2011年11月11日

木は「宇宙の真理を悟った哲学者」

 東京大学などが、樹齢400年ほどの杉の樹木に含まれる炭素や酸素の成分を解析しました。その結果、私たちの地球は、17世紀から18世紀にかけて太陽活動の停滞で気温が下がり、雨が多かったことが明らかになったそうです。木は、壮大な地球と宇宙の律動を刻んでいたのですね。

 幸田露伴の次女で、作家であった幸田文さんも、木に魅せられた一人です。ある林を訪れた際に聞いた森林関係者の言葉を、自著『木』に記しています。「老樹と、中年壮年の木と、青年少年の木と、そして幼い木と、すべての階層がこの林では揃って元気なのです。将来の希望を托せる、こういう林が私たちには一番、いい気持に眺められる林なんです」と。

 木を「宇宙の真理を悟った哲学者」と呼んだ人がいます。それは、人間よりはるかな年月を生きる木に、古来から、私たちは畏敬の念を寄せて来た為でしょう。



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