2011年10月18日

分かりやすい文章。美しい文章

 法華経には現在残っている漢訳だけで3種類あるそうです。なかでも、羅什三蔵訳「妙法蓮華経」が最も愛されてきたことは有名ですね。それは一つに「いちばん文章が美しいから」だといわれます。

 法華経だけに限ったことではありません。中国の古典「春秋」の注釈書にも3種類ありますが、今日まで広く親しまれてきたのは「春秋左氏伝」です。その理由に文章の美しさを挙げる人は多いそうです。

 「妙法蓮華経」も「春秋左氏伝」も、もとは同じテキストです。しかし人々への影響力の大きさという意味で、何が道を分けたのかと言えば、訳者の目的観ではなかったでしょうか。それは 「誰もが理解しやすいように」「後世に読む人が分かるように」あるいはまた、「別の言語に重訳される時がくるかもしれない」との想い・・・・・。

 書物は知識をひけらかすためのものなのか。否、人間の幸福と社会の進歩に貢献するもののはずです。その目的観の厚みが、結果として、美しく分かりやすい文章に結実したとおもいます。私も分かりやすい文章。美しい文章が書きたいと日々思っています。  

Posted by mc1460 at 22:01Comments(1)TrackBack(0)つぶやき