2017年12月19日

人形師

 伝統芸能の「能」を題材にした博多人形を作り続けて51年――。「現代の名工」と称される人形師がいます。「人形には、作家の心が出る」が信条。「だから、うんと苦労して、心を練り、心を鍛え、心を磨き続けることが大切」と語ります。
 月々日々に人形師は、自分をいじめ抜くかのように鍛錬を重ね、多くの秀作を生み出してきました。そして昨年、3度目となる最高賞の内閣総理大臣賞を受賞したのです。
 人を感動させる魅力を「花」に例えるなら、「時分の花」と「誠の花」がある――これは「能」の第一人者として知られる世阿弥の言葉(『風姿花伝』岩波文庫)。若さゆえに美しくても、時とともに散ってしまうのが「時分の花」。それに対し、たゆまず己を磨いた人は、時とともに美しさを増す。それが「誠の花」なのでしょう。  

Posted by mc1460 at 11:54Comments(59)TrackBack(0)つぶやき