2018年10月26日

言葉に生きた

 劇作家で歌人の寺山修司さんが晩年、病身を押して、大学時代の親友で、脚本家の山田太一さん宅を訪れました。”おまえの本棚を見せろ”と言う寺山さんを案内し、2人は懐かしい本を前に、来し方を語らったそうです。
 これは寺山さんの葬儀で、山田さんが弔辞に紹介したエピソードです。どんな本を持ち、どんな文章を読んできたか。それが人格をつくり、人生の背骨となっていく。言葉に生きた2人に、深く学ぶ思いですね。  

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2018年10月25日

 人生、順風もあれば嵐もある

 将棋棋士の大山康晴氏は十五世名人になった翌年、屈辱的な敗北を喫し、無冠に陥落しました。良い時は群がるマスコミも、潮目が変わると手のひらを返す。そんな大山氏を、父が励ました。「自分の将棋を指すように心掛けなさい」(『名棋士81傑 ちょっといい話』講談社)
 そこからの巻き返しはすさまじかった。2年のうちに、王将、九段、名人の三冠を奪取し、以後、名人戦13連覇などを果たしました。さらに、がんの闘病も勝ち越えるなど、生き方そのものが“不死鳥”さながらであったのです。
 氏は、あの父の言葉を、どう受け止めたのだろう。“肩書や立場ではなく、「将棋」という使命の舞台で、自分の信念を貫け”という指針として、胸に刻んだように思えてならない。
 人生、順風もあれば嵐もある。忘れてならないのは、いかに周囲の状況が変わろうと“自分は自分”であるということです。何があろうと前を向いて、一つ一つ、誠実に努力を重ねる。いつか嵐がやんだとき、目覚ましい成長を遂げた自分を発見することでしょう。
 大山氏は色紙に揮毫する際、「忍」とよく書きました。不遇の時代にこそ、本物の負けじ魂が磨かれるのです。  

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2018年10月24日

JR九州

 旧国鉄の民営化から本年ではや31年です。大都市圏を擁する本州に比べ、多くの赤字ローカル線を抱えていたJR九州は当初、将来を不安視されていました。
 さまざまな営業努力を重ねた同社は、一昨年10月、ついに株式上場を果たしました。その躍進を支えた同社の“合言葉”は「本気で『日本一』『世界一』を目指す」だそうです。
 予約が取れないほど人気の寝台列車「ななつ星」では、運行の1年前に乗務員を決め、徹底して研修しました。韓国の釜山と福岡を結ぶ高速船事業は、10年計画で社員の船員資格取得から始めたそうです。鉄道事業の「サービスの基本39カ条訓」に「電話に出る時の声のトーンは、ドレミファソの『ソ』の音で」と明記するなど、細部まで“世界一”を目指しました(唐池恒二著『本気になって何が悪い』PHP研究所)  

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2018年10月23日

レンガ運びをする

 寓話を一つ紹介します。ある日、レンガ運びをする3人がいました。彼らに通り掛かりの人が尋ねました。「何をしているんだい」1人目は「レンガ運びだよ」と答えました。2人目は「壁を作っているのさ」。そして3人目は誇らかに「城を建てているんだ」と。見た目は同じ作業をしていても、心の持ち方一つでやりがいは大きく変わるのですね。
 「何のため」という目的を考える人の心は、限りなく広がっていくりです。  

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2018年10月22日

時間管理ができる人

 “重要かつ急ぎの仕事は、多忙な人に頼め”と、ビジネス界ではよく言われます。多事でも自身の時間管理ができる人は、有能で仕事もできる人だからです。
 一方、「忙しい」が口癖になっているだけの人は、心の余裕がないようにも見えてしまいます。  

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2018年10月21日

バック・トゥ・ザ・フューチャー

 2015年10月21日。この日で思い出すことはありますか。答えは、大ヒットしたSF映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の2作目で、主人公らが30年後の未来にタイムスリップする際、設定したのが、この日だったのです。
 あらためて映画の2015年のシーンを見ると、指紋認証や顔認証システムなど、今では実用化されたものが多く登場していました。未来予想は、はずれる場合も多いですが、現実になった時の驚き、感動は大きいと思いました。  

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2018年10月20日

開拓の歴史

 北海道北広島市には「寒地稲作発祥の地」を記念する石碑があります。1873年、中山久蔵が赤毛種を用いた稲の栽培に成功しました。その後、彼は種もみを無償で提供し、北海道の稲作の普及に尽力。「寒地稲作の父」と仰がれています。
 彼は、もともと農業には全くの素人で、開拓使からは侮蔑的な言葉も浴びせられました。日本政府は北海道での稲栽培を“不可能”と考え、畑作を強制しましたが、久蔵は諦めない。深夜、風呂の残り湯を苗代に運び、水温を上げるなど、必死の努力を続けたのです。3年目、執念は実を結び、石狩・空知地方へと米作りは広がっていったのです。
 久蔵の稲作にみられる通り、北海道の歴史はあらゆる点で「開拓の歴史」といえましょう。  

