2015年07月11日

世界文化遺産

 世界文化遺産登録されて以来、観光ブームに沸く群馬の富岡製糸場。同製糸場は、明治政府が殖産興業の一環として1872年に建設しました。繭から糸を引き出す繰糸場は当時、世界最大規模を誇り、良質な生糸の大量生産を実現しました。経営母体は変わっても1987年まで一貫して、製糸工場であり続けました。
 操業停止から27年がたちますが、開業当初の建造物が良好に保たれているのには、理由があります。採算を度外視して、毎年、多額を費やし、保存に努めてきた企業の信念が、各紙で報じられました。
 87年の閉所式で、当時の社長は明言しました。“工場が物心両面で若々しく活気をもって生き永らえていくよう、今後も管理・運営を図る。単なる遺物や見世物にするつもりはない”と。 
 人々の心に、何かを生み出し続けてこそ、「遺物」でなく「遺産」といえます。だが、新たな使命を得て、生き続けるには、それを継承するための努力あってこそです。  

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2015年07月10日

大人と子どもの能力の違いとは

 「大人と子どもの能力の違いとは?」。この問いに、臨床心理士の網谷由香利さんは答えています。「大人は言葉中心で意思疎通するが、子どもは言葉よりも感覚を 重視する」。そして「時には大人以上に本質を鋭く理解する」と。
 自分の思いを、すらすらと正確に言葉で表現できる子どもは少ない。しかし、表現できないか らといって「分かっていない」わけではないのです。時と場合によっては、子どもは大人以上に鋭敏なのです。
 子どもの秘めた力を信じられるかどうかで、親子関係は随分と 変わるでしょう。信じればこそ、できることは子どもに任せ、自主性を伸ばすことができます。信じられないと、子どもの行動に過度に干渉し、伸びる芽を摘むこと にもなりかねないからです。  

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2015年07月09日

学問とは

 江戸時代の国学者・本居宣長は、庶民の心に”学ぶ喜び”を目覚めさせる人でした。
 彼は、医師をなりわいとする傍ら、源氏物語の講義も頻繁に行いました。そこには、学 問とは無縁の農民や町民たちも、喜々として集ったそうです。
 彼には、学問とは「物知りになる道」ではなく「自分の可能性を開く道」であるとの信念がありました。それゆ え、「おこたらずして、はげみつとむるぞ肝要」と、仕事の合間を縫っては研さんに励み、門人への講義も晩年まで続けたのです。(小林秀雄著『本居宣長』)  

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2015年07月08日

日本人女性として初めて宇宙に飛び立った

 向井千秋さんが日本人女性として初めて宇宙に飛び立ったのは、1994年の「7月8日」の事でした。向井さんは心臓外科医から宇宙飛行士への転身。困難を何度も乗り越え、10年がかりで夢を実現させました。かつて向井さんは、てい談で、宇宙飛行の成功に至る道について「大勢の人たちの祈るような思いに守られ、支えられて」と感謝を語っています。
 試練を勝ち越えた偉業の陰には、本人の努力とともに、必ず、祈る思いで見守り、支える人がいるものです。そういう陰の人の真心を忘れないことが、人間の条件でもあるのです。
 自分という存在は、自分だけのものではない。それを知った人は強く、謙虚になり、成長の道を歩み続けることができるのです。  

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2015年07月07日

きょうは七夕

 「宇宙とは?」などと考えなくても、人は生きてはいけます。それでも人間が真理を求めて壮大な努力を繰り返してきたのは、「知りたい」というのが人間の本源的欲求であるからです。あまたの宗教も、宇宙と世界の原理を知りたいという人間の願望から生まれたと見ることもできます。
 きょうは七夕。大宇宙と語らうような広々とした心で、妙法という生命尊厳の根本の道を進む誓いを新たにしたいものです。  

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2015年07月06日

波瀾に富んだ幸福な一生

 アンデルセンには、「みにくいアヒルの子」をはじめ、不遇だった自身の半生を投影した作品が多い。彼は貧しい靴職人の家庭に生まれ、学校も満足に通えなかったのです。暇を見つけては本を読み聞かせ、文学への窓を開いてくれた父も急死。14歳で家を出て舞台役者を目指すが失敗。ラテン語学校に通うも、校長夫妻に疎まれ、退学の憂き目にあったそうです。
 それでも、童話作家として成功した彼は、人生をこう振り返った。「私の生涯は波瀾に富んだ幸福な一生であった。それはさながら一編の美しい物語である」(『アンデルセン自伝』大畑末吉訳、岩波文庫)  

