2012年05月27日

雑草

 畑や空き地、庭の隅、道ばたでひっそり生きる雑草。ふだんは気にもとめてもらえない。それどころか、厄介者扱いです。しかし雑草は、何度踏まれても生き抜きます。抜かれてもまた生えてきます。しぶとい、実にしぶとい。
 カタバミという雑草の一種は、家紋の図柄によく使われています。これは、子孫が末永く続くように、との願いが込められている先人の智慧から出たものです。
 雑草のたくましい生命力の秘密は「逆境」にあると、農学博士の稲垣栄洋氏が『身近な雑草の愉快な生きかた』(筑摩書房)に記しています。例えば葉が大きなオオバコ。このオオバコが人が通る道やグラウンドに生えるのは、どの草も避ける厳しい環境に身を置くことで、他の植物との競合を避けられるからだそうです。さらに、踏まれることで、葉も茎も鍛え上げられる。逆境を成長へのバネにしているそうです。加えて、人や動物の足に付着した種子も遠くへ運んでもらえる。氏は「どんな環境 であっても、必ず花を咲かせて実を結び、種を残す。これが雑草の生き方である」と綴っています。
 どんな人にも、咲かせるべき〝花〟があります。どんな逆境も、〝そこに 使命あり〟と決めれば、花を咲かせる最もふさわしい場所になります。野に咲く雑草のごとく、強く生き抜きたいものです。

カタバミの家紋
http://www.otomiya.com/kamon/plant/katabami.htm  

Posted by mc1460 at 11:27Comments(0)TrackBack(0)つぶやき