2012年07月23日
何に生きるべきか
作家の故・向田邦子さんは、まだ無名時代、右胸の乳がん手術を受けた際の輸血が原因で血清肝炎となり、寝たきりになった時期がありました。そんな利き手の右手が動かせない向田邦子さんに、連載執筆の依頼が来ました。向田さんは「考えた末に」――引き受けたそうです。向田さんは、不慣れな左手で書いたそうです。その時を振り返り「こういう時にどんなものが書けるか、自分をためしてみたかった」(『向田邦子 映画の手帖』徳間文庫)。
不遇な状況に置かれた自分が“何を書くべきか”を考え、挑戦したのです。向田さんは、のちに直木賞を受賞します。「生死」を見詰めた人は、「何に生きるべきか」を深く自覚する逸話です。
不遇な状況に置かれた自分が“何を書くべきか”を考え、挑戦したのです。向田さんは、のちに直木賞を受賞します。「生死」を見詰めた人は、「何に生きるべきか」を深く自覚する逸話です。