2012年01月18日

桐の木

 かつて東北には、娘が生まれると、自宅の庭に桐の木を植える風習がありました。桐は、狂いが少なく、割れにくい性質ゆえに、タンスや琴といった、世代を超える品をつくるのに使われます。娘に物心がついたころ、親は「これは、あなたの木だ」と教え、育てさせるそうです。
 桐は、子どもと共にぐんぐん成長していきます。やがて、年ごろを迎え、娘の結婚が決まると、親は職人に託し、その木で小さなタンスや下駄を作り、嫁ぐ際に持たせたそうです。
 嫁ぎ先の見知らぬ土地で、人間関係や生活が一変し、つらい思いもするだろう。そんな時は、故郷の厳冬に耐え、倒れることなく成長した“わが木”に自身を重ね、忍耐強く、そして堂々と、試練を乗り越えなさい――そんな親の思いを込めたのでしょう。まだこの風習は残っているのでしょうか?
  

Posted by mc1460 at 11:32Comments(0)TrackBack(0)つぶやき