2015年08月11日

子どもの読書量

 厚生労働省が2001年生まれの子どもを対象に、継続して実施している調査によると、1カ月間に絵本や児童書を8冊以上読む子どもの割合は、母親が1冊(文庫・単行本)しか読まない場合は22・3%。一方で、母親が読む冊数が増えれば、子どもの読書量も増加する結果が出ました。父親も同様の傾向という。親の読書習慣が子どもの読書量に影響する、と言えましょう。
 教育評論家の親野智可等氏は、読書や習い事など、「親が子どもに何かをやらせたいならば、親が工夫すること」と指摘しています。ともすると、子どもに「あの本、もう読んだの?」と聞いてしまいがちです。しかし、読ませたい本があれば、まず自分で読んで、子どもが興味を持てるよう、感想を語っていきたいものです。  

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2015年08月10日

爆弾を花火に変えて

 童心のままに生き、絵を描いた画家・山下清の代表作の一つに、貼り絵「長岡の花火」があります。七つの大小の花火を見上げる群衆が、精緻に表現された傑作です。
 新潟・長岡の花火大会は、136年前にその起源があるそうですが、戦後は、戦争被害者の慰霊、恒久平和の思いを込めて打ち上げられてきました。そして2005年以来、中越地震からの復興を願う「フェニックス」(不死鳥)と名づけられた花火が、夜空を彩るようになったのです。
 花火が好きだった山下画伯は言っています。「世界中の爆弾を花火に変えて打ち上げたら、世界から戦争が無くなるのにな」(映画「この空の花―長岡花火物語」)  

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2015年08月09日

忘却は罪

 きょうは、長崎の原爆忌です。市内に住む82歳の壮年は70年前、爆心から1・2キロ地点で被爆しました。当時、小学6年生。瀕死のやけどを負い、約250人いた同級生の多くが犠牲に。翌年の卒業式に集った児童は、わずか14人だったそうです。
 その後、2人の姉も後遺症で世を去りました。いわれなき偏見・差別と戦い、壮年は“あの日”の記憶を風化させず、懸命に語り続けてきました。「ナガサキを忘れることは、“人の死”に鈍感になること。忘却は罪です。だから語って語って語り抜きます」と。  

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2015年08月08日

語り合う

 顔を合わせて語り合う時、相手から受け取るメッセージは、電話やメールの何倍も大きいですね。これは、言葉以上に非言語のコミュニケーション、すなわち、声やしぐさや表情が多くを伝えるからです。「会えて、うれしい」「ずっと心配していた」「応援しているよ」――その心が心に届きます。
 高名な作家が高校生だった時のこと。とても優秀な同級生がいた。人気者の彼がある時、学校を休んだ。大会社の社長である彼の父親が、不正をして検挙されたというのだ。新聞は家庭の写真まで掲げ、非難を書き立てました。
 3週間目、彼が突然、学校にきました。休み時間に廊下の隅で一人、窓の外を眺めていました。彼は優しい言葉を求めているはずだ。彼の誇りを傷つけずに、どう近づこう――迷う間に始業ベルが鳴った。彼は学校を出て、ついに再び現れなかった。オーストリアの作家ツヴァイクの回想です(三宅正太郎著『裁判の書』角川文庫)  

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2015年08月07日

人間としての勝利

 庶民の中で育ち、民衆史家とも呼ばれる19世紀フランスのミシュレは、歴史における善と悪を鋭く見極め、後世に留めました。
 仏文学者の大野一道氏は、自著『「民衆」の発見』(藤原書店)の中でミシュレの次の言葉を紹介しています。「飢えと剣によって、一五○○万人を折よく(都合よく)殺すことはできる。だが小さな歌を、万人に愛される曲を作ること、それはいかなる策謀をもってしても、なしえないだろう」と。
 巨大な軍事力や暴力による破壊などではなく、たとえ小さくとも人の心に響く創造こそが、人間としての勝利であるとの宣言でしょう。  