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2018年10月19日

目の前が一気に開けてくる

 クライマックスシリーズがたけなわだが、元プロ野球選手の豊田泰光さんは、黄金期の西鉄ライオンズなどで活躍しました。4度出場した日本シリーズでは通算3割6分2厘の高打率。現役の終盤には2試合連続代打サヨナラ本塁打を放つなど、土壇場で大役を果たしました。そんな豊田さんが論じる「勝負強さ」が興味深いです。
 いわく、勝負に弱い人は打席に入っても「なぜ打てないのか」と悩んでしまう。反対に、勝負強い人は「どうやったら打てるだろう」と考える。すると、相手が見えるようになり、目の前が一気に開けてくるという(『豊田泰光のチェンジアップ人生論』日本経済新聞社)  

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2018年10月18日

アンパンマンの歌

 アンパンマンの作者、故・やなせたかしさんは詩人でもあり、多くの歌を作りました。アニメの主題歌「アンパンマンのマーチ」も自ら作詞しました。30年前の放送開始以来、子どもからお年寄りまで幅広く愛されてきました。
 実はテレビで流れているのは2番の歌詞で、1番はあまり知られてこなかったのです。その〝幻の1番〟が、東日本大震災の後、広く歌われるようになりました。
 ある日、被災地でラジオから流れたフルコーラスの〝アンパンマンの歌〟。1番は「そうだ うれしいんだ 生きる よろこび たとえ 胸の傷がいたんでも」と始まり、「なんのために 生まれて なにをして 生きるのか」と続きます(JASRAC出1313066―301)
 やなせさんが〝世界最弱のヒーロー〟と呼んだアンパンマンの強さとは「傷つくことを恐れない強さ」。何度も立ち上がる姿を歌った歌詞が被災者を勇気づけたのです。  

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2018年10月17日

朝活

 始業前の朝の時間を勉強や趣味など自己研さんにあてる「朝活」も、耳慣れた言葉になりました。
 そもそも、なぜ「朝活」は良いのか。脳科学者の茂木健一郎氏によると、朝、目覚めてからの約3時間は、脳が最も活発に働く時間帯とのこと。
 人が一日の活動で得た情報は、いったん短期記憶として脳内に保管されます。それが睡眠中に整理され、長期記憶へと変わり、朝一番の脳はきれいに“クリーニング”された状態に。そのときを逃さず、良い刺激を与えることで、「1日の効率を何倍もアップさせることも可能」と氏は語っています(『脳を最高に活かせる人の朝時間』河出文庫)  

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2018年10月16日

「の弟子。笠智衆」

 俳優の故・笠智衆氏がサインを頼まれた話です。快諾した氏は何の迷いもなく、「小津先生」と大きく書いたそうです。そして、「の弟子。笠智衆」と続けました。サインの依頼主だった作家の久世光彦さんが自著『触れもせで』(講談社)に紹介しています。
 笠氏は、そう書くことで自分に誇りを持ち、自戒もしたのです。“私はカメラの前ではなく、師と仰ぐ小津安二郎監督の前で演じるのだ”と。常に師匠と一緒だ、との思いが名優の座を築き上げたのでしょう。  

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2018年10月15日

最高の墨色

 その昔、一流の書家は良質の墨色を得るために、あえて12歳くらいの子どもに墨をすらせたという。それは、純粋にして無垢な心の持ち主がすってこそ、最高の墨色が出ると考えられていたからです。
 えり抜きの硯や固形墨をそろえても、する人に功名心や俗心があれば、墨は濁ります。それでは、書き手の卓抜の実力をもってしても、不本意な作品となってしまう――そう捉えたのでしょう。  

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2018年10月14日

連作障害

 種から育てた野菜の多くは、毎年、同じ場所に植えると、虫や病気に侵されて「連作障害」を起こすそうです。
 その為、植物は、自らは動くことはできないのですが、風に乗せたり、昆虫や動物にくっつけたりして、〝わが子〟である種を未知の場所へ、後継者として送り出すのです。  

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2018年10月13日

夢は「パイロット」

 羽田空港の展望台に立つ少年が、食い入るように飛行機を見つめていました。彼の将来の夢は「パイロット」なのです。そこに副操縦士になって間もない青年がやってきました。
 「何か質問はある?」と青年が促すと、少年は口を開きました。「離陸や着陸の方角って決まっているんですか」。答えは「向かい風が吹いてくる方向だよ」。管制塔から操縦室に「風の方角」が伝えられ、それによって機体の向きを調整するのだと。
 離陸時に向かい風を揚力に変えるのはよく知られていますが、着陸時もまた、向かい風を生かしてバランスを取るという。無風は、かえって危険とのこと。そうなんだ。知らなかった!  

