2012年05月28日

チャレンジ精神

 老舗とは、昔から長く続いている店のことです。語源を調べると、「仕似せる」から出た言葉となっていました。「文字どおり先祖から受けついだ商売を<まねる>意です。ある点では、独創的の反対で、家業をできるかぎり現状のまま忠実に守ること」が元意という(杉本つとむ『語源海』)
 しかし現実は、単に先人がやったことをまねし、それに固執すれば経営が永続するわけではありません。ある老舗の味噌店は“お客様に分からないように、味も変わり続けていく”と語っています。また、歴史のある饅頭店は「欲しければ取りに来い」という姿勢を改め、百貨店などの店頭で売り出す方針に転換したからこそ、今も成功しているのです(鮫島敦『老舗の訓 人づくり』)
 この二つの例から思うことは、先人が築いた土台の上に、ただあぐらをかいていては、やがては滅びる運命です。味や品質など先代から受け継ぐべきものは継承しつつ、変化させ続ける事です。経営には「攻め」の姿勢を貫く。このチャレンジ精神にこそ、老舗の伝統があると思えてならない。
  

Posted by mc1460 at 12:00Comments(2)TrackBack(0)つぶやき