2015年05月12日

フランスの画家ミレー

 フランスの画家ミレーは、パリの南約60㌔のバルビゾン村に住み、農民の日常の暮らしなどを描きました。「落穂拾い」や「種をまく人」などの作品が有名です。
 農民の素朴さを丹念に描く画題を、しかし当時の美術界の権威だったサロン・ド・パリ(官展)は野蛮と評しました。そんななか、ミレーは「我々は、いかなる所から出発しても、崇高に至ることができるし、目標が大きければ、うまく表現することができる」(『ミレーの生涯』井出洋一郎監訳)と、農村を描く誇りを持ち続けたのです。  

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2015年05月11日

他者と喜びを分かち合う能力

 人間は情緒を発達させる初期である乳児期に、他者と喜びを分かち合う能力をすでに持っています。「赤ちゃんは自分一人で喜んでいるのでは、あまりうれしくありません。お母さんと一緒に、喜び合いたいのです」「大切な相手と一緒に喜びを分かち合うことに、大きな喜びを感じることができるようになっています」。児童精神科医の佐々木正美氏は、こう述べています。
 共感し、喜び合うことが人間に、より大きな幸福感を与えます。それは一人ではできないことなのです。人と会い、人と語り、心を通わせる中から生まれるのです。  

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2015年05月10日

本当の「賢さ」

 通信販売会社「アマゾン」を創設したジェフ・ベゾス氏が、10歳のころ、大好きだった祖父母と旅をしていた。暇を持て余すベゾス少年は、当時、よく耳にした公共広告を思い出した。たばこを一服吸うごとに、何分寿命が縮まるかという内容だった
 祖母は、たばこを吸う人だった。少年は計算して、得意げに、祖母の寿命が9年短くなるはずだと告げた。祖母は泣きだした。がんと闘い、余命が長くなかったのだ。祖父は車を止め、少年を外へ誘いました。叱られると思いきや、祖父は優しく語り掛けた。「ジェフ、賢くあるより優しくあるほうが難しいといつかわかる日が来るよ」(ブラッド・ストーン著、井口耕二訳『ジェフ・ベゾス 果てなき野望』日経BP社)
 人を悲しませることは、たやすい。何の配慮もなく、思いつきや感情を、そのまま語っていればいい。しかし、人を安心させ、幸せにするには、”心の労作業”がいる。それが本当の「賢さ」でしょう。  

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2015年05月09日

希望を創り出す力

 古い話です。作家の芥川龍之介が、関東大震災で焼けた東京・丸の内を歩いていた。すると、少年の歌う「ケンタッキーのわが家」が聞こえてきた。「僕を捉へてゐた否定の精神を打ち破つた」と、芥川は、その時の真情を記した(『芥川龍之介全集4』筑摩書房)
 人間は、自然の猛威の前には無力だが、そこに甘んじてはいない。「人間の尊厳」を取り戻し、希望を創り出す力を持っている。その方法の一つが「音楽」です。  

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2015年05月08日

方言

 作家・田澤拓也氏が「東奥日報」に連載し、単行本となった『外ケ浜の男』(角川学芸出版)では、会話が、津軽弁を中心とした方言でつづられています。その横に振り仮名のように、共通語の添え書きがあります。例えば、「ぐうぐど」「のれそれ」には、それぞれ「急いで」「全力で」というように。
 方言には、その地その地で育まれた温かみや深み、趣があります。日本語は多様性に富んでいます。その豊かさを、子どもたちに託していきたいものです。  

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2015年05月07日

日々、背水の陣

 日々、背水の陣――それは、どんな分野でも言えることです。新年度がスタートして1カ月余。現実の厳しさに戸惑い、清新な息吹を、ともすれば失いかけてしまう時期でもあります。ある意味で、今こそが将来の自身の勝利を決める分岐点と言っても過言ではありません。
 好むと好まざるとにかかわらず自らが立つ、〝今いる場所″で、全力を尽くさねばならない時です。才能におぼれていたり、反対に力不足を嘆いても仕方ありません。「一生空しく過して万歳悔ゆること勿れ」(創価学会版・御書970㌻)。日々、心して拝する御聖訓です。
  

