2017年11月10日

心を結んでくれる

 ある女性が、中国・武漢大学に留学した時の話です。彼女は中国文化に触れたいと、伝統楽器の二胡を習ったそうです。その際、現地の人から「中日の歴史認識の違いをどう思うか」と聞かれ、返事に窮してしまいました。すると、別の中国人が「そんなこといいじゃない」と、助け舟を出しました。「友好といっても、二胡を習う日本のあなたのように、相手の国を知ることから始まるはず」と。
 文化を学ぶ。人間が触れ合う。この一つ一つの小さな流れが、やがて国と国の友好という大河となるのです。当たり前のようですが大切な「原点」を、彼女は確認することができました。
 文化は民族や言葉の違いを超えて、心を結んでくれるのです。  

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2017年11月09日

将棋と囲碁

 将棋と囲碁は盤上で対局します。決定的に違うのは、将棋の駒には動かせる方向が決まっているなどの特徴がありますが、白と黒の碁石一つ一つには、決まった役目がないことです。
 碁笥に入っている石の形は同じでも、碁盤の、ある場所に打たれるや、その石にしか果たせない役割が生じ、時には対局の行方を左右します――人生も同じでしょう。自身がいる場所で使命を果たす時、物事の局面を大きく変えていけるものです。  

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2017年11月08日

雑用が多くて・・・・

 物理学者の中谷宇吉郎が新たな赴任先に就く際、師の寺田寅彦がアドバイスを送ったそうです。「雑用が多くて仕事が出来ないということは決していわないようにし給え」。中谷は“忙しさに追われるたび、幾度となくこの言葉に救われた”と述懐しているそうです。(『中谷宇吉郎随筆集』岩波文庫)  

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2017年11月07日

何を発見するかだ

 「今学期はどんな内容をカバーする(扱う)のですか」。学生の質問に教授が答えました。「重要なのは君が「今学期はどんな内容をカバーする(扱う)のですか」。学生の質問に教授が答えた。「重要なのは君が何をディスカバー(発見)するかだ」。言語学者チョムスキー氏が、教育の理想として紹介した話です。(『知の逆転』NHK出版新書)
 求められる教育は、知識の蓄積ではなく「他の人たちと協力して独自の創造的な仕事をすること」だと氏は強調しています。思索は他者と分かち合うことで価値を生むのです。  

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2017年11月06日

情報の向こうに

 「○○について調べてくること」。小学校等でよく出される課題ですね。ただ最近は、同じようなまとめ方をする児童が増えているそうです。教師がやり方を聞くと、それぞれがインターネットの検索結果をそのまま使っていたそうだったのです。
 児童を注意すると、「ネットには何でも載っているし正しい。なぜ、わざわざ他の手段を使って調べなければならないのか」と逆に聞き返されたという(「CNET Japan」)
 手軽さのあまり、私たちはネットで検索した情報を安易に利用しがちです。子どもがまねするのは無理もない事です。だが情報を鵜吞みにすれば振り回されることもあると教えたいものです。慶応義塾大学特別招聘教授の下村健一さんは、情報を適切に使いこなすには、「想像力のスイッチを入れること」だと語っています。
 例えば、初めて目にする情報にも結論を急がない。一方的な見方で決め付けない。発信する際も、相手を傷つけていないか、分かりやすい文面か、などと考えを巡らすことであると。
 言い換えれば、情報の向こうに「人の顔」を思い浮かべられるかどうか。メールやLINEなど文字で意思疎通する機会が増えた今、その重要性はなおさらです。子どもたちの言葉への感性を磨くには、心を分かち合う人間交流が一層大切になってきます。  

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2017年11月05日

ヒマラヤ

 ここはネパール・カトマンズの近郊の丘。「条件が良ければ、ヒマラヤがきれいに見える」と地元住民にも人気のスポットだそうです。
 1995年の11月、創価学会の池田SGI会長はこの場所で、夕焼けに染まるヒマラヤを写真に収めました。山を覆っていた雲が流れ、王者の峰が姿を現したのは、一瞬の出来事。まるでヒマラヤが、SGI会長の来訪を祝福しているようだった、と同行した友は振り返ります。
 当時、空き地が広がっていた丘は、今では、道路がきれいに舗装され、地域有数の高級住宅も立ち並んでいるそうです。  

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2017年11月04日

教育のための社会

 文部科学大臣「優秀教員表彰」に輝いた下野六太氏は「生徒の成長に手応えを感じる幸せが、私を突き動かしています」と、著書『跳べた!泳げた! 必ずできる!』(鳳書院)で述べています。
 混迷を極める教育界だが、“子どもの成長が私の幸福”“子どもの幸福が私の喜び”と言い切れる教育者が増えていけば、希望の未来は必ず開けます。
 子どもの成長とともに、教師の成長も見守り続ける「教育のための社会」の構築が肝要ですね。  

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2017年11月03日

真っ赤なゴリラ

 植物生態写真家の埴沙萠さん。誰もが見落とすような足元の小さなハチをめぐって、著書『足元の小宇宙』(NHK出版)で述べています。「あなたたちは、目には入っていても見ていない……見ようと思わないから、見えない。気づかない。それだけのことだよ」と。
 有名な心理学の実験に“見えないゴリラ”があります。バスケットボールの試合映像を見て、片方のチームのパス回数を被験者に数えてもらう。途中、着ぐるみのゴリラが登場し、コートを横切るが、半数の人はそれに気付かない。真っ赤なゴリラの着ぐるみでも、同様の結果になりました。
 実験後に再び映像を見せると「あれを見のがしたの?」と皆、一様にビックリします。一つのことに集中すると、「ゴリラ乱入」という異常な出来事さえ、風景の中に溶け込んでしまうのです。同様に、耳も、聞きたいものだけを聞く「選別」をしています。つまり、「意識を向ける」ことが気付きの一歩といえます。  

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2017年11月02日

画竜点睛

 つり橋で世界最長の「明石海峡大橋」。それを支える基礎を造るため、直径80メートル、深さ60メートルもの巨大な穴が掘られました。掘り終えた際、関係者が呼ばれ、その穴をグラウンドにしてソフトボール大会が行われたそうです。
 完成後に訪れた人は、圧巻の架橋の方に目を奪われがちです。だが基礎が盤石であってこその大橋。コンクリートで埋められると見ることができなくなる基礎部分で、築いた人々に思い出を残してあげたい――現場責任者の粋な計らいが胸を打ちました。
 偉大な仕事は、陰の労苦に徹する人をたたえることが画竜点睛となるのです。  

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2017年11月01日

韓国のヒロシマ

 “ヒバクシャ”の中には徴用・徴兵で広島に強制移住させられた朝鮮半島出身者がみえます。戦後、1万人以上が帰国しましたが、日本に渡ったために「母国の裏切り者」と非難され、被爆の事実を隠し、後遺症に苦しんできました。
 韓国・慶尚南道の陜川郡。ここは“韓国のヒロシマ”ともいわれ、今も600人以上の被爆者が暮らしています。昨年8月、同国で初めて被爆2世の養護施設が開設されました。惨劇を風化させまいとする被爆2世の闘いは続いているのです。  

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