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2015年08月06日

広島70年

 広島に原爆を投下した爆撃機「エノラ・ゲイ」の乗組員は、全員が世を去っています。いや応なき時の流れです。彼らの受けた命令は、目標地点に爆弾「リトルボーイ」を投下すること。70年前のきょう、作戦は実行されました。戦後の彼らは、自身の行為を正当化し、謝罪を拒びました。
 一方、原爆開発の「マンハッタン計画」に携わる科学者の任務は爆弾の製造でした。ただ一人、計画から離脱したロートブラット博士は、他の同僚が計画に参加し続けた最大の理由を「純粋で単純な『科学的好奇心』」と、対談した池田SGI会長に語ったそうです。
 巨大プロジェクトの局面、局面で、当事者は職業的使命を遂行しました。その結果、広島・長崎の20万を超える人々が殺された。だから、同博士も署名した「ラッセル・アインシュタイン宣言」は訴えています。「あなたがたの人間性を心にとどめ、そしてその他のことを忘れよ」と。
 軍人である前に、科学者である前に、政治家である前に、あるいは記者である前に、「人間」であること。回り道のようですが、この根本からの思考なくして、絡み合った核をめぐる軍事外交ゲームの糸を解きほぐすことはできないのです。  

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2015年08月05日

過去を悔やまない

 けがをした時、「どうしてこうなった?」と過去を悔やむ選手は伸びない。「どうすれば良くなるか?」と将来を考えて学び、実践できる選手だけが伸びていきます。けがと無縁のスポーツ選手など、まずいない。同じように、人生に挫折や失敗はつきもの。しかし、頭では分かっていても、実際にそういう事態に陥ると、苦しさに負けてしまいそうになる。その時に、それまでのやり方を見直し、「未来」に目を向けて、〝自分を変えるチャンス〟にすることができるか否かで、人生は大きく変わるのです。  

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2015年08月04日

肉体からのメッセージ

 米国の文芸評論家マルコム・カウリーが自著『八十路から眺めれば』(小笠原豊樹訳、草思社)で、16項目の“老いを告げる肉体からのメッセージ”を挙げています。
 例えば、「去年よりも足先が手から遠ざかったように感じられるとき」や「階段を下りる前に踊り場で一瞬ためらうとき」など。米国人の生活に即した例ですが、世界共通の老いの実感といってよいでしょう。
 加齢とともに忍び寄る肉体の衰え。その必然のことわりを受け入れながら、いかに精神を衰えさせることなく、成長を続けていくか。ここに健康人生の鍵があります。  

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2015年08月03日

今いる場所から、前進への一歩を

 ジャズピアニストのハービー・ハンコックさんは言っています。「音楽には、何が起ころうと、それを生かして、春のように花を咲かせていく力があります」「音楽には、人生のあらゆる課 題に挑戦し、勇敢に、前に踏み出すよう、人々を励ます力があります」と。
 私も胸中に”希望の音律”を奏でながら、今いる場所から、前進への一歩を踏み出したいと思っています。  

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2015年08月02日

打ち水

 猛暑にひとときの涼を演出する打ち水。打ち水をすると気温が下がり、そよ風が発生するとの実験結果もあります。節水の観点から、水道水ではなく、風呂の残り湯などの二次利用水、ためた雨水を使うのが望ましいですね。
 「武士町や四角四面に 水を蒔く」とは小林一茶の句。江戸時代の俳句や浮世絵には、打ち水がたびたび登場します。エアコンや扇風機などない時代、暑さを和らげる知恵として、打ち水は庶民の生活と、今よりずっと深く関わっていました。土埃をおさえる効果も。また茶会では、礼儀作法として打ち水が行われます。  

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2015年08月01日

己の 限界を知る

 「カエサル」が去り「アウグストゥス」がやってきた――というのは暦の話です。英語の7月(JULY)はカエサル、8月(AUGUST)はアウグストゥスに由来します。ローマの初代皇帝アウグストゥスは暦を変え、8月を1日増やした。彼のお陰で、多くの子どもたちの夏休みが、1日増えたわけです。
 歴史家トインビー 博士は、対談相手の創価学会・池田名誉会長の“歴史上、偉大な政治家は?”との問いに、漢の劉邦、日本の徳川家康と、このアウグストゥスを挙げました。博士の視点は“前統治者の事 業を再建し、永続性ある体制を築いた”ことにあったのです。
 3人の治世には、いくつかの共通点があります。その一つは人材を用いる名手だったこと。アウグストゥスは 有能ではあったが、養父カエサルのように才気煥発ではなかった。若い頃は病がち。演説の力も軍才も養父に劣った。彼の偉大さは、皇帝にまでなりながら己の 限界を知り、友人のアグリッパやマエケナスの力を認め、終生、大切にした点にあります。  

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