2015年04月30日

建築やデザインの世界

 建築やデザインの世界に「神は細部に宿る」という格言があります。しかし、これは宗教的な意味ではないそうです。柱1本、タイル1枚――そうした細部に徹底してこだわってこそ、全体の美が生まれる、ということ。近代建築の巨匠ミース・ファン・デル・ローエの言葉とされています。
 数寄屋大工の齋藤光義氏は、かつて上棟式の後、設計士から、柱を全て、図面よりわずかに丸みを帯びたものに変えてほしいと言われた事があったそうです。悔しかったが、半年後、完成してみると、確かに部屋の雰囲気が心地良い。あの丸みが、そうさせたことを思い知った。と、述懐しています。
 その後も氏は、〝柱を数ミリ太く〟とか〝木の表面をごくわずかに削って〟と注文を受けたそうです。妥協なきこだわりに触れて、奥深い数寄屋の世界に引き込まれていく。「大工仕事も積み木みたいなものですからね」と氏は語る(『運命を変えた33の言葉』NHK出版新書)  

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2015年04月29日

ドラえもんの「道具」

 「ドラえもん学」を提唱する漫画評論家の横山泰行氏は、「生涯夢に憧れ続ける心を失うな」が、作品のメッセージであるという(『「のび太」という生きかた』アスコム)。ドラえもんの「道具」は夢をかなえてくれるものだが、自分の足で、未来の夢に向かって歩き続けるための「きっかけ」でもあるのです。  

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2015年04月28日

黒田官兵衛

 戦国時代きっての名軍師・黒田官兵衛。彼が33歳のころ、織田信長に反旗を翻した武将のわなに陥り、1年間、牢獄につながれました。暗がりで耐える失意の天才を励ましたのは、獄窓から見える藤の花。出獄した官兵衛は、豊臣秀吉のもとで、才能を一気に開花させ、天下統一を助けていくのでした。
 その数奇な生涯を、武者小路実篤、坂口安吾、菊池寛、司馬遼太郎ら、多くの文人が題材としました。吉川英治氏は、彼が家紋を「藤巴」に改めた理由を、こう語らせている。「心に驕りの生じたときは、すぐ伊丹の獄窓を思い出すように、と希う心からでござります。――あのころ、日々、仰ぎ見ては、心に銘じた獄窓の藤花こそ、申さば官兵衛の生涯の師」と。小説『黒田如水』の最後の場面です。
 山があれば、必ず深い谷がある。喜びばかりという人生はない。必ず辛酸をなめる時がある。その時に見たもの、感じたものを忘れず、自分を磨き続ける糧としていけるか。そこに、輝きの人生を送る鍵があります。吉川氏の有名な言葉”苦に徹すれば珠と成る”には、そんな意味も込められているのでしよう。  

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2015年04月27日

美しい景観

 日本の各地に「五湖」と総称される美しい景観があります。その一つ、世界遺産の北海道・知床五湖では、閉鎖されていた散策路が開かれました。山梨県の富士五湖からは、四季折々の名峰を各所から望めることができます。
 創価学会の牧口初代会長は『人生地理学』で「山嶽と湖水、是れ日本人の心目に最も適したる絶景の要素」と評しています。
 神奈川県北西部にある、やまなみ五湖は、ダム建設に伴って誕生した人造湖です。五湖の一つ、宮ケ瀬湖は、県内唯一の村・清川村の自然などと相まって魅力を増しています。丹沢湖とともに、ダム湖百選にも選ばれています。  

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2015年04月26日

傷がついている方が甘い

 「リンゴは傷がついている方が甘い」と、聞いたことがあります。リンゴはひょうや霜などによって傷がつくと、修復しようと、果皮に多くの栄養分を蓄える。そこには糖分も含まれるので、一段と甘くなる。だが、見た目が良くないため、市場に出荷されることは少なく、この事実を知る消費者も少ないそうです。
 ミカンは「もむと甘くなる」と言い伝えられてきました。もむことでできた傷を修復するため、酸っぱい成分であるクエン酸が消費され、その分、甘みが増したように感じられるそうです。
   

