2019年02月09日

失敗から学ぶ

 書店で『ざんねんな〇〇』や『しくじり〇〇』といった題名の本を目にします。ここには歴史に残る偉人たちの“失敗談”が紹介され、広い世代の共感を呼んでいるそうです。
 偉人といえども“完全無欠”ではなく、むしろ多くの欠点や失敗があったことにほっとしますね。同時に、そうした失敗から立ち上がり、信念を貫いたからこそ、偉業を成し遂げられたのだと改めて思います。
 「失敗学」で知られる東京大学名誉教授の畑村洋太郎氏は、自らの失敗から学ぶ「体感学習」の大切さを強調しています。すなわち、失敗して“つらい”“悔しい”と強く思う時、その失敗体験が心に根付き、新たな知識を受け入れる素地ができる。「その素地の有る無しが、失敗をバネにできるかできないかの差」と氏は語っています(『図解 使える失敗学』KADOKAWA)  

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2019年02月08日

ウルトラマン

 「ウルトラマン」。光の国からやってきて地球を守る正義の味方は、瞬く間に子どもたちの心をつかみ、その後の兄弟シリーズも人気を博しました。「最も多く派生シリーズが誕生したテレビ番組」として、ギネス世界記録にも認定されています。
 ウルトラマンの生みの親・円谷英二監督は若いころ、ミスをきっかけに、予算も設備も調わない“格下”の映像制作に回されました。だが、そこで、少ない光量で撮影したネガを特殊現像で補正したり、粗末なセットを立派に見せるなど、数々の技術を編み出し、後の成功の基礎を築いたのです。
 “特撮はお金が掛かるのでは?”と問われた円谷監督はこう答えました。「冗談いっちゃ困るね」「大体トリックというのは貧乏の生んだ知恵なんだ」(昭和41年9月「キネマ旬報」)恵まれた環境がなければ、よい成果が出せないとは限らない。与えられた条件の中で、知恵を絞り、創意工夫を重ねる中で、誰にもまねできないほどの作品さえ生み出せる。苦難の中で、不屈の自己は磨かれる――これは人生の真理です。
 ウルトラマンは、地球では3分しか戦えなかった。その厳しい条件を課されながら、怪獣を倒した。ここにも、名作となった理由があるのかもしれない。  

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2019年02月07日

自分の耳で何を聞き取るか

 目や口を閉じたり、鼻の呼吸を止めたりはできますが、耳は手などを使わないとふさげません。耳は器官の中で、“遮る”ことから最も遠いといえるかもしれないですね。
 日蓮大聖人の御聖訓には「この娑婆世界は耳で法を聞いて仏道を得る国」(御書415ページ、通解)としたためられています。池田先生は「耳は、小宇宙から大宇宙に向かって開かれた『生命の窓』」と語っています。ならば、相手の耳に何を届けるか、自分の耳で何を聞き取るかが、自他共の幸福を築く上で重要となる事でしょう
  

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2019年02月06日

こんなにやりがいのある仕事

 配管工の仕事に「きつい」「汚い」「危険」の“3K”のイメージを抱く人は少なくありません。
 都内で上下水道工事店を営む若者が、一昨年から掲げた“3K”は「感謝」「稼げる」「感動する」です。まず自ら職人たちへの感謝を形にしました。言葉で、笑顔で、職場環境の改善で。すると皆がやる気に満ちてきたのです。個々の長所も見えるようになり、適材適所で現場を任せ、業績は向上。今春の給与引き上げも約束しました。
 彼は訴えます。「『水』をつなぐ仕事は『命』をつなぐ仕事だ」。大寒波で水道管の破裂が相次ぐと、休日にもかかわらず修繕に当たる職人の激励へ。心からねぎらうと、土にまみれた顔から笑みがこぼれた。「こんなにやりがいのある仕事はないですよ」と。  

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2019年02月05日

ありのままの自分

 この時期、寒風の中で色鮮やかに咲き薫る梅や椿の美しさに目を奪われます。
 花々は直接、何かをしてくれたわけではありません。ただ“咲いているだけ”です。しかし、自身の使命を全うするかのように色めく姿は、大切なことを教えてくれます。
 心理学者のアドラーは、「普通であることの勇気を持て」と訴えた。子の存在そのものが親にとっての喜びであるように、特別なことをした時にだけ自分に価値があるのではなく、“ありのままの自分でこそ他者に貢献できる”と捉えれば、生きる勇気が生まれると(岸見一郎著『生きづらさからの脱却』筑摩選書)納得!!  