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2018年10月12日

「秋」の語源

 この時期、新幹線の車窓から、陽光に輝く稲穂が見えます。稲の穂が熟し、黄色に変化していくことを「黄熟」と書き、「あかり」とも読む。これが「秋」の語源との説もあるそうです。
 稲は頭を垂れても倒れない。しっかりと地中に根を張っているためです。この根を活性化させ、土の中に酸素を送り込むための作業が「中干し」といいます。田を満たしていた水を全て抜き、表面の土を乾かす。水がなくなるという状況の中で、稲は強さを増すのです。
  

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2018年10月11日

決勝点が明確だったからです

 私も活用している、5年日記『道』(聖教新聞社刊)では、四季を彩る池田先生の写真と箴言が月ごとに紹介されています。10月の写真は秋空に映えるナポレオン像。箴言は「大事なことは/勇気の一歩である/今、自分ができることから/一日一日/一つ一つ/挑戦していくことだ」と。
 ナポレオンのモットーは「一瞬たりとも失ってはならない」。彼に反対する勢力との和平会議でのこと。反対勢力は、2日間の猶予を申し出た。彼は言った。「2時間でできることに、2日もかけはしない」。電光石火のスピードこそナポレオンの真骨頂でした。
 彼は命令書の余白に、自分の手で「活発! 迅速!」と書き込みました。“明日やればいい”“誰かがやるだろう”という「先延ばし」「逃げ」の心を徹底して追い出したのです。「勝利は蓋しわが神速果敢なる行動の中に在ったのだ」(難波浩訳)
 なぜ迅速果敢な行動ができたのか。決勝点が明確だったからです。彼の素早い決断は、「必ず勝つ!」との強き一念を燃やし、最高の作戦を考え抜いていた結果にほかならないのです。  

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2018年10月10日

万国共通です

 54年前の1964年10月10日、東京五輪の開会式でした。秋晴れの国立競技場には、過去最多となる94カ国・地域の旗が掲げられました。ひときわ誇らしく翻ったのは、戦後、植民地からの独立を遂げたアフリカ諸国の新国旗。さらに2週間後の閉会式では、この日、独立を果たしたザンビアの選手たちが真新しい旗を手に行進したのです。
 半世紀前の五輪は、戦後の〝新たな世界の到来〟を告げる祭典ともなりました。その後も新しい国々が生まれています。2年後の東京五輪では、いくつの旗を迎えるでしょうか。
 国旗のない国はありません。そして各国の旗には、それぞれ深い意味が込められています。一つの旗を掲げ、力を合わせて良い国をつくろうと願う心は、万国共通です。
  

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2018年10月09日

学校以外の「学びの場」

 「10(じゅ)」と「9(く)」の語呂合わせから、今日、10月9日は「塾の日」だそうです。
 文部科学省の調査では、全国の小中学校で、不登校の児童生徒数は約12万人もいるそうです。そのセーフティーネットとして、学校以外の「学びの場」の重要性が高まっています。  

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2018年10月08日

三つの坂

 結婚式のスピーチなどでしばしば耳にするのが「三つの坂」です。曰く、①上り坂②下り坂、そして③まさか、です。人生、調子が良い時も、悪い時も、さらに予想もしない出来事が起きた時も、力を合わせて乗り越えてほしいという励ましです。
 「まさか」と、一瞬ひるむほどの困難に出あう――程度の差はあれ、誰にでも経験のあることでしょう。人生の先輩方が、自身の経験と重ね合わせて語るからこそ、心に響く助言になるのかもしれません。
 では、ピンチの時にどうするか。“赤毛のアン”で有名なカナダの作家モンゴメリーは、主人公のアンに語らせています。「小さな障害は、笑いの種だと思い、大きな障害は、勝利の前兆だと考えられるようになったの」(掛川恭子訳『アンの愛情』講談社)と。
 創価学会の池田先生はこの言葉を紹介し、「状況が厳しければ厳しいほど、強気で人生を生き抜いていくことだ。勇気をもって、断固として前へ、また前へ、突き進んでいくことだ」と述べています。そうだ!! 強気で前進だ。  

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2018年10月07日

厳しい条件の中で育てることで

 全国一のカキ養殖量を誇る広島県。身を大きくするのに必要な、大切な工程があるそうです。それは、カキの幼生を“潮の干満にさらす”こと。わずか約0・3ミリの幼生は、外気に当てるなど厳しい条件の中で育てることで、濃厚な味わいと豊富な栄養分を持つのだそうです。
 今回の台風で被害が心配されましたが、順調よく育っているそうです。  

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