2018年10月16日
「の弟子。笠智衆」
俳優の故・笠智衆氏がサインを頼まれた話です。快諾した氏は何の迷いもなく、「小津先生」と大きく書いたそうです。そして、「の弟子。笠智衆」と続けました。サインの依頼主だった作家の久世光彦さんが自著『触れもせで』(講談社)に紹介しています。
笠氏は、そう書くことで自分に誇りを持ち、自戒もしたのです。“私はカメラの前ではなく、師と仰ぐ小津安二郎監督の前で演じるのだ”と。常に師匠と一緒だ、との思いが名優の座を築き上げたのでしょう。
笠氏は、そう書くことで自分に誇りを持ち、自戒もしたのです。“私はカメラの前ではなく、師と仰ぐ小津安二郎監督の前で演じるのだ”と。常に師匠と一緒だ、との思いが名優の座を築き上げたのでしょう。