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2019年02月04日

世界平和へもつながる道ですね

 A君が、B君のオモチャを取り上げ、B君が泣きだした。どう解決するか。中国の名門大学の研究者一行が、札幌創価幼稚園を視察した際、教員に質問しました。まずA君を抱きしめて、B君に優しいまなざしを注ぎながら、「どうしてB君のオモチャを取ったの?」と聞きます――と教員は答えたそうです。
 オモチャを取ったのには、園児なりの理由があります。抱きしめて安心させ、じっくり話を聞くことで、頭が整理され、相手を思いやる心も芽生えます。これは、創価学会の池田先生のエッセー集『21世紀の世界ビジョン――愛する北海天地から』(潮出版社)に紹介されていた話です。
 教員の説明に、研究者は「皆が幼少期にこういう教育を受ければ、世の中の大小の問題は必ず解決していけます」と。そして続けた。「世界平和へもつながる道ですね」と。  

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2019年02月03日

手書きの価値

 メールやLINEなどのSNSによるコミュニケーションの機会が急速に増える一方で、手紙やはがきの“手書きの価値”が見直されているようです。
 手紙文化振興協会代表理事のむらかみかずこさんは年間1000通の手紙を書くそうです。“2日前に来たメール”の内容は思い出せないものだが、手書きの一通であれば必ず相手の記憶に残る。“わざわざ手間を掛けて手書きしてくれた”という印象が、いつしか好意や信頼に変わるのです。  

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2019年02月02日

桜前線

 今、沖縄では、ヒカンザクラが開花となり、多くの観光客でにぎわっています。
 “桜前線”といえば南から北上していくものですが、沖縄のヒカンザクラは、沖縄本島の北部から“南下”します。一般に、秋に成長を止めた桜の花芽は、冬の寒さによって休眠から目覚め、気温上昇とともに成長を再開するそうです。ただ温暖な沖縄では、本島北部の方が早く低温になるため、花芽の目覚めがより早期に始まるそうです。  

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2019年02月01日

結果より過程

 プロ野球12球団のキャンプが、きょう一斉にスタートします。
 プロ野球で戦後初の三冠王となった野村克也氏。そのプロ野球人生は、南海ホークス(現・福岡ソフトバンクホークス)のテスト生として始まったが、1年目には解雇を通告されたこともありました。危機感を持った氏はプロ野球で生き残るために「1日24時間をいかに使うか」を真剣に考えました。他の選手が休んでいる間もバットを振り、試合後には相手投手の配球データを分析するなど、地道な努力を重ねたのです。
 45歳で引退するまでに本塁打王9回の大打者は、結果より過程を重視したという。「プロ野球の『プロ』は『プロセス』の『プロ』でもある」と(『私のプロ野球80年史』小学館)納得!!  

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2019年01月31日

印象に残った

 大学に進み、実家のある福岡県を離れた青年の元に、母親から毎日、地元紙の北九州版のページが送られてきました。青年は、故郷の様子を知らせてあげたいという親心と受け止めました。“青年”は後年、大手ビール会社の社長も務めた福地茂雄さんです。
 数ある思い出の中から、これを選んで書籍『母を語る』(NHKサービスセンター)で紹介しています。よほど強く印象に残ったのでしょうだろう。経営の一線から退いた福地さんが、文化活動に力を入れたのも、常に庶民の暮らしに目を向けさせた、母のおかげかもしれませんね。  