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2015年05月06日

雑談力

 なぜ女性がよくしゃべるのか。会話術の専門家・野口敏さんの答えは――。
 おいしかった食事の体験を5人にしゃべれば、幸せを5回再体験できる。女性は、そのことを本能的に分かっている。つまり「女性は幸せを味わうコツを知っている」と。
 それに対して男性は、雑談を意味のない会話として切り捨てがちです。「で、話の結論は?」とつい言って、女性を怒らせてしまう事がよくあります。が、会話はただの「情報のやりとり」ではないのです。友人同士であれ商談であれ、心を通わせなければ、実りある話は不可能です。「雑談力」も、おろそかにできないのです。  

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2015年05月05日

物語賞・学芸賞

 臨床心理学の第一人者、故・河合隼雄氏の名を冠した「物語賞・学芸賞」があります。これは長男の俊雄氏(臨床心理学者)が、東日本大震災の被災地支援に取り組んだ経験をきっかけに、人に力を与える文学・学術を顕彰する賞として考えたものです。「生きるとは、自分の物語をつくること」という父の知見を社会に根付かせたいと設立しました。
 隼雄氏の子息は、3人とも学究の道で活躍しています。3氏の目には父親は〝戦友〟と映った事でしょう。次男の幹雄氏(法社会学者)は〝人づくり〟に励んだ父親の姿から、人が育つには親子の葛藤や濃密な人間関係が必要であることを学んだと述懐しています。
 自身の物語を懸命に紡ごうとする親の姿ほど、子どもの人生に影響を与えるものはない。「こどもの日」は、大人の役割を再確認する日でもあります。  

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2015年05月04日

故郷

 ドイツの詩人ヘルダーリンに「帰郷」という詩があります。「おお街の声 母の声!/声は私を捉え 久しい昔に学んだことをよみがえらす。/昔ながらの姿のまま 陽は照り喜びは萌え/愛する者たちの眼に かつてなく明るく映る」(川村二郎訳) 哲学者のハイデガーは、この詩に論考を加え、帰郷とは「根源に対して近くにいること」(『ヘルダーリンの詩作の解明』)と考察しました。故郷は、生まれ育った地理的な場所である以上に、自身を形成した「魂の原点」ともいうべきものなのです。  

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2015年05月03日

ガリレオ・ガリレイ

 今年は、ガリレオ・ガリレイの生誕451年です。彼が望遠鏡で初めて天体観測したのは、40代半ば。地動説を本格的に唱えたのは、それ以降でした。文豪ブレヒトの戯曲でガリレイは言っています。「もう沢山のことが発見されたが、これから発見できることはまだ山ほどある。だから新しい世代の人間にもやることはいくらでも出てくる」(岩淵達治訳『ガリレイの生涯』岩波文庫)  

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2015年05月02日

いいつくり手は、みんないい字を書きます

 「いいつくり手は、みんないい字を書きます」。名CMプランナーの杉山恒太郎さんが、こんなことを述べていました。
 「字にその人ならではの『味』や『人格』がある」「ぼくはこれ、自分のなかにあるものを、ちゃんと表現できているということだと思う」(『クリエイティブマインド』インプレスジャパン)  

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2015年05月01日

小事が大事

 「塵も積もれば山となる」との諺に対して、創価学会の牧口初代会長は、地殻変動で大山ができることを例に、疑問を呈しました。だが、地道な努力を否定したわけではありません。人生の大変動期こそ、大きく成長し偉業を残せることを教えたかったに違いありません。
 初代会長は、何か思いつくと必ずメモしたそうです。一枚一枚に記された着想が大著『創価教育学体系』に結実。「小事が大事」を誰よりも知っていたのです。その出版は、首相暗殺など激動の時代、人々の幸福を開く大闘争の中で、巻を重ねていったのです。  

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