2011年10月16日

長途の旅

 東北新幹線が全線開通して東京から新青森まで3時間余りで行くことができます。かつて、上野と青森を結んだのはJRの特急「はつかり」でした。

 運行開始は50年前の10月。この「はつかり」は東北新幹線が八戸まで開通した2002年まで、みちのくを走り続けました。「はつかり」の名は、渡り鳥の雁(かり、がん)にちなんでいます。越冬のため、はるかな距離を渡り切らなくてはならない。それは、生き抜くため、幾多の苦難と戦う長途の旅ともいえましょう。人生という旅も同じですね。

 宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』に、「ほんとうにどんなつらいことでもそれがただしいみちを進む中でのできごとなら峠の上りも下りもみんなほんとうの幸福に近づく一あしずつですから」(集英社)。度重なる逆境に遭おうとも、前に進む。その一歩一歩の中に、本当の幸福があります。便りや知らせのことを「雁書」ともいいます。

 東日本大震災から7ヶ月余。これからも幾多の苦難と戦う長途の旅が待っていますが、前に進む。その一歩一歩の中に、本当の幸福があることを信じてください。もうすぐ冬がやってきますが、その後には必ず春がやってきます。負けないで!! 祈っています。  

Posted by mc1460 at 15:11Comments(1)TrackBack(0)つぶやき