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2019年01月30日

一通の手紙

 「自分が文学をやるのも、そう長くはないだろう」。ロシアの文豪チェーホフは若い頃、自分を卑下し、無力感に沈んでいたそうです。
 そんな彼を変えたのは、一通の手紙だった。差出人は、かつて一度会っただけの著名な文学者。「(あなたの作品は)残らず読みました」「あなたには真の才能がある、新しい世代の文学者の中でも、群をぬいたものをもっている」――思いもしない言葉に、チェーホフは感動で胸を震わせ、何度も読み返して再起を誓った(アンリ・トロワイヤ著、村上香住子訳『チェーホフ伝』中央公論社)  

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2019年01月29日

まず自分が変わることでしょう

 親なら誰しも、わが子に「こうなってほしい」と願望を抱くものです。だが理想と現実の違いに焦り、目に見える〝変化〟を求めてばかりいると、期待に応えようと「自分らしさ」をのみ込んでしまう子どもも少なくないですね。
 民音主催「親子のための手作り楽器の体験学習・音楽会」の講師を務める池田邦太郎氏は「子どもたちの素直な心を尊敬し、大人が彼らより『下に(アンダー)立った(スタンド)』時、初めてその心が『understand』=理解できる」と語っています。
 英語で「education」は「教育」と訳されますが、福沢諭吉はこの訳に異を唱えました。『文明教育論』で「学校は(中略)天資の発達を妨げずしてよくこれを発育するための具」とあり、「教育」ではなく「発育」と訳すべきであるとしています。
 価値観を上から押しつけるのでなく、相手に本来そなわっている可能性を見いだそう、引き出そうと真摯に努力する――その姿勢を敏感に感じて子どもは伸びていくのです。
 人を教育しようと思うなら、まず自分を教育する。相手に変わってほしいなら、まず自分が変わることでしょう。  

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2019年01月28日

道は一つではない

 少年剣士が思わぬことで大けがを負い、二度と剣を振れなくなってしまう。強い武士に憧れた少年にとって、人生を失うにも等しい挫折だった――この少年は昨年、放映されたNHK大河ドラマで描かれた西郷隆盛です。
 作中、痛嘆する西郷少年に、生涯の師となる島津斉彬は語りかけました。「弱き者の声を聞き、民のために尽くせる者こそが真の侍となる。お前はそういう侍となればよい」。西郷少年は武術ではなく、学問で身を立てることを志したのです。
 人生、思い通りにいかないことは多い。だが、道は一つではない。周囲の関わりや励ましで、かえって大きな使命の道が開けることもあるのです。  

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2019年01月27日

徳のある人物

 中国のことわざに「桃李もの言わざれども下自ら蹊を成す」とあります。これは司馬遷が、前漢時代の武将・李広を評して使った言葉です。
 桃や李は何も言わないが、その花の美しさや果実に引かれて人が集まり、自然と木の下に道ができる、との意味です。李広は口下手だったそうです。だが人柄は勇敢で無私無欲。温かく、部下思い。皆が李広を愛し、喜んで共に戦ったといわれています。多くを語らずとも、徳のある人物のもとに自然と人が集まることは、古今に変わらぬ真理ですね。  

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2019年01月26日

釈尊の化導

 「西遊記」はご存じの通り、猿の化身・孫悟空が三蔵法師と出会い、仏の教えを求め、インドへ向かう物語です。
 ある少年が「西遊記」の本を読み、母に尋ねました。「孫悟空は、いっぱい戦って、遊んでなんていないのに、どうして『西遊記』なの?」。母はほほ笑み、漢字辞典を一緒に開いたそうです。「『遊』には『よそに出掛ける』という意味があるんだね」と少年は納得しました。「遊説」「遊学」などは、こちらの意味に近いのです。
 釈尊の化導は「遊行」といわれました。全インドを歩きに歩き、民衆の中で仏法を説き、弟子にも〝四方のどこにでも赴き、苦難に耐え、全てに打ち勝って歩め〟と呼び掛けたのです。  

