2019年01月28日

道は一つではない

 少年剣士が思わぬことで大けがを負い、二度と剣を振れなくなってしまう。強い武士に憧れた少年にとって、人生を失うにも等しい挫折だった――この少年は昨年、放映されたNHK大河ドラマで描かれた西郷隆盛です。
 作中、痛嘆する西郷少年に、生涯の師となる島津斉彬は語りかけました。「弱き者の声を聞き、民のために尽くせる者こそが真の侍となる。お前はそういう侍となればよい」。西郷少年は武術ではなく、学問で身を立てることを志したのです。
 人生、思い通りにいかないことは多い。だが、道は一つではない。周囲の関わりや励ましで、かえって大きな使命の道が開けることもあるのです。

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