2012年10月11日

寒げいこ

 柔道や剣道などには「寒げいこ」があり、浪曲や長唄などにも「寒復習」といった伝統がありまする。寒い時期だからこそ、猛練習を重ね、自身を鍛えるのです。
 話は変わりますが、米・メジャーリーグで活躍するイチロー選手。彼はシーズン直前のオープン戦で、わざとツーストライクに追い込ませてから、自分がどう対応できるか、試しているそうです。イチロー選手の問題意識の高さを垣間見る思いがします。あえて自らを厳しい状況に追い込んで、挑戦し続けるからこそ、高打率を維持しているのでしょうう。そして、長くメジャーリーグで活躍できるのでしょう。  

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2012年10月10日

うつむく青年

 「生きているということ/いま生きているということ/それはのどがかわくということ/木もれ陽がまぶしいということ」(『うつむく青年』所収)。これは、みずみずしい光に溢れる谷川俊太郎氏の詩「生きる」です。
 東日本大震災後、41年前に出版されたこの詩が再び注目されています。巨大地震、大津波、原発事故。壮絶な現実を前に「生きている」ことが当たり前ではないことを思い知らされました。生きるために支え合わなければならないことも教えられました。

うつむく青年 http://www.fureai.or.jp/~t-mura/utsumukuseinen.html  

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2012年10月09日

成功の秘訣

 「まだ下手な間は、人に知られないようにしよう。ひそかに習得してから人前に出れば、とても立派に見えるだろう」。こんなことを言う人は、一芸も物にできない――。と『徒然草』で吉田兼好が断じています(第150段、趣意)
 さらに“芸が未熟なうちから、上手な人の中に交じって、けなされたり、笑われたりしても意に介さず、打ち込む人は、ついに名人の域に達し、長所も伸び、名声を得る”と兼好は続けています。これは芸だけでなく諸道に通じる「成功の秘訣」でしょう。人はやはり、人の中に飛び込んでこそ磨かれるものです。  

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2012年10月08日

故郷

 童謡の「故郷」の発表は98年前のことです。時代を超越して、日本人の心の襞に染み込むこの名曲が、大震災以降、各地で歌われているそうです。山河の思い出をかみしめ、父母や友の安否を問う。そして、「志をはたして」帰るべき郷里の自然美を歌い上げる「故郷」に復興を誓っていることでしょう。
   

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2012年10月07日

人を育てながら結果を出す

 「トイ・ストーリー」など、人気のアニメ映画を次々と世に送る「ピクサー」社は、米国映画業界では特異な存在だそうです。理由として、ハリウッドの映画作りはストーリー(筋書き)ありき。売り込まれたストーリーに投資し、そのつど必要な人材を雇うのが一般的です。しかし、ピクサーは、監督はじめチーム全員が「社員」の肩書きです。そして、ストーリーを外に求めることはしない方針を貫いています。「アイデアに投資するのではなく、人材に投資し、人材を育て、そこからアイデアを生み出す」(『スティーブ・ジョブズ名語録』桑原晃弥著、PHP文庫)。鍛え抜かれた人材さえいれば、アイデアは無限に創造できる、との信念がうかがえます。
 能力のある人をそのつど集め、貪欲に結果を求めるのも一つの手法です。だが、人を育てながら結果を出し、成功を分かち合うことには、大きな意義があります。  

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2012年10月06日

心と心で結んだ友情

 8世紀前半に日本から渡った遣唐使留学生の墓誌が中国・西安市で見つかったそうです。そこには――魂はどうか故郷に帰ってほしい――異国で逝いた青年を追悼する文字が刻まれており、日中交流の新たな発見が話題になりました。
 注目したいのは、同時期に渡唐した阿倍仲麻呂にも麗しい交友の軌跡が残っている事です。仲麻呂は最難関の科挙に合格し、唐朝の諸官を歴任しました。そして唐代の詩人・王維や李白と親交を持ちました。753年、仲麻呂が帰国を許された時、王維は「秘書晁監(仲麻呂の中国名)の日本国に還るを送る」と詩で別離を惜しみました。
 日本への帰郷の途次、船が難破しました。仲麻呂が落命したと思い、李白は「明月不歸沈碧海」(明月が沈めば帰らぬように青海に沈み)と友を悼む七言絶句を詠みました。いかに仲麻呂が異国で友好を深めたか。心と心で結んだ友情は千数百年の時を超えても色褪せることはありません。  

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2012年10月05日

烈日

 空気はすっかり秋です。ギラギラした夏の太陽が去り、ほっとしている人も多いはずです。
 作家・井上靖氏は年を重ねるごとに、あの夏の太陽を指す「烈日」という言葉が好きになったそうです。それは、自身の人生を振り返っての思いと重なっていると語っています。
 創価学会の池田名誉会長との往復書簡で、氏は「失意の日も、得意の日も、それから長い歳月が経つと、すっかり消えてしまい、真剣に烈しく生きた時の思いだけが、いかに小さくても、消えないで残っているようであります」(『四季の雁書』)と。烈しく何事かをなそうとした気持ちだけが、生きた証しとして命に刻まれたと綴っています。
 烈しく生きる――それは、浮き沈みの派手な生活や、感情の起伏に左右された人生のことでははありません。むしろ、静かに、忍耐と不屈の炎を胸に燃やして、まじめに、真っすぐに、信じる道を歩き通すことではないでしょうか。“烈しく生きる道”を持てる人は幸福です。その情熱が、悩みを燃やし、後悔を燃やし、見栄など焼き切って、人生の希望を照らし出していくに違いありません。  

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2012年10月04日

限界

 「限界」を自分の心の中につくった瞬間に、自身の成長は止まるそうです。どんな状況であろうと、常に挑戦し続ける心、向上しようとする姿勢でありたいものです。
 騎手の武豊氏はデビュー以来、「史上初」「史上最年少」「史上最速」など数々の記録を樹立してきました。「天才」とうたわれる氏ですが、日ごろから決意していることがあるそうです。それは「いつも思っているのは、今の自分よりもっといい騎手になりたい、ということです。乗った馬が最大限に力を発揮できるよう、自分を向上させていきたい」(『天才、それは努力する才能』学習研究社)と。
 武豊氏に限らず、現状に甘んじず、勝ち続けるのは、非常に難しい事です。障害も限りがありません。さらに、一番恐れなければならないのは、他人との競争に負けることではなく、自身の慢心、弱さという落とし穴にはまることではないでしょうか。成長し続ける人は自らが決めたゴールを、遠くへ遠くへと追いやるようにして前に進むものです。他人の目を気にしても何の得にもならない。人に負けないことより、自身に生きることこそ肝要でしょう。  

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2012年10月03日

日露友好の地

 日露戦争(1904年)の際、わが国最初のロシア人捕虜収容所がつくられたのが四国・松山でした。捕虜の数は延べ約6000人。当時の松山の人口の“5分の1”に及んだといわれています。
 捕虜といっても、監獄に入っているわけではなく、外出も温泉入浴も買い物も自由だったそうです。松山の人々は“同じ人間”として接しました。さらに、祖国を見ずに亡くなった捕虜に対しては、手厚く埋葬されたそうです。やがて、こうした事実が知れ渡り、戦場で投降するロシア兵は「マツヤマ!」と叫んで手を挙げたという事です。この地には、ロシアを望む北向きに墓碑が立つています。
 松山のロシア人墓地は、現在も地元の中学生らが整備し日露友好の地と輝いています。思いやりの心こそ、「最も偉大な価値」である平和を生む力となります。  

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2012年10月02日

エール

 「わたしの考えは、いつも前進するということです。もし神が人間の後退をお望みならば、人間の頭のうしろに目を一つだけおつけになっていたでしょう」――ビクトル・ユゴー作/榊原晃三訳『九十三年』の一節です。文豪ならではの巧みな着想にもとづく、人間へのエールです。
 経済評論家の勝間和代さんに『起きていることはすべて正しい』(ダイヤモンド社)と題する著作があります。タイトルは勝間さん自身の座右の銘から来ているそうです。現実を否定したり、こうだったらと夢想しても仕方がない。それより、起きていることから何を学び取り、どう行動するか。それが大切、という意味です。
 メンタル筋力(=心の力)を鍛えるには「うれしがりすぎない、悲しがりすぎない」こと――勝間さんは、そうも語っています。  

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2012年10月01日

失敗

 全米の起業家育成コースの中で高い評価を得る、スタンフォード大学のシーリグ博士の講座があります。講座では学生への課題の一つに「失敗のレジュメ」があるそうです。
 日常生活での失敗に加え、そこから得た教訓も記してもらうそうです。これは成功に慣れたエリートに失敗からも多くを学べることに気付いてもらう狙いです。“失敗は、スキルを広げる挑戦をした証し”とシーリグ博士は語ります。IT先進国を支える源は“失敗こそ財産”と見る気風にある(『20歳のときに知っておきたかったこと』高遠裕子訳、阪急コミュニケーションズ)
 日本ではどうか? “横並び社会”の根強さを身をもって知った一人に、登山家の野口健さんがいます。彼はエベレストや富士山を清掃し、富士山の世界遺産登録を目指しました。この運動は当初、非難・中傷の的となりました。「日本は“失敗を嫌う社会”で、よい挑戦に対しても臆病になってしまう」と野口健さんは語っています。  

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