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2019年01月25日

手袋

 作家の向田邦子さんが、片方の手袋をなくした時のことをエッセーにつづっています(『父の詫び状』文春文庫)。
 気に入っているため、もう片方を捨てるに忍びない。そんなある日、偶然、同じ手袋の片方だけを拾ったそうです。届け出ますが、持ち主は現れず、結局、向田さんが譲り受けました。ただ喜びもつかの間。その手袋は残しておいたのと同じ左手用だったのです。
 手袋は左と右がそろってこそ役に立ちます。相対する存在が互いを意味あるものにする――それは人生においても一つの真理でしょう。  

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2019年01月24日

具体的な相手

 「あなたのアイデアは?」。決まった答えではなく、意見や考えを問う教育への転換が叫ばれて久しいですね。目標のモデルが存在せず、激変する世界に対応しながら幸福社会を創造するには、「新しい発想」が不可欠だからです。
 では、発想力をどう磨くか。明治大学の齋藤孝教授は『考え方の教室』(岩波新書)で、目の前で困っている人に「どうしてあげたらいいんだろう?」と考えることだと指摘しています。条件が曖昧だと、考えもまとまりにくい。具体的な相手を思い浮かべることで、発想しやすくなるからです。  

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2019年01月23日

基本を示す言葉

 「カメラは足し算、写真は引き算」といわれます。これひ、写真をうまく撮るための基本を示す言葉です。
 「カメラは足し算」とは、レンズやストロボ等の付属品も含めたカメラの機能のこと。足せば足すほど、さまざまな状況の変化に対応でき、思い通りの撮影が可能になります。片や、「写真は引き算」とは、シャッターを切る際、不要なものがフレームに入らないようにすることです。余計なものを引いたぶん、残った〝本当に写したいもの〟が際立ちます。
 写真に限らず、これは物事全般に通じます。足し算とは「事前の準備」にあたり、引き算とは「実践の現場」にあたるといえるでしょう。事に臨んでは、十分に準備を重ね、実際の行動では、その準備の中から、必要なものを適切に選択することが大切になるのです。  

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2019年01月22日

人生の転換期

 東京・日野市の佐藤彦五郎新選組資料館に、土方歳三の愛刀「康継」が所蔵されています。
 司馬遼太郎の小説『燃えよ剣』(文藝春秋)に、こんな場面があります。新選組の行く末を案じて「この先、どうなるのでしょう」と尋ねる沖田総司に土方歳三が、からからと笑って答える。「どうなる、とは漢の思案ではない」「おとことは、どうする、ということ以外に思案はないぞ」と。
 人生の転換期にあって、未来は「どうなるか」と思いあぐね、試練の激流に翻弄されるか。それとも厳しい現実を直視しつつ、未来を「こうする」と目標を定め、実現のために行動を起こすか。自分の人生という劇の主役は自分しかいないと腹を決めて、真正面から立ち向かうしかないのです。  

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2019年01月21日

会話は、話す方が満足感が高い

 企業・団体などでは、管理職が部下との面談を定期的に行うことが多いですね。その際、管理職が陥りがちな落とし穴として、臨床心理士の宮城まり子さんは“アドバイスのし過ぎ”を指摘しています。
 その理由は「会話は、話す方が満足感が高い」から。部下を指導するうちに、自分だけ“満足”してしまう上司が少なくないといっています。宮城さんは、大事なのは相手の話を最後まで聞く「傾聴」であり、「“言葉のプレゼント”をあげようとする必要はない」と語っています。
 確かに、悩みを打ち明けられた時、具体的な解決策など示さなくても、ただ聞いてあげるだけで「気持ちが楽になった」「すっきりした」と言われることがあります。親身に、最後まで話を聞いてもらった時に、人は“分かってくれる人がいる”と前向きな一歩を踏み出せるのです。
 しかし、ただ“話を聞く”といっても、実は容易ではありません。「傾聴」は受け身ではなく、能動的な行為だからです。相手に向き合い、話に全神経を集中させる。途中で話を遮ったり、こちらの考えを押し付けたりしない。沈黙が訪れても待つなど、粘り強さが欠かせないのです。
 話し上手は聞き上手。話を聞くとは、相手を一人の人間として受け入れ、尊重する心の表れ。ここに実り多き、励ましの第一歩があるのですね。
  

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