2019年02月17日

慈悲に通じる

 ある病院に、いつもトラブルを起こす外来患者がいました。その患者は治療室に入ると、小言を言っては、看護師につえとバッグを放り投げつけます。その為、病院のスタッフから敬遠され、ある看護師は、“なるべく自分の担当にならないように”と考えていました。
 しかし、彼女は気付いたのです。その病院の外来は受診者も多く、治療までに数時間、待たされることもあります。その人が抱える病気の不安、待ち時間のストレスや疲労、治療の副作用などを思えば、「つえやバッグを投げられるくらい、どうってことない」と。
 以来、彼女は、その患者を待合室で見掛けると、長時間待たせていることを謝りつつ、笑顔で話し掛けました。1年が過ぎたころ、患者は声を荒らげなくなり、つえとバッグを横に置いて笑顔で治療を受けるように。さらに治療後は、使ったタオルケットをきれいに畳んで部屋を出るまでになったそうです。
 どんな相手にも、必ず善心がある。だが凡夫の私たちが、常に慈悲の心で接することは難しい。ゆえに創価学会の戸田第2代会長は「勇気をもって仏法を実践していくことが慈悲に通じる」と教えたのです。

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