2012年05月06日

友への励み

 病気の友を見舞う時、どうしたら喜ばれるでしょうか? 大変難しい問題です。病床にあった経済学者の小泉信三氏を元気づけたのは、友人から贈られた運動靴だったそうです(『平生の心がけ』講談社学術文庫)。贈られた運動靴に“早く戻って来いよ”と、自分を思いやってくれた友の“心の情景”が見えたからでしょう。
 ロシアと隣接する、東ヨーロッパのベラルーシ共和国での、ある小児白血病棟での話です(鎌田實著『雪とパイナップル』集英社)。
 つらい治療に負けそうな子どもたちが、ある日を境に明るく変わりました。それは、入院中の子どもたちが退院し、学校に戻った時に授業に遅れないようにと、ボランティアの教師が勉強を教えに来てくれた日からだそうです。勉強するということは、いつか退院できるということ。そこに希望が芽生えました。
 励ましとは、相手に“希望の花”を咲かせることです。人は皆、希望の種を持っています。相手の状況、置かれた環境を踏まえながら、それを、どう芽吹かせ、はぐくむか――「自分には、こんなに思ってくれる人がいる!」。その心が、どれだけ友の励みになることでしょう。

ベラルーシ共和国
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%83%A9%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%82%B7  

Posted by mc1460 at 10:00Comments(0)TrackBack(0)つぶやき