2017年12月23日

ピグマリオン効果

 日本で最初にプラネタリウムが設置されたのは80年ほど前だそうです。当時、投影できた星は地上から肉眼で見える6等星まで。数にして約9000個だったという。現在は、10億を超える星を映し出す装置もできました。
 プラネタリウム開発をリードしてきた一人が大平貴之氏です。開発者を志したきっかけが著書『プラネタリウム男』(講談社現代新書)につづられています。それは科学館に勤めるプラネタリウム解説員との出会いでした。
 当時、小学生だった氏。だが解説員は、少年を決して“子ども扱い”しなかったそうです。投影機の仕組みや機能を一つ一つ丁寧に説明。そして折あるごとに「大平君が真に世界に誇れる最先端のプラネタリウムを作り、科学館に納めてほしい」等と言葉を掛け続けたのです。
 教師が優秀だと信じた生徒は、期待されなかった生徒に比べ、明らかな成績の向上が見られたという実験があります。これは教育心理学で「ピグマリオン効果」と呼ばれるものです。成績にとどまらず、大人からの期待が、どれほど子どもの自信や生きる力になるか、計り知れないのですね。  

Posted by mc1460 at 11:47Comments(97)TrackBack(0)つぶやき