2011年11月28日

落葉の季節

 日に日に寒さが増し、各地で落葉の季節がやってきました。「木の葉が落ちてから、芽が出るのではない。下から芽が出る勢いにこらえきれず、木の葉は落ちるのだ」と、吉田兼好は『徒然草』に記しています。

 チェコの作家カレル・チャペックも、「木が秋に裸になるのは、枝々に、爆音とともに躍り出る春をつくっているからだ」と。そして、視線を地上でなく、根の伸びる地下へと向け、こう綴っています。「自然はワイシャツの袖をまくり上げて、下にむかって育っているのだ。両手に唾をつけて、いっしょうけんめい土を掘っているのだ」(小松太郎訳『園芸家12カ月』中公文庫)

 四季は巡ります。その地球の律動に思いを寄せ、人生を重ねてみれば、冬とは休息や“死”の時というより、芽を育み、根を伸ばし、次の成長へ出発する準備の時なのです。そう信じる人の心には、もう春の暖かさを感じられているのかも。  

Posted by mc1460 at 13:16Comments(0)TrackBack(0)つぶやき