2012年05月11日

かけはし

 私たちの地域ではまだ始まっていませんが東北は今、田植えの季節です。過去、東北の米が、沖縄に救われたことがあるそうです。
 それは1993年の記録的な冷害の時でした。この年は東北地方だけに限らず、全国的に稲は凶作に見舞われました。中でも岩手県の稲作は壊滅的だったそうです。多くの農家が、翌年のための種もみすら確保できない事態まで発展しました。
 悩んだ結果“冬でも温暖な南の島で、何とか増やせないか”との突拍子もない提案が浮かび上がりました。さっそく沖縄県に打診をしたそうです。なんと、岩手県の要請を沖縄県が快諾しました。二期作を行っていた石垣島の農家は“大変な時こそ助け合いを”と、島の水田の5分の1を提供してくれました。この結果、種もみを2トンから116トンに増やすことができたそうです。岩手へ持ち帰られた種もみによって、その秋には大豊作になったそうです。
 この米は公募で「かけはし」と命名されました。以来、岩手県と沖縄県の交流は今も続いています。交流は米の品種改良の技術開発のみならず、スポーツや文化、学校同士の交流などに広がっています。北と南、同じような行事でも発想が違っています。互いに学ぶところが多いようです。冷害という難が、双方に価値を生んでいます。
  

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2012年05月10日

電信オペレーター

 日本人初の電信オペレーターは、勝海舟だそうです。時は1855年、所は江戸の浜御殿でした。この場所は現在の東京都・港区汐留の辺りだそうです。ここで、当時32歳の勝海舟がモールス符号を使い、「鶴亀」など7つの言葉を送ったそうです。
 江戸から明治へ、日本の近代化は大きな進歩をもたらしましたが、なかでも通信分野の発展は飛躍的です。約150年前、符号だけだった通信は今や、携帯電話やパソコン一台で、世界と瞬時につながる時代となっています。上手に活用したいものです。  

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2012年05月09日

わが祖国

 毎年5月に開催される「プラハの春音楽祭」は、チェコの国民的作曲家・スメタナの交響詩「わが祖国」で幕を開けます。この交響詩「わが祖国」は他国からの圧政に苦しむ祖国の人々を励ましたいと作曲された曲です。当時、スメタナは聴力低下と闘っていましたが、“愛する民衆に、生き抜く勇気を届けたい”との信念が、困難の壁を破り、不滅の名曲を生んだのです。


プラハの春
http://www.youtube.com/watch?v=uCtn-8wP5Ws
  

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2012年05月08日

ロータス(ハス)効果

 知っていますか、なぜハスは泥に染まらないのか。それは、水分を利用してハスが「身繕い(みづくろい)」をしているからだそうです。知って見えると思いますが、ハスの葉には、撥水性があります。表面にある細かい毛のようなものが水をはじくのです。葉に付いた雨や露が丸い水滴になって、コロコロと表面を転がり、泥やゴミを絡め取っていくそうです。この現象を「ロータス(ハス)効果」と呼ばれています(『レンコン(ハス)の絵本』農文協)。雨露で汚れるどころか、かえって、それで自らをきれいにしてしまうのです。
 この現象を通して、仏法で説く「如蓮華在水」の言が思い起こされます。如蓮華在水とは、法華経の行者は、難に遭えば遭うほど、ますます成長できるという事です。創価学会版の日蓮大聖人御書に「猪の金山を摺り」(916ページ)とあります。猪は「金の山」が輝いているのが気に入らない。「なんだ、あんなやつ」と、輝きを消そうとして体をこすりつける。猪の毛は硬く、勢いもすさまじい。しかし、こすればこするほど、金山はますます輝きを増していったと解釈します。
 障害があるほどに自分を高めていく――人間関係においても大切な教えです。
  

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2012年05月07日

生涯現役

 「勝つために、競って、競って、競い続けている。それが私の人生なんです」。これは「女性スポーツ史上最強」といわれた米国のベーブ・ディドリクソン・ザハリアス選手の言葉です。
 彼女は万能の選手でした。ロサンゼルス五輪(1932年)では、槍投げと80メートルハードルで金、走り高跳びで銀。バスケットボールでは全米代表に3度、選ばれました。野球では、投手として大リーガーと対戦をしています。ゴルフでは、全米女子オープンなどプロ31勝をしています。50年にAP通信社が選んだ「20世紀前半最高の女子選手」にも輝いています。
 彼女は「上達しつづける限り、引退はしません」と語っていました。ゴルフ全米女子で3度目の優勝は、がん手術の後のことでした。そうした劣悪な環境の中でも彼女は、引退どころか、むしろ「障害がないと、ベストの力が出ない気がします」と、40代で早世するまで引退しませんでした(『20世紀を感動させた言葉』)
 男女の差はあれども「生涯現役」「一生涯、戦う」。こう決めた人に「引退」の二字はありません。

ベーブ・ディドリクソン・ザハリアス
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%83%BC%E3%83%96%E3%83%BB%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%89%E3%83%AA%E3%82%AF%E3%82%BD%E3%83%B3%EF%BC%9D%E3%82%B6%E3%83%8F%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%82%B9  