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2015年04月25日

気取りがありません

 一線級で活躍するベテランには、おしなべて気取りがありません。淡々としてみえる。“成功したい”“認められたい”という「他者の目」を基準とした自己評価を卒業し、“もっと上達したい”“楽しみたい”という内面的価値を動機付けにしているからでしよう。
 『徒然草』に「万の事、外に向きて求むべからず。ただ、ここもと(自分の手もと)を正しくすべし」(第171段)とあります。目下の課題を見つめ、自分の信じた道をひたすらに、真剣に貫く。その姿がそのまま、他者への励ましとなることを忘れないようにしたいものです。  

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2015年04月24日

「同苦」の心を忘れない人

 文豪のトーマス・マンは「自分を隣人の立場に置きかえ、他人の目で考えてみることによって自分の真の状態を知ろうとしない人間は生きてはこれなかった」(望月市恵・小塩節訳)と。
 悲しみ、苦しみを分かち合おうとする心は、人間として生きていく条件と言うのです。「同苦」の心を忘れない人でありたいものです。  

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2015年04月23日

田植えの目安

 少し前まで冬越しのままだった田んぼに耕起、施肥が行われ、水張りや代かきの後、田植えを行うばかりになっています。米どころの地方からは、早場米の田植えのニュースも届き始めました。
 ここまでくるまでに、どれほどの苦労があったろう。一昔前は、水田の一角を区切って種もみを植え、油紙などをかぶせる「保温折衷苗代」、田植えの目安を知るため、土に印を付ける「田植え定規」の使用が普通だったそうです。  

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2015年04月22日

反意語同士で熟語

 「善悪」「強弱」「勝敗」――反意語同士で熟語になると、良いとされるものが先にくる場合が多いですね。一方、「貧富」「禍福」のように、良いことが後に続く場合もあります。
 「禍福はあざなえる縄の如し」といえば、人の不幸も幸福も、わら束がより合っている縄のように、表になったり裏になったりする意味です。「禍」から「福」の語順には、災いを転じて福にしたいという、人間の太古からの切なる希望が感じられます。
  

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2015年04月21日

ウォルト・ディズニー

 苦労は青年の特権です。米国のウォルト・ディズニーにも、会社を解雇され、事業に失敗続きの時代がありました。それでも「若い頃に失敗するのはいいことだ、なぜなら、非常に多くのことを学べるからだ」と達観していた(『私のパパ ウォルト・ディズニー』上杉隼人訳、講談社)  

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2015年04月20日

輝く五月をつくる

 脚本家の内館牧子さんはサインを頼まれると、「二月の雪 三月の風 四月の雨が 輝く五月をつくる」と添えています。思うところあって、一時、記すのをやめたが、東日本大震災の後、再び、書くようになったそうです。人生も、試練の風雪の先に輝きの日が訪れる、という意味でしょうか。  

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2015年04月19日

地図の日

 きょう19日は「地図の日」です。1800年のこの日、伊能忠敬が蝦夷地(北海道)へ初めての測量に出発したことに由来します。
 この時、忠敬は55歳。それから17年間、10度の測量で全国を歩き、日本初の本格的な実測図「大日本沿海輿地全図」の作成に取り組みました。歩いた距離は約4万キロ。地球1周分に相当し、歩数にすると4千万歩にも及ぶといいます。
 「地図の日」が、完成した日ではなく「最初の一歩の日」というところがいいですね。彼の一歩一歩が、日本を描く地図となり、後世に輝く足跡ともなりました。地図の完成は1821年。忠敬の死の3年後、弟子たちの手によって成し遂げられたのです。  

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2015年04月18日

旗立て松

 松の木は、その生命力の強さから、時代を超えて尊ばれてきた。武門の旗を松の木に立てた「旗立て松」の逸話が、今も各地に伝わっています。
 関西では、楠木正成が嫡男・正行との別れの際、桜井の宿の松に旗を立てかけ、後継の誓いを促した。その南には、天王山があります。豊臣秀吉は、決戦の「山崎の戦い」を前に、山中の松に登って旗を掲げ、自軍を鼓舞したことは有名です。
 関東では、武田信玄の「三増峠の戦い」(神奈川・愛川町)が有名です。信玄は、松に大将旗をはためかせ、勝利への士気を高めました。  

