2017年11月03日

真っ赤なゴリラ

 植物生態写真家の埴沙萠さん。誰もが見落とすような足元の小さなハチをめぐって、著書『足元の小宇宙』(NHK出版)で述べています。「あなたたちは、目には入っていても見ていない……見ようと思わないから、見えない。気づかない。それだけのことだよ」と。
 有名な心理学の実験に“見えないゴリラ”があります。バスケットボールの試合映像を見て、片方のチームのパス回数を被験者に数えてもらう。途中、着ぐるみのゴリラが登場し、コートを横切るが、半数の人はそれに気付かない。真っ赤なゴリラの着ぐるみでも、同様の結果になりました。
 実験後に再び映像を見せると「あれを見のがしたの?」と皆、一様にビックリします。一つのことに集中すると、「ゴリラ乱入」という異常な出来事さえ、風景の中に溶け込んでしまうのです。同様に、耳も、聞きたいものだけを聞く「選別」をしています。つまり、「意識を向ける」ことが気付きの一歩といえます。

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