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2012年05月06日

友への励み

 病気の友を見舞う時、どうしたら喜ばれるでしょうか? 大変難しい問題です。病床にあった経済学者の小泉信三氏を元気づけたのは、友人から贈られた運動靴だったそうです(『平生の心がけ』講談社学術文庫)。贈られた運動靴に“早く戻って来いよ”と、自分を思いやってくれた友の“心の情景”が見えたからでしょう。
 ロシアと隣接する、東ヨーロッパのベラルーシ共和国での、ある小児白血病棟での話です(鎌田實著『雪とパイナップル』集英社)。
 つらい治療に負けそうな子どもたちが、ある日を境に明るく変わりました。それは、入院中の子どもたちが退院し、学校に戻った時に授業に遅れないようにと、ボランティアの教師が勉強を教えに来てくれた日からだそうです。勉強するということは、いつか退院できるということ。そこに希望が芽生えました。
 励ましとは、相手に“希望の花”を咲かせることです。人は皆、希望の種を持っています。相手の状況、置かれた環境を踏まえながら、それを、どう芽吹かせ、はぐくむか――「自分には、こんなに思ってくれる人がいる!」。その心が、どれだけ友の励みになることでしょう。

ベラルーシ共和国
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%83%A9%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%82%B7  

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2012年05月05日

富士山

 日本で、もっとも高い山は富士山です。その富士山に、いにしえより多くの人が、その雄大さ、美しさを記してきました。日本最古の和歌集『万葉集』にも、富士を詠んだ歌が、いくつも収められています。
 さらに、平安時代に編まれた『古今和歌集』にも、富士が登場します。興味深いのは、藤原忠行が燃える恋に例えて、富士を謳っていることです。現在では想像出来ませんが、当時は富士山が噴火していた時代でした。その為、火山として描かれています。
 一説によると、富士山は約10万年前に誕生したそうで、火山の寿命からいうと、富士は、まだ若い青年期なのだそうです。現代では悠然とそびえ立つイメージが定着していますが、じつは、その地下には今でもマグマが赤々とたまっているのです。(『富士燦々』角川書店)
  

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2012年05月04日

登竜門

 あす5日は「端午の節句」です。今年も薫風を受けて、こいのぼりが空を舞うシーズンがやってきました。季節の風物詩ともいえる“こいの吹き流し”は、中国の「竜門の滝」の故事に由来するそうです。黄河にあるとされる「竜門の滝」を登り切った魚は、竜になるとの言い伝えから、男児の将来を祝って始まったものだそうです。
 人が栄達するための難関を「登竜門」と呼ぶのも、この故事にもとづくと言われています。

登竜門 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%99%BB%E9%BE%8D%E9%96%80  

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2012年05月03日

ザ・ミラクル・ワーカー

 知っていましたか? 映画「奇跡の人」(1962年製作)の原題は「ザ・ミラクル・ワーカー」だったそうです。これは、三重苦を乗り越えたヘレン・ケラーでなく、サリバン先生を指します。サリバン先生は当時、21歳の若さでした。しかも自ら目を患っていました。しかし、若き日の敢闘が、歴史に残る感動のドラマを生んだのです。
 ヘレン・ケラーに対する、サリバン先生の教育は、ものごとに「名前を付ける」戦いであったといわれています。熱病にかかり、ヘレンは1歳7カ月で目・耳・口の機能を失います。少女は、さながら野生の動物のようでした。食事は手づかみ。気にさわれば、すぐ暴れる。家族も、さじを投げました。
 しかし、ケースワーカー(福祉専門員)の教師サリバンは、少女に人間としてのしつけを教えました。重点は、言葉の習得です。ものには名前があること。自ら五体で感じつつ、事物に名前を付けること。その格闘の中で、少女・ヘレン・ケラーは「人間」になっていったのです。「ザ・ミラクル・ワーカー」のサリバン先生の教育によって。

映画「奇跡の人」
http://homepage2.nifty.com/e-tedukuri/THE%20MIRACLE%20WORKER.htm
  

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2012年05月02日

眠っていた能力

 桜が終わったら、新緑が目にまぶしい季節になりました。夏に大輪をつけるヒマワリも今は小さな若葉です。時を待ち、静かに成長の歩みを進めています。人も植物も若い芽を大切に育てたいものです。若い人の良さは決意や心が熱く前向きなことですね。半面、未熟さからの失敗もあります。しかし、この両面を踏まえ、どう育成していくかが問題です。特に、うまくいかなかった時の接し方が大切です。
 ずいぶん前の話ですが、マラソンの高橋尚子選手を育てた小出義雄氏は、“必ず世界一になれるから、頑張れ”と無名の高橋選手に声を掛け続けたそうです。高橋尚子選手は線が細く弱い選手だったそうですが、自信と勇気を与えたかったと語っています。激励によって人は変わります。眠っていた能力が開花すると著書で述べています。『育成力』中公新書
  

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2012年05月01日

人生の真価

 「東洋のルソー」と称される、自由民権運動の指導者・中江兆民。彼の志の高さを物語る、晩年のエピソードがあります。
 中江兆民が大病を患い、53歳で医師から「余命は 1年半」と宣告された時のこと。されば、と彼は喝破した。「一年半、諸君は短促なりといはん、余は極て悠久なりといふ」(『一年有半・続一年有半』岩波文 庫)。そして、死と対決しながら、猛然と政治、文学、宗教を論じ、わずか4カ月で2冊の本を上梓。彼の残した言論は、100年以上を経た今も、色あせるこ となく人々を啓発し続けています。
 誰しも、人生には限りがあります。だからこそ、どう生きたか、何をなしたかに、人生の真価はあります。

中江兆民
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E6%B1%9F%E5%85%86%E6%B0%91  

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