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2015年04月17日

人生即努力、努力即幸福

 暖かくなると、外の空気が吸いたくなりますね。公園歩きが楽しい季節です。東京都心のオアシスとして親しまれる日比谷公園は、1903年の開園です。「公園の父」本多静六博士が整備したことで知られています。
 博士は、苦学を重ねてドイツに渡り、日本人初の林学博士となりました。25歳から毎日1㌻の執筆を自身に課し、生涯に370冊以上の著作を編んだそうです。書くほどに次第に面白くなった自身の体験などから、博士は「職業の道楽化」を訴えました。仕事に全力で打ち込み、日々の勤めが愉快で、面白くてたまらないというところまでくればよい。その道楽化の”カス”として、金にも名誉にも恵まれてくる、と(『本多静六自伝 体験八十五年』)。
 この仕事哲学から、博士の「人生即努力、努力即幸福」という言葉が生まれました。  

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2015年04月16日

躍動の季節へ

 道端にハコベやナズナ、ホトケノザの花が咲いています。まばゆい光の下で、白やピンクが一層、美しく輝いていた。光に満ちた春ですね。
 一般に太陽高度が上がるにつれて日射量も増していきますが、東京の場合、ピークは5月だそうです。4月でも、盛夏の8月の日射量に匹敵する時もあると。これは桜の開花や新緑の時期とも相まって、光の輝きを強く意識するのも自然なことといえます。また、風向きの傾向も、4月から5月にかけて、北風から南風に変わります。万物が躍動の季節へ動いていく時です。  

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2015年04月15日

アルジャントゥイユ

 明るい自然光に包まれた「アルジャントゥイユ」は、マネが印象派の手法を取り入れた斬新な人物画です。アルジャントゥイユとは、パリ郊外にあるセーヌ川沿いの町の名前で、印象派の巨匠モネが約6年間、住んだことでも知られています。この町の対岸にある別邸にいたマネがモネのもとを訪れ、触発を受け、戸外制作した作品が「アルジャントゥイユ」なのです。
 モネとの交友がマネの新しい作風をつくりました。人と人との出会いは世界を広げ、新しい自分をつくります。新たな出会いが待つ春、古い友人を大切にしながら、新しい友情を結んでいきたいものです。  

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2015年04月14日

励ましの手

 新年度、新しい学校で、第一歩を踏み出した友が大勢います。なかには、不本意な進路と感じている人もいるだろう。しかし、人生の活路は必ずあります。それを見つけ出すには、諦めずに努力するしかありません。
 後押しする周囲の大人の存在も大切です。「若き心は鋭敏です。温かい心のぬくもりを子どもたちは一生涯、忘れないものだ」と創価学会の池田名誉会長は語っています。芽を吹き、伸びようとする青年たちに、励ましの手を差し伸べて、心の滋養を送りたいものです。  

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2015年04月13日

縄文時代に学ぶ

 青森・八戸で発掘された国宝「合掌土偶」を知っていますか。これは女性の座像で、真剣に祈る姿に似ています。不安を克服して生きるための「祈り」が込められていると言われています。
 又、9000年前の青森・中野平遺跡からは大型の竪穴住居跡が発掘された。これは、住居というより座談や祭礼などの集会所として使われたと推測されています。
 縄文時代は1万年間、戦争がなかった時代として知られています。E・H・カーは、歴史とは「現在と過去との間の尽きることを知らぬ対話」(清水幾太郎訳『歴史とは何か』岩波新書)と述べています。紛争と分断の近現代史を生きる私たちは、「祈り」と「座談」という太古のメッセージから、平和を願い、助け合って生きる人間の原点を学び取りたいものです。  

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2015年04月12日

学ぶとは素読することだったそうです

 古にさかのぼれば、学ぶとは素読することだったそうです。「読書百遍意自ら通ず」と言うように、口に出し、覚えるほどに読み込むなか、文章の深い意味へと理解が及ぶのです。
 福沢諭吉は若き日、古典の大著『春秋左氏伝』を11度も読み返し、面白い部分は暗記したという逸話があります。名文には人間を鍛える力がある。しかも、人生の経験を重ねると、心に刻んだ一文は時に通途の解釈を超えます。そして、その人独自の指標として新しい輝きを放ちゆくのです。  

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2015年04月11日

次への“先手”を打っている

 花吹雪の光景をまぶたに残し、東京ではもう、葉桜が風に揺れています。若葉がいっぺんに伸びる瞬発力。聞けば、ソメイヨシノなどは「花芽」と同時に「葉芽」も成長しているそうです。花の陰で、桜は既に、次への“先手”を打っているのです。  

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