2011年11月24日

心の財

 あの東日本大震災のあとテレビのコマーシャルが自粛され、金子みすゞの詩が幾度となく流れました。

 その詩とは違いますが、こんな詩も。「散つてすがれたたんぽぽの、/瓦のすきに、だァまつて、/春のくるまでかくれてる、/つよいその根は眼にみえぬ。/見えぬけれどもあるんだよ」。「星とたんぽぽ」の一節です(『空のかあさま』JULA出版局)

 「心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。かんじんなことは、目に見えないんだよ」(内藤濯訳『星の王子さま』岩波書店)との、サン=テグジュペリの一文も思い出されます。
 
 仏法では“蔵の財、身の財よりも心の財”と説きます。つまり、最上の財は目には見えません。


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