2019年02月13日

慈悲と智慧は一体

 釈尊の教団にいた「須梨槃特」は、仲間から見れば“困った人”。でした。理由は、自分の名前すら忘れるほど物覚えが悪かったのです。その為、複雑な修行についていけず、兄弟子によって教団から追い出されてしまいました。だが釈尊は違った。涙ぐむ彼の手を優しく取り、励ました。「一緒に頑張ろう」。そして短い言葉で、ゆっくり教えを説いたのです。師の心を知り、教えを愚直に実践することにおいて、須梨槃特は誰にも負けなかった。やがて、見事に悟りを開いたのです。
 100人いれば100の個性がある。仏はその「違い」を尊重しました。全ての人に法を弘めるために、思索と工夫を重ねたのです。
 仏法では、慈悲と智慧は一体であると説いています。どうすれば困っている人、悩んでいる人に勇気と自信を送れるか。心を砕き、祈り抜く限り、智慧は必ず湧いてくるのです。

この記事へのトラックバックURL

http://asunimukatuye.mediacat-blog.jp/t133260