2012年01月10日

成長とは

 一番寒い冬空のもとでも、緑を失わないのが松の木々です。日本三名園の一つ、金沢市の兼六園でも、雪折れを防ぐ「雪吊り」を装って、一層、目を楽しませてくれています。

 哲学者の和辻哲郎氏は、あるとき、砂山が崩れているところで、松の樹の根を見る機会があった。地上にある美しい松とは、ひどく違った姿をしていました。太いもの、細いものなど無数の根は、戦い、もがき、苦しみ、精いっぱいの努力を尽くしたように枝分かれし、一斉に大地に抱きついていたという。和辻氏は語る。「あの美しい幹も葉も、五月の風に吹かれて飛ぶ緑の花粉も、実はこのような苦労の上にのみ可能なのであった」(『偶像再興・面とペルソナ』講談社)と。

 成長とは、単に上へと伸び上がり、手を横に広げるだけではないのでしょう。しっかりと大地をつかむ根を持つことにあります。
  

Posted by mc1460 at 11:59Comments(0)TrackBack(0)つぶやき