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2015年07月05日

求められていることをしたほうがいい

 今春、就職した人も3カ月がたち、一息つくころです。新人の緊張感をたたえ、全力で走り抜いた日々だったでしょう。真剣に取り組む大切さは言うまでもないが、健康にも留意してほしいものです。頑張るあまり無理をしていないか。上手に心身を調整するリズムをつくってもらいたい。と、願うものです。
 この時期、心を悩ますのが自分に与えられた仕事のことです。中には、やりたい仕事ではない、向いていない、興味が湧かないなど、悶々とする人もいる事でしょう。他人の仕事を羨むこともあるかもしれません。そうした葛藤をどう乗り越えるかが、これからの課題です。
 現時点では、職場の異動、転勤は希望通りにならないケースがほとんどです。活躍する先輩を見ると、むしろ不本意と思った場所で、その人の能力が開花した。例が多いことにきがつくことでしょう。
 そう指摘するのは『対話力』(中公新書ラクレ)の著者で多摩大学教授の樋口裕一氏と久恒啓一氏。「自分のやりたいことよりは、求められていることをしたほうがいい」ともと、エールを送っています。  

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2015年07月04日

誰の応援?

 市民マラソン大会の応援での話。ランナーが見えると、「頑張れーっ!」と声援を送った。「友達?」と聞くと、「いや、知らない人」。「では、誰の応援に?」との質問に、「みんな」。
 サッカーや野球など、チームスポーツの応援は、一方に肩入れするのが普通です。だが、マラソンでは、直接は知らなくても、必死に走る一人一人に、たくさんの声援が飛びます。ランナーは、その声に励まされながら、風のように駆け抜けていくのです。  

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2015年07月03日

 日本には約 40種類の蛍が生息しているそうです。ほとんどの蛍は、成虫の段階で、口器が退化し、水を摂取する程度の機能しかありません。幼虫時代に蓄えた栄養で生き、成虫になってわずか1、2週間ほどで生涯を閉じます。
 精いっぱい小さな命を輝かせて生きる蛍。人間の一生もまた、宇宙の壮大な営みから見れば、一瞬の出来事です。なればこそ、一 日一日を懸命に生き抜きたいものです。  

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2015年07月02日

よみがえってきた

 岩手県にある認知症高齢者のためのグループホームでの話です。施設は高台にあったため、津波の被害は免れました。だが、すぐ下の町は壊滅。10人ほどの入所者が静かに暮らす施設に、着の身着のままの百数十人の避難者が駆け込んできました。その中には、はだしのままの人も赤ん坊もいたそうです。
 停電、余震。そのなかで、入所者が心のバランスを崩し、叫んだり、外に出ていこうとしたそうです。騒然としたなかで迎えた翌朝――。ガスが使えず、古いかまどに火を付けようとするが、うまくいかない。その時、一人の認知症高齢者が上手に火を起こし、ご飯が炊けました。他の高齢者や職員も手伝い、避難してきた人にご飯を配る。温かいご飯を口にした子どもたちが初めて笑った。皆に生きる希望がよみがえってきたのです。
 どんな人にも、人を支える力がある。子らの笑顔は大人の希望となり、老いの経験は、若い人を助ける。支え、支えられて、人は生きている。震災時の経験を生かそうと、先の施設のある地域には、高齢者と子どもが触れ合う交流施設もできたそうです。  

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2015年07月01日

「小さな行動」が、やがて「大きな変化」に

 「目さまして猶起き出でぬ児の癖は かなしき癖ぞ 母よ咎むな」。目覚めても床を離れない自分を、母よ責めないで――と、苦悩のふちにある石川啄木は歌いました。
 啄木ほどの苦悩はなくても、朝が苦手な人は多い事でしょう。睡魔を断って、がばっと勢いよく起きる。これができる人もいますが、無理な人は、まず手や足の指を動かしてみるといいそうです。それが合図となり、だんだんと脳が目覚めるという。さらに、寝転んだまま“伸び”をしたり、手足を動かしたりすれば、楽に起きられるそうです。
 「小さな行動」が、やがて「大きな変化」につながるのです。  

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