2012年11月05日
人間の性質
東海道新幹線の開業から約半世紀。これまで、事業者側に責任のある乗客の死亡事故はありません。しかし開業から数年は、あわやの事態の連続だったそうです。
1967年、運転車両部長の齋藤雅男氏はある駅を視察し、助役2人と面会しました。1人に非常時の対応を問うと、20以上もの項目を全てそらんじました。もう1人も伝令方法について、暗記内容をすらすら答えたそうです。
だが齋藤氏は、暗記の努力を褒めるどころか、チェックリストを指し、強く言ったそうです。「これに従ってやれば、ミスはない。憶えることは絶対に禁止する」"非常事態は突然起こる"。人間の心も“非常”の状態になる。と指摘しました。
マニュアルを記憶していても、正しく判断できるものではない。氏は、慢心に陥りがちな人間の性質を指摘したのだ(『新幹線安全神話はこうしてつくられた』日刊工業新聞社)
1967年、運転車両部長の齋藤雅男氏はある駅を視察し、助役2人と面会しました。1人に非常時の対応を問うと、20以上もの項目を全てそらんじました。もう1人も伝令方法について、暗記内容をすらすら答えたそうです。
だが齋藤氏は、暗記の努力を褒めるどころか、チェックリストを指し、強く言ったそうです。「これに従ってやれば、ミスはない。憶えることは絶対に禁止する」"非常事態は突然起こる"。人間の心も“非常”の状態になる。と指摘しました。
マニュアルを記憶していても、正しく判断できるものではない。氏は、慢心に陥りがちな人間の性質を指摘したのだ(『新幹線安全神話はこうしてつくられた』日刊工業新聞社)