2012年07月28日

先駆者の心を受け継ぐ

 日本最古の人類化石が、数多く発掘されている沖縄。なかでも、約1万8千年前の全身にわたる人骨が4体も見つかった「港川人」は有名です。
 発見者は、実業家の故・大山盛保氏でした。購入した粟石の中に動物化石を見つけた彼は、“必ず人類化石もあるに違いない”と、産地(八重瀬町港川)を突き止め、1970年、人類化石を執念で発見しました。
 この化石は、その後、研究のため、長きにわたり、東京大学で保管されていました。その化石が再び沖縄に帰ることを夢見つつ、盛保氏は他界。亡き父の思いは、子へと受け継がれました。
 長男の盛弘氏は、父の遺志の実現を、粘り強く訴え続けました。そして発見から37年が過ぎた平成20年11月、ついに港川人4体が故郷に帰り、県立博物館での展示が実現したのです。このうち2体は、同博物館で保管されることになりました。「父の願いを果たすことができ、感慨深かったです」と、長男の盛弘氏。先駆者の心を受け継ぐことは容易ではありません。

港川人
http://www.kahaku.go.jp/special/past/japanese/ipix/3/3-16.html
  

Posted by mc1460 at 11:30Comments(2)TrackBack(0)つぶやき