2012年01月28日

真の楽観主義

 中国革命の父・孫文のエピソードです。孫文が出席したある会合で、あまりに大勢が集まったため、会場の床が抜けてしまいました。出発にあたって、何と不吉なことかと、皆が顔色を変えました。しかし、孫文は悠然と言い放ちました。“なんとめでたいことだ! 敵を踏みつぶす前触れではないか!”。この一言で皆の心は明るくはじけ、歓声が起こったそうです。「十転び十一起き」と言われた、孫文の不屈の魂を端的に示した出来事です。
 同じ事実に直面にしても、とらえ方や見方には、人によって違いが出るものです。その現象の善い面を積極的に見るようにする――これが「楽観主義」的な生き方です。
 
 仏法では「善悪不二」と説き、物事には必ず両面があることを鋭く指摘しています。真の楽観主義とは、いわゆる「お気楽」とは根本的に違います。物事の両面をとらえる正視眼を持ち、「大悪も、大善へ転じていける」との深い哲学に根を張った、確信あふれる前向きの思想です。  

Posted by mc1460 at 11:41Comments(1)TrackBack(0)つぶやき