2017年11月06日

情報の向こうに

 「○○について調べてくること」。小学校等でよく出される課題ですね。ただ最近は、同じようなまとめ方をする児童が増えているそうです。教師がやり方を聞くと、それぞれがインターネットの検索結果をそのまま使っていたそうだったのです。
 児童を注意すると、「ネットには何でも載っているし正しい。なぜ、わざわざ他の手段を使って調べなければならないのか」と逆に聞き返されたという(「CNET Japan」)
 手軽さのあまり、私たちはネットで検索した情報を安易に利用しがちです。子どもがまねするのは無理もない事です。だが情報を鵜吞みにすれば振り回されることもあると教えたいものです。慶応義塾大学特別招聘教授の下村健一さんは、情報を適切に使いこなすには、「想像力のスイッチを入れること」だと語っています。
 例えば、初めて目にする情報にも結論を急がない。一方的な見方で決め付けない。発信する際も、相手を傷つけていないか、分かりやすい文面か、などと考えを巡らすことであると。
 言い換えれば、情報の向こうに「人の顔」を思い浮かべられるかどうか。メールやLINEなど文字で意思疎通する機会が増えた今、その重要性はなおさらです。子どもたちの言葉への感性を磨くには、心を分かち合う人間交流が一層大切になってきます。

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