2012年10月28日

英雄

 ロシアの詩人プーシキンは「英雄」と題した作品でナポレオンを謳っています。詩人プーシキンが詠んだ「英雄」の姿とは、アルプス越えの、あの凛々しい姿だろうか。「いや違う わたしが見ているのは 幸運にめぐまれた かれでもなく戦闘にある かれでもない」(木村すな子訳)
 プーシキンが讃えたのは、ナポレオンがエジプト遠征でペストに倒れた兵士たちを見舞い、一人一人に声をかけて激励する姿でした。今日に至るまで毀誉褒貶の激しいなかで、ナポレオンがなお人々をひきつけてやまないのは、彼が行動で示した並外れた勇気であり、慈愛ではないでしょうか。
 「英雄」と「凡人」を分けるものは何か。文豪ロマン・ロランは言っています。「英雄とは自分にできることをする人だ。ところが他の人はそれをしないのだ」(蜷川譲訳)。自分の「内なる力」を見つめ、信じ、自分らしく出し切っていく時、人は「英雄」となるのです。  

Posted by mc1460 at 18:40Comments(0)TrackBack(0)つぶやき