたという、笑い話もあります。
 JR東海が2027年開業を目指すリニア中央新幹線の駅やルートが発表されています。東京・品川と名古屋を約40分で結び、区間の86%がトンネルです。駅弁でおなかを満たし、次は景色を堪能して……という人には「なんで余計に――」かもしれない。利便性は、心を豊かにさせる旅の醍醐味と引き換えということなのでしょうか。  

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2017年10月12日

おや、間違ったのはおれだ!

 世界に名高いウィーン・フィルハーモニー管弦楽団が、畏敬の念を持って語り継いでいる指揮者がいます。ハンス・クナッパーツブッシュ(1888~1965年)がその人です。
 こんな逸話が残っています。ある公演で、彼が指揮を間違え、演奏が乱れかけた。聴衆には、誰の失敗か分からない。すかさず彼は、大きな声で言った。「おや、間違ったのはおれだ!」(アレクサンダー・ヴィテシュニク著『ウイーン・フィル えぴそーど』、福原信夫ほか訳、立風書房)
 もちろん、指揮者としての彼の技術は高かった。が、それ以上に、自分に非があれば素直に認める飾らない人間性を、楽員たちは慕ったのでしょう。  

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