2016年09月30日
「七人の侍」の舞台
黒澤明監督の映画「七人の侍」の舞台は、戦国時代の農村です。秋の収穫時に野武士が襲ってくると知った農民たちは、防衛のため浪人の侍を雇う。侍たちは農民を訓練し、共に戦い、村を守り抜きました。
名作中の名作だが、映画評論家の佐藤忠男氏は違和感を覚えたそうです。映画の中の農民は右往左往するばかりで、武器の扱い一つ知らない。農民は本当に愚かで卑屈だったのか、と。
後に氏も知るのだが、戦国当時、自衛組織を持つ村は少なくなかった。江戸期も、村は強力な自治機能を持ち、農民に告発され代官が失脚した例もあるという(『独学でよかった』中日映画社)。名もなき民衆は、歴史の主役として描かれることは少ないが、実は歴史の底流をつくっている。一人一人は無力のようでも、結束し、粘り強く生き抜く力は侮れないのです。
名作中の名作だが、映画評論家の佐藤忠男氏は違和感を覚えたそうです。映画の中の農民は右往左往するばかりで、武器の扱い一つ知らない。農民は本当に愚かで卑屈だったのか、と。
後に氏も知るのだが、戦国当時、自衛組織を持つ村は少なくなかった。江戸期も、村は強力な自治機能を持ち、農民に告発され代官が失脚した例もあるという(『独学でよかった』中日映画社)。名もなき民衆は、歴史の主役として描かれることは少ないが、実は歴史の底流をつくっている。一人一人は無力のようでも、結束し、粘り強く生き抜く力は侮れないのです。