2011年11月02日

「人生の先輩」から学ぶこと

 年配者と暮らす家庭には苦労もありますが、家族が学ぶことも多いのではないでしょうか。それは、その生き様から、人生や生活の知恵の深さ、生老病死を経て知る命の重さなど、有形無形の宝に触れられます。苦労以上に、「人生の先輩」から学ぶことは多いと思います。

 「人類史の中で、近親者が近隣に住むことが親しい社会関係と相互援助の基礎であった」(西田利貞著『人間性はどこから来たか』)との指摘があります。本来、子は幼いころから複数の近親者の大人の子育てを観察し、その姿を見て社会行動を練習してきました。だが、近年の日本ではそうした関係の基礎が崩れ、家庭の問題を起こしている可能性が高い、と著者は警鐘を鳴らしています。

 若者の都会志向 就職事情を考えると、都市型の社会構造や住宅事情による核家族化はやむを得ないとは思いますが、多くの親族と触れ合って暮らす意義も再考したいものです。

 「心の強さ」には二つあります。勇気と寛容です。勇気とは、己心の衝動を抑えて、方向を転ずる能力。寛容とは、人々を助け、友情の絆によって結びつこうとする努力。哲学者スピノザは主著『エチカ』で、そう語っています。  

Posted by mc1460 at 12:00Comments(0)TrackBack(